マザーズ

シングルマザーのエレナはルイスとカスパー夫妻の家へ住み込みの家政婦としてやってきた。夫妻は資産家ながら自給自足の生活を目指し、電気も水道も通っていない生活を送っていた。そんなある日、エレナはルイスから代理出産を懇願される。

「マザーズ」は、鬼才アリ・アッバシ監督の長編デビュー作で、マタニティホラーという新たなジャンルを切り開いた作品です。幸せな日常を描いた序盤から、じわじわと奇妙に変異していく後半部分への展開は、観る者の恐怖心を巧みにくすぐります。特に、生理的な嫌悪感を抱かせる演出は見事で、アッバシ監督の独特の色を強く出しています。この作品は、恐怖という感情を新たな視点から描き出すことに成功しており、観る者を引き込む力があります。