伊藤英明×綾小路 翔(氣志團)の『ドンケツ』対談。20年来の友人同士で語り合う、ドラマと主題歌の制作秘話

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最強のドンケツヤクザ・ロケマサを主人公に、修羅の国・北九州を舞台とした壮絶な抗争を描く配信ドラマ『ドンケツ』。

このドラマの主題歌に、氣志團の新曲『汚れなきクソ野郎ども』が決定いたしました。

マンガ『ドンケツ』の大ファンで、原作を読み直しながら一気に書き下ろしたという綾小路 翔さん(Vo.)。プライベートでも20年来の友人同士という伊藤さんと綾小路さんに、『ドンケツ』のドラマ化や主題歌に込めた思いを伺いました。

DMM TV オリジナルドラマ『ドンケツ』作品紹介

―最強が最強を呼ぶ―

黒のワイシャツとスラックス、エナメルの靴にコブラ皮のベルト、金の極太ネックレスの出で立ち。

敵対組織の事務所にロケットランチャーをぶちこんで以来「ロケマサ(ロケットランチャーのマサ)」の異名で恐れられる沢田政寿は、問題ばかり起こす傍若無人な性格が災いし、出世の見込みがないドンケツヤクザ。

誰かれ構わずボコボコにし、組長の言うことも聞かない、自分勝手でワガママな、超クズ男だが、なぜか男たちが惚れてしまう不思議な魅力を持つロケマサ。

そんなロケマサは仲間と敵を同時に引き寄せ、修羅の国北九州を舞台に日本全国を巻き込む一大抗争が勃発する。

超豪華キャストで贈るバイオレンス・アクションエンタテインメント!

出演は

伊藤英明、安田顕、金子ノブアキ、今井翼、青柳翔、久保田悠来、葉山奨之、早乙女太一、浅香航大、高橋克典、三宅健、、眞島秀和、永島敏行、柳葉敏郎(特別出演)、寺島進

2025 年 4 月 25 日(金)より DMM TV 独占配信中。

ドンケツ
伊藤英明主演!大人気の極道漫画が遂に実写ドラマ化!最低なのに、最高にカッコイイ!最強の漢"ロケマサ"が拳一つで極道界を突き進むバイオレンスエンタテイメント!...

●DMM TV 公式X @DMMTV_PR

●DMM TV 公式Instagram @dmmtv_pr

●DMM TVオリジナルドラマ「ドンケツ」作品ページ:https://x.gd/xfb1v

「昭和のヤンキーが令和に帰ってきた感じ。曲を聴いて鳥肌が立った」(伊藤)

―実写ドラマ『ドンケツ』で最恐のヤクザ・ロケマサを演じた伊藤さんと、主題歌を担当した綾小路さん。このツーショットは豪華すぎますね。圧もすごいです(笑)。

伊藤英明さん(以下、伊藤):『ドンケツ』がらみで翔ちゃんと会うのは、これが初めてですね。

綾小路 翔さん(以下、綾小路):そう。このインタビューの前に、『ドンケツ』の舞台挨拶がありまして。英明くんと出演キャストの皆さんとちらっとお会いさせていただいたんです。

北九州の極道社会が舞台の作品だけあって、皆さんオーラが凄すぎて、こんな場所にいていいのかと1分ぐらいで帰っちゃった。

なんだかやばい場所に入り込んでしまったような気がしてました(笑)。

伊藤:翔ちゃん、もともと人見知りだもんね。恥ずかしがり屋だから。

綾小路:すみません(笑)。

―綾小路さん、今回『ドンケツ』の主題歌のオファーを受けてどう思われましたか?

綾小路:いや、これがですね。僕、原作のファンでずっと読んでいたので、まずは「『ドンケツ』をドラマ化するんだ」っていうところから始まって。

しかも主演が英明くんだっていうから、なんかすごいご縁があるような気がして。

伊藤:翔ちゃん、『ドンケツ』の漫画は昔から知ってたの?

綾小路:ええ、この作品、もう大好きで。

―お二人はもともと知り合いだったのですか?

綾小路:僕ら、知り合ってからすごく長いんです。多分20年位前から付き合いがある。

2004~5年位に僕、英明くんに初めてお会いしてるんで。

―それはどんなタイミングで。

綾小路:それはですね、…多分、ただ飲んでいた時に会ったんだったと思います(笑)。

伊藤:実は僕、氣志團のファンで、ライブを何回か見に行ったことあるんです。

そこからプライベートで付き合いが始まって。

翔ちゃん、昔からこの通りの格好なんだけど、ものすごくトークが面白くて、知的で品があるヤンキーで。

酒を飲んでも、絶対に、絶対に崩れないんですよ。みんなをいつも盛り上げてくれて。

綾小路:恐縮です。本当に。

―伊藤さん、ぜひ今回の主題歌『汚れなきクソ野郎ども』を聞いた感想をお願いします。

伊藤:いや、最高でしたね。

本当に『One Night Carnival』(※1)で一世を風靡した昭和のピュアなヤンキーが令和に帰ってきた感じの曲で。

キラーワードがちりばめられていて、鳥肌が立つような思いのする、すごくいい曲だなと思いました。

『ドンケツ』はまさに、“汚れなきクソ野郎ども”の世界を描いた作品ですから。

(※1 2001年に発売された、氣志團の有名なメジャーデビューシングル)

―綾小路さんは、どうやって曲作りを?

綾小路:最初は、主題歌のお話をいただいたとしても、僕らの曲がそのまま通るなんて事はないのかなと思ったんです。だからこそ、のびのび、やらせていただこうという気持ちで臨みました。

今まで英明くんの事はプライベートでは知っていたけど、なかなか仕事で思いっきりがっつり組む事は少なかったし…。

だから、ここでついに英明くんと交われるのかなという思いもありましたね。

―そうでしたか。

綾小路:それこそ今の時代、どんどん新しいタイプの曲が出てきているじゃないですか。ドラマやアニメの主題歌にしても、です。

今の曲って、本当によくできているんですよ。今どきのミュージシャンは、音楽のことについても詳しいですし、テクニックもすごいんで。

でも、やっぱり僕たちって昭和生まれなので、令和の音楽はかっこいいんですけれど、なかなかついていけないところもあるんですよ。

いい曲だけど、僕たちはカラオケでは歌えないな、みたいなところもあって。

―伊藤さんと綾小路さんはともに昭和生まれ、同年代ですもんね。

綾小路:そうです!

僕ら世代のこの作品、もう大好きで。

今の時代とか関係なしに、自分がこの作品から受けたパワーをそのまま楽曲にできないだろうかと思ったんです。

こんなハードロックみたいな音で、なのに、和のメロディーみたいな感じで…。今どきこんな曲?って言われるかもしれないけど、『汚れなきクソ野郎ども』というタイトルも、確実にNG出るだろうなと思いつつも、とにかく思いっきり行ってみようということで。

僕らが憧れたような男たちがひしめき合う『ドンケツ』の曲を作れるなら、自分たちのバックボーンそのままで、堂々とぶつかっていけないかなと思って。

―『汚れなきクソ野郎ども』、耳に残る、名曲だと思います。タイトルも強いですね(笑)。

綾小路:今、コンプライアンスというものが一体何なのか、自分たちの中でもわからなくなってきている時代だと思うんですよ。

確かに、世の中に対して何かを発信するときには、もっともっと慎重であるべきだと思う。

昭和の時代と変わってきている部分はたくさんあって当たり前。

でも本当に言葉尻だけで善悪を決めていいのかなって瞬間もあるわけです。

そんな中、僕たちにとっては“クソ野郎”というワードは、1つの褒め言葉でもあって。

こんなにピュアな男たちに、光が当たる瞬間であってほしいというのがあったので、タイトルも『汚れなきクソ野郎ども』に決まりました。

こう見えて、わたくし、NGにはすぐに対応できるタイプなので(笑)。

伊藤:ビジネスマン!!(爆笑)

綾小路:そうなんです!意外とビジネスマンなので(笑)。

とりあえず自分の思った曲をぶつけて、「ダメです」と言われたら「直しますので、少々お時間ください」と言えばいいやと思って。

そしたら「このままでOK!」って言っていただけたので、本当に頼もしかったですし…。自分の中でもドキドキしながら作ることができてよかったです。

伊藤:本当にこれぞ氣志團の曲だっていう楽曲だし、ストレートなメッセージの中に、洒落っけもあって。ぶれることなくまっすぐで純粋な歌だと思いました。

改めて、この『ドンケツ』のキャラクターたちの、ブレずに素直な、ピュアな感じがかっこいいんだっていうメッセージがすごく伝わってきて、本当に素敵な曲。

氣志團の綾小路 翔 、健在だな、さすがだなっていう。

綾小路:いや、恐縮です。ありがとうございます。

伊藤:でも曲ができたのがすごく早かったですよね。

氣志團が主題歌を制作するという話が決まってから、ほぼ2ヶ月位のスピード感であっという間に出来上がって。

綾小路:曲が仕上がったときは本当に気持ちよかったですね。

伊藤:バッチリ決まったよね。

「 “今まで破れなかった薄皮みたいなもの”を突破するきっかけになった」(綾小路)

―綾小路さんにとって、主人公のロケマサはどんな人ですか。

綾小路:ロケマサは、本当にむちゃくちゃな人ですよ。

本当にすべてを腕力と男気だけで、時代の移り変わりも関係なしにやっていくっていうのが、もうすごい。

ロケマサほど自由に生きている人って、あまりいないと思うんですよ。

数ある漫画のヒーローの中でも、相当なヒーローなんじゃないかなと。

かつて筋金入りの不良だったとしても、理想だけでは生き抜いていくことができない世の中じゃないですか。

大人になっていく中で、どこかで、やっぱりみんなビジネスマン的思考に変わるし、縦社会もあるし、人付き合いもあるし。

アウトローの世界なんて、下手したら一般社会以上に大変で、ときには惨めな思いをすることだってあるだろうし。

俺たち氣志團も、音楽を始めたときに「絶対にこの路線で行く。このメッセージを伝えられなきゃ意味がない。それができないんなら表に出る必要ない」ってイキってた時があった。

でも、今なんて、「氣志團さん、当て振り(※2)で」なんて言われたら「はいはい」っていう感じで受け止めますもん(笑)…。

(※2 音楽番組でサウンドチェック等の手間を省くために、本番では楽器を演奏せずに事前に収録した音に合わせて演奏しているふりをすること)

伊藤:翔ちゃん、当て振りも対応するの(笑)!

綾小路:本当にね。“房総の狂犬”が聞いて呆れるぜ、なんて思ったりしながらね(笑)。

実は、自分の中でも、どうしても破れない薄皮みたいなものにくるまれている感じが、長年ずっと続いていたんですよ。

伊藤:そうなの?

綾小路:だって、もともと売れるわけないバンドなんですよ、こんなバンド。

伊藤:なんだなんだ(笑)?急に人生相談モードに入ってきたな(笑)。

綾小路:だって、冷静に考えたらこんな髪、おかしいじゃないですか。

デビューした時点で、こんなリーゼントのヘアスタイル、もう世の中にはほぼいなかったんですよ。

絶滅危惧種のトキより少なかったよ。

伊藤:トキより少ないって、ちょっと(爆笑)!

綾小路:でもね、心の中では、今の自分たちが喧嘩するべき場所はどこだろうって、いつも思いながらやっているところ、あるんです。

そんな中、今回、漫画『ドンケツ』を読み返してみて、もう一回感銘を受けてさ。

相手の顔色を伺って曲を作るっていうのを、1回止めてみようって思ったの。

こんなチャンスを与えてもらえたんなら、思いっきり好きに作ってみよう。

それこそメンバーたちの意見も何も聞かずに、とりあえず小僧の時みたいに、自分だけで思った通り作ってみようって。

それでOKがいただけたんで。

伊藤:なるほどね。

「プライベートの英明くんは、まんま“ロケマサ”かもしれないわ(笑)」(綾小路)

―『ドンケツ』大ファンの綾小路さんの目には、伊藤さんのロケマサはどう映りましたか?

綾小路:いや、英明くんはロケマサなのよ。

本当にこれは、お世辞でも何でもないですよ。

マジで、マジで、あのマンガの2次元の世界観が、ちゃんと3次元化したぞっていう。

伊藤:嬉しいなぁ。

綾小路:僕と同じ『ドンケツ』ファンの友達がいたので、彼に「実は『ドンケツ』の実写化の話があって」って言ったら、

「マジで?…っていうか、『ドンケツ』なんてドラマ化できんの?そもそも主役のロケマサは誰が演じるの。…え?…伊藤英明くんがロケマサ?」って。

彼からすると、英明くんは本当に爽やかで、イケメンで、ロケマサのイメージもなかったんでしょう。

その後、バラエティー番組で英明くんとご一緒した時、『ドンケツ』の撮影期間中だったらしくて、英明くんの見た目がまんまロケマサで。そこで初めて合点がいったの。

番組の制作発表を見て、『ドンケツ』大ファンの例の友達もぶっ飛んでた。

スタイル抜群のままですけど、英明くんは完全にロケマサの風貌になってて。

声色から北九州弁から、もう漫画から飛び出たようで、マジでびっくりしましたし。

ほら、みんな思い入れが強い漫画が実写化されるとき、ちょっとしらけてしまう部分もありそうじゃないですか。

でも今回の英明くんはすごい。

きっと原作のたーし先生も、これぞリアルなロケマサだと思ったんじゃないかな、くらいの衝撃を僕は受けました。

伊藤:そんなこと言ってもらえて嬉しいです。

本当にありがとうございます。

…いやぁ、本当に嬉しいなぁ。

なんてったって僕ね、昔、翔ちゃんのお店で酔っ払って、出禁を食らった男ですから。

綾小路:あ、確かに(笑)。プライベートの英明くんは、そういうところもまんまロケマサだったかもしれないわ、言われてみれば(笑)。

伊藤:ちょっと(爆笑)!!

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伊藤 英明(いとうひであき)プロフィール

1975年8月3日、長崎県佐世保市生まれ、岐阜県育ち。1993年、第6回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリを受賞。『海猿』シリーズでは、劇場版、ドラマ版ともに主演。そのほか、映画『悪の教典』(主役・2012)、『テラフォーマーズ』(主演・2016)、『22年目の告白-私が殺人犯です―』(主演・2017)、『KAPPEIカッペイ』(主演・2022)、『#真相をお話しします』(2025)、テレビドラマ『白い巨塔』(2003)、『ダブルス〜二人の刑事』(2013)、『僕のヤバイ妻』(2016)、『花のれん』(2025)など出演多数。

趣味はスキューバダイビング, 乗馬, スキー, スノーボード。資格は普通自動車免許, PADIダイブマスター, 一級小型船舶操縦士免許を取得。

●Instagram @thehideakiito

綾小路 翔(あやのこうじしょう)プロフィール

4月26日生まれ。キャッチコピーは“永遠の16歳”。孤高のヤンクロックバンド「氣志團」の誇り高き團長。誰が呼んだか、”房総の狂犬”。お酒と落書きと猫が好き。1997年、千葉・木更津にて氣志團を結成。2001年、メジャーデビュー。TBS系ドラマ「木更津キャッツアイ」出演、自ら企画の大型野外ロックフェス、全国アリーナツアー、ロックバンドとしては最速での東京ドームGIG成功など、まさに「氣志團現象」を巻き起こし、NHK紅白歌合戦へも2年連続で出場を果たす。ジャンルレスにアンダーグラウンド、オーバーグラウンドの両サイドを行き来する、天下無双のツッパリ・クリエイター。

●X @ShowAyanocozey

●Instagram @showayanocozey

取材・文:小澤彩
撮影:髙橋耀太