俳優・古川雄輝、『ゴールデンカムイ』で好演。仕事の信念と未来のビジョン、ファンへの思いを語る

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ドラマ『ゴールデンカムイ』第6話で江渡貝弥作(えどがいやさく)を演じ、再現度の高さが話題となった古川雄輝さん。撮影のエピソードやご自身の俳優人生、フリーランスとなった2024年の振り返り、ファンの方への思いを伺いました。

連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』作品紹介

明治末期の北海道を舞台に、元兵士・杉元佐一(山﨑賢人)、アイヌの少女アシㇼパ(山田杏奈)、脱獄囚・白石由竹(矢本悠馬)らが金塊のありかを示す刺青囚人を巡って過酷な旅に挑む。

一方、鶴見篤四郎中尉(玉木宏)率いる大日本帝国陸軍「第七師団」や新撰組副長・土方歳三(舘ひろし)も金塊を狙う。

クセ者たちが絡み合い、三つ巴に留まらない波乱に満ちた金塊争奪戦が幕を開ける!

【第6話「職人の鑑」ストーリー】

怪しげな革を用いた本をダン(モーリー・ロバートソン)に見せられる杉元たち。夕張にいるこの革職人の館で刺青人皮の目撃情報があったと聞き、一行は夕張へ。一方、炭鉱事故で土葬された墓から人間の体を持ち去る怪しげな人物をマークする鶴見。夕張で剥製工房を営む江渡貝(古川雄輝)という男だと分かる。江渡貝の精巧な技術に目を付けた鶴見は、言葉巧みに江渡貝の懐に入り込み、思いも寄らないことを持ち掛ける。

ドラマ版全9話WOWOW独占配信中

(※『連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』公式サイトより引用)

連続ドラマW ゴールデンカムイ-北海道刺青囚人争奪編-
明治末期の北海道。日露戦争を生き残り、「不死身の杉元」と呼ばれた元軍人・杉元佐一(山﨑賢人)は、アイヌの少女・アシㇼパ(山田杏奈)、網走監獄の脱獄囚・白石由竹(矢本悠馬)とともに、金塊のありかを...

「原作へのリスペクトを大切に」江渡貝くんを演じる

©野田サトル/集英社 ©2024 WOWOW江渡貝弥作(えどがいやさく)

ー今回、ゴールデンカムイ』では人間の皮を扱う剥製職人の江渡貝弥作を演じていらっしゃいますが、役作りのポイントを教えてください。

古川雄輝さん(以下、古川):原作へのリスペクトを大切に、なるべく忠実に再現することです。

これはスタッフの方や他のキャストの方も大切にしていました。

ーSNSでも再現度の高さが話題になっていました!

古川:漫画やアニメの江渡貝くんを見て、ビジュアルや癖を再現しました。

江渡貝くんは剥製と鶴見中尉のことしか知らないキャラなので、撮影中は江渡貝くんが出てくるところはしっかり読み込んで、それ以外はあえて読まないようにしていました。

ー衣装はどのように制作されたのでしょうか。

古川:レーザーを体に当てて3Dスキャンして、体の型をとって作っていただきました。

実は、以前映画『ライチ☆光クラブ』でご一緒して、ロボットなどを作ってくださった方が今回も担当してくださったんです。

ー特徴的なメイクも印象的でした。

古川:顔の線は、ファンデーションを暗いものと明るいもの2トーン使って作っています。

髪も、カツラのほうがより忠実に再現できるので、あえてカツラを使いました。

ー玉木宏さん演じる鶴見中尉とのダンスシーンの撮影はいかがでしたか?

古川:僕はサンダルを履いていたんですが、衣装を作って下さったスタッフの皆さんが踊りやすいように気遣って、工夫してくださりました。

あとは、とにかく暑かったです。革の衣装で、頭まで被り物を被っているので、空気が入らなくて。

ー玉木さんとのエピソードは、他にも何かありますか?

古川:5秒で泣かなくてはいけないシーンがあって、そのときに「よくこの短時間で泣けたね!」と言っていただきました。

ー大変な撮影も多かったかと思います。

古川:様々なことをこなさなくてはいけない大変さがありました。

ダンス練習も何回もありますし、衣装も何度も調整したり、職人としての専門的なセリフも多かったんです。

ー準備期間も、他の作品より長かったのでしょうか。

古川:そうですね、台本をいただいたのは一年くらい前です。

当時、『大富豪同心3』(2023)というNHKの時代劇を撮影していたんですが、撮影が途中で延期されて、『     ゴールデンカムイ』撮影後にまた戻らなくてはいけなくなってしまったんです。

ーそうだったんですね。

古川:なので、江渡貝くんを演じながら時代劇のセリフも頭に入れていなければいけない、という状態でした(笑)。

ー最後に、これからご覧になる方にコメントをお願いします。

古川:キャストもスタッフも愛をもって、原作をリスペクトして作っている作品です。

映画第2弾の製作も決定しているので、ぜひそちらも見ていただきたいです!

自分が納得するまでやりきる「やらない後悔よりやる後悔」

改めて、古川さんの俳優デビューのきっかけを教えてください。

古川:大学3年生のとき、ミスター慶應に選ばれたのがきっかけのひとつです。

僕、普通の理工学部生だったんです。大学院に推薦で受かっていて、インターンに行ったり、就活もしていました。

僕が出る二年前に、同じダンスサークルの部長だった芸人のコットンの西村真二さんがミスター戦で優勝して、そこから部長が毎年出る流れができたんです。

だから西村さんがいなかったら僕は出ていなかったです(笑)。

ーそうだったんですね!

古川:そのあと、ホリプロ創業50周年記念の新人発掘オーディション「キャンパスター★H50withメンズノンノ」というオーディションを受けました。就活で有利になるかと思ったんです。

でも、グランプリは落選してしまったんです。それが悔しくて。

審査員特別賞をいただき、事務所にも入れていただいたので、事務所に示しをつけるために大学院も、就活も辞めました。

ー大学院も就活も辞めるとなると、相当な覚悟が必要ですよね。

古川:やらずに後悔するのが嫌だったんです。

“ここでやらなかったら後悔する。どうせ後悔するならやって後悔した方がいい、やるだけやろう”と思いました。

ー周囲の方の反応はどうでしたか?

古川:家族は心配していたと思います。

友人には最初、いじられました(笑)。でも、やっぱりテレビに出始めると、みんな「見たよ」、「よかったよ」って言ってくれました。

ー22歳で未経験として始められて、当初はかなり大変なこともあったのでしょうか?

古川:そうですね、でもそれはどの仕事でも同じだと思います。

どんな仕事も絶対辛いし、楽な仕事はない。

特に当時は今のようにコンプライアンスもなく、厳しい時代だったので、新人の頃は辛い経験も多かったです。

ー厳しい中でも、続けられた理由はありますか?

古川:辞めるという発想はなかったです。ちゃんと納得するところまでやらずに辞めたら、後で後悔すると思うんです。

あとは、ステップアップしている感じが楽しかったんです。未経験として始めたからこそ、自分の成長が強く感じられたと思います。

少しずつ責任ある仕事も任されるようになって、徐々に楽しさからプロフェッショナルなマインドになりました。

ーお仕事をする上で、大切にされていることを教えてください。

古川:もちろんお芝居自体も大切ですが、お芝居以外の人間関係といった部分も大切にしています。働くというのは、チームで動くことなので。

これも、他の業界でも共通して言えることだと思います。

ー今までで一番思い出に残っている作品を教えてください。

古川:ドラマとして初めて出演した『アスコーマーチ〜明日香工業高校物語〜』(2011)という作品です。

武井咲ちゃんが主演で、松坂桃李くん、永山瑛太くん、賀来賢人くん、剛力彩芽ちゃんなど、経験豊富な方が多い現場でした。

ー学園ドラマということで同世代の方もたくさんいらっしゃったと思いますが、どのような影響を受けましたか?

古川:やっぱり、どう映るかという技の見せ合い、実力の競争になるんです。

上手い人は頭を使っているし、できない人はわかりやすく任されるセリフも減っていく。

年下の子もいるのに、技術が全然違うんです。自分の技術のなさを痛感して、はじめて”勉強しなきゃだめだ”と強く思うきっかけになったので、すごく印象に残っています。

ー他に俳優人生の中できっかけとなった作品はありますか?

古川:名前を広く知っていただくようになったきっかけは、『イタズラなKiss』(2013)です。

実はこれも、ミスター慶應のご縁なんです。

当時実行委員をしていた女の子が制作会社に入って、僕のプロフィールを机に貼ってくれていて。それを見た制作会社の方が、「この子、主人公の入江君と経歴が似てるね」となって、オーディションを受けることになりました。

当時僕はロンドンで舞台をやっていたので、ロンドンでリモートでオーディションを受けて、それで決まったんです。

この作品が中国でもヒットして、海外ファンの方も増えました。

フリーランスとなった2024年を振り返って、今後の展望

ー2024年はどんな年でしたか?

古川:率直に、大変でした(笑)。フリーランスになったことが大きいです。

ーフリーランスになられて、いかがですか?

古川:大変な部分も、良い部分もあります。

フリーランスになったことで、自分で仕事を選べるようになりました。自分で0から100まで全部やるので、達成感があります。

去年発売した写真集「Λ(ラムダ)」(2023)も企画から自分でやりました。

あとは、直接スタッフの方とやり取りができるので、「今回良かったので、またやりましょう」という声を直接伺えたり、僕自身も直接感謝を伝えられたり。それがいいな、と思います。

ー今後の展望はありますか?

古川:海外も視野に入れていくこと、時代に合った働き方をすることです。

俳優というとYouTubeやライブ配信を敬遠しがちなイメージもありますが、僕は時代に合わせてうまく活用したいと思っています。 

この前、街で「インフルエンサーの方ですよね?」と声をかけられたくらいで(笑)。今の時代、SNSの力は大きいです。

あとは、昔のようにがむしゃらな働き方ではなく、自分にとって重要だと感じる役やお仕事を選んで、プライベートの時間も大切にするようになりました。

ファンは家族であり仲間「みんながいて今の僕がある。感謝しかない」

ー古川さんはファンの方との交流を大切にしていらっしゃいますが、オンラインサロンはどういった思いではじめられたんですか?

古川:「みんなで一緒に目標をもって頑張る」という場を設けたくて、始めました。もともとメルマガをやっていたんですが、どうしても一方通行で、それが嫌だったんです。

「外の世の中は大変なこともいっぱいあるけれど、サロンの中だけは楽しい空間にしよう」というコンセプトを大切にしています。

僕はYouTubeもやっているんですが、サロンでいただいたコメントを企画にしたり、皆さんの意見を拾うようにしています。

ーファンの方は、古川さんにとってどんな存在ですか?

古川:僕の一番の味方、サポーターです。今の僕があるのはファンの方がいるからです。

家族のような、共通の目標を持って一緒に頑張っている仲間のような存在です。

ー心強い存在ですね。

古川:何をするにもサポーターがいるかいないかは、仕事をする上で全然違います。

例えば舞台挨拶をするとき、何百人もの観衆やキャスト、マスコミの前で喋るのは緊張するんですけど、ファンの方がいて下さるだけでアットホームな空間になるんです。それだけですごく喋りやすい。

文化祭や、観覧のできるバラエティー番組に出るときもみなさん応援しに来てくださって、僕も本当に安心するし、感謝しています。

ーファンの方への思いを教えてください。

古川:みんながいて今があるので、感謝しかないです。

だから、僕もみんなが楽しめるものをなるべく提供できるように、オンラインサロンやX、Instagram、YouTubeも頑張っていきます。

古川 雄輝(ふるかわ ゆうき)プロフィール

1987年12月18日生まれ、東京都出身。『アスコーマーチ〜明日香工業高校物語〜』(2011年・テレビ朝日)、『イタズラなKiss〜Love in TOKYO』(2013年・フジテレビTWO)、映画『ライチ☆光クラブ』(2016年)、日韓合作映画『風の色』(2018)などに出演。王道からクセのある役まで幅広く演じる。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019 では「ニューウェーブアワード男優部門」を受賞(2019年)。weibo account festival 2020 微博日本群英会では「注目俳優賞」を受賞(2021年)。趣味は猫、車、麻雀、ウイスキー。

●X @yuki_furukawaYF
●Instagram @yuki_furukawa_hp
●Youtube @yukifurukawa5975
●オフィシャルサイト 古川雄輝 Official Website
オンラインサロン

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