映画公開前にもかかわらず、公式Xでは1.1万人(2024年4月24日現在)のフォロワーから支持を集めている映画『温泉シャーク』。
2024年7月5日に全国公開が決定したことを記念して、企画・原案・製作の永田雅之(ながた まさゆき)さんにお話を伺いました!
『温泉シャーク』概要
静岡・熱海の地域を盛り上げようと、特撮×温泉をテーマにした日本発のサメ映画制作プロジェクト。クラウドファンディングにより資金調達を行い、2023年6月4日、開始から5時間で目標額の100万円を達成、最終的な支援金額は1,140万6,100円、1200名以上の支援者数に達した。
【特撮×温泉】日本発サメ映画『温泉シャーク』制作プロジェクト!2023年完成
『温泉シャーク』あらすじ
人気の温泉地に突如現れた脅威!
温泉地vs古代ザメ
人類との戦いが今、始まろうとするのであった
市長の万巻が主導する複合型巨大観光施設の建設が進むS県暑海(あつみ)市では、温泉客が忽然と姿を消す連続失踪事件が発生していた。しかも被害者はその後、海でサメに襲われた遺体として発見されるのであった。捜査に乗り出した警察署長、束(つか)と海洋生物学博士の巨勢(こせ)は、太古の昔から蘇った獰猛なサメが暑海各地の温泉を自由に行き来し、人々を襲っているという驚愕の事実を突き止めるのだが・・・
予告篇
ナレーション:サンシャイン池崎
テーマ曲: Storytellings「灼熱の戦歌」
登場するサメは432匹以上⁉ 斬新なテーマでクラウドファンディング時から注目を浴びる
ー特撮×温泉×サメという斬新な発想で、公開前にも関わらずSNSでかなりバズっていらっしゃいますよね。どのようにプロモーションをされていたのですか。
永田雅之(以下、永田):ありがたいことに反応を沢山いただいていますね。
映画が完成してから宣伝して、公開までもっていくというのが普通だと思うのですが、広告に使うお金もなければ、コネクションもありませんでした。
興味をもっていただいたみなさんと ”一緒に映画を作っていく感じ” を楽しんでもらいながら、ファンになってもらえたらいいなと思い、SNSやクラウドファンディングを始めてみたところ、思いのほか反響をいただいてしまったという感じです。
ー改めて、今回このような作品を企画した経緯を教えてください。
永田:私自身が熱海在住なのですが、「熱海の魅力をもっと伝えたい」と言う想いで、なにか映画を作りたいなと思っていました。「熱海」といったら「温泉と海」、「海」といったら「サメ」…という風に単純な考えで着想しました。
※劇中では暑海(あつみ)市という架空の温泉地が出てきます。
温泉からサメが出てくるという、突飛でB級感漂うところがみんなの驚きになってバズってくれたのかなと思っています(笑)。
ー特に「サメ映画」にこだわった理由は何かあったのでしょうか。
永田:これまでの日本では『ゴジラ』や『ウルトラマン』などの「怪獣映画」は作られてはいたのですが、「サメ映画」というものが大きく作られることがなかったんですね。
一方で、そんな「サメ映画」の歴史は日本では短いにもかかわらず「サメ映画ファン」という人々が一定数いるという現状がありました。
そこで、日本から世界に向けてもっと ”直球なサメ映画” を作ってみたいという想いから、サメを題材にすることになりました。
ー「サメ映画」は、どういうところが魅力でしょうか。
永田:「サメ映画」って結構自由なんですよね。海外ではサメ映画だったらなんでも許されるみたいな空気があって(笑)。
自由な発想でできるというのは作り手としても面白いので、「じゃあそれを日本で作るとしたら、温泉だよね」という感じで考えました。
ー井上森人監督とはどのように出会ったのですか。
永田:2018年頃に熱海で、「熱海怪獣映画祭」というものがありまして、そのときにちょうど井上森人監督と知り合いました。彼は、全国自主怪獣映画選手権で優勝を2回している実力者でして。
私が「サメ映画を企画しているんだけれども…」とお話ししたところ、井上森人監督が「ぜひ脚本を書いてみたい」と言ってくださって、この企画がスタートしました。
ークラウドファンディングでも、すごく支援があったようですね!
永田:おかげさまで開始から5時間で目標額の100万円を達成、最終的な支援金額は1,140万6,100円と、かなり支援していただきました。
サメ映画の中で、よくファンの方たちのストレスとして「あんまりサメが映画に出てこないな」なんていうことがあるんです。
それを面白おかしく、何かの企画にできないかなと考えてできた企画のひとつが【サメマシマシプラン】です。
これは1口につき1000円支援していただくと、劇中に1匹サメを登場させることができるという企画で、なんと432口も支援いただけました。
なので映画の中に、432匹以上のサメが登場するというのは、確定しています(笑)。
ー斬新で面白いです。サメの数にも注目ですね(笑)。
豪華なキャスト・音響・音楽制作陣で期待高まる
ー撮影のこだわりについて教えてください。
永田:今回本作の重要な要素として「432匹以上のサメを出さないといけない」というのがあったので、特撮や合成だけでそれを実現させるのには厳しい現実がありました。
そのため、CGをうまく使ってたくさんのサメを出しています。スクリーンいっぱいに出てくるサメの大群をぜひ観ていただけると面白いのではないかなと思います。
ーキャスティングについても教えてください!
永田:本当にいろいろな方々に集まっていただきました。
特にお伝えしたいのは、ウルトラシリーズで唯一の女性隊長役として出演されていた、女優の高樹澪(たかきみお)さんが出演してくださったことですね。
井上監督が子どもの頃に観ていた『ウルトラマンティガ』の隊長の高樹澪さんが出演してくれるということで大喜びでした(笑)。
ー音響や音楽の制作陣も豪華だとか。
永田:一部の特殊音響効果に、平沢進さんが携わってくださっていたり、音楽には神馬譲さんが参加してくださいました。
テーマ曲のStorytellings「灼熱の戦歌」では、バイオリン、チェロやトランペットなどの生演奏をお願いした、かなり重厚な作りになっているので、楽しみにしていただけたら嬉しいです。
ー「重要ポイント:犬は死なない」っていう宣伝文句が面白いなと思ったのですが、永田さんご自身が犬好きなのですか。
永田:はい、犬が好きなので劇中にも犬が出てきます。
僕が飼っていたチワワの「イチ」なんですけれども、撮影でうまい演技をしてくれましたので是非みなさんに見てほしいです。
ー犬好きの方にも安心して観ていただけますね。サメ映画…お子さんには怖いのかなって思うのですが、どんな感じになっているのでしょう。
永田:大人が観たらそこまで怖くない映画にはなっているのですが、子どもが観たら怖いかな。お風呂嫌いになったら嫌だなと思いますけれども(笑)。
ーずばり、どのようなところが見どころでしょうか。
永田:日本発のサメ映画として、ぜひ楽しんでもらいたいです。
「日本のサメ映画も発展してきたんだぞ」ということを世界に発信していきたいですし、普段サメ映画をあまり見ない人も、「なんか勢いがありそうだし観てみようかな」と思ってもらえる作品なのではないかなと思っています。
ー公開後の反響も楽しみですね!
永田:こういった自由な作風の映画がお客さんに支持されることによって、また制作者にとって、自由な発想で面白い映画をつくるモチベーションになるし、そういった動きが広がることを期待しています。
今後は「うちの街でも温泉シャーク撮ってくれないかな」という温泉地の方とご一緒できることを夢見ています。
熱海に限らず、全国に温泉地は沢山あるので、温泉を盛り上げるためにもぜひコラボもしたいですね。
ー公開を待ち望んでいるファンの方々へのメッセージをお願いします!
永田:この夏公開ですので、ぜひスクリーンで観て全員でツッコんでください。ツッコみどころしかない映画なので、真面目に観ないでください(笑)。
ー公開が楽しみです。ありがとうございました!
永田雅之(ながたまさゆき)プロフィール
福岡県久留米市出身。熱海在住、映像制作会社 PLAN A 代表取締役。映像プロデューサー、ディレクター、ドローンカメラマン。テレビ番組制作からキャリアをスタートさせ、バラエティ、ドキュメント、情報番組を担当。現在、TV番組・TVCMのほか、プロモーション映像やイベント制作など行う。2020年からは、熱海を舞台とした映画を制作。プロデュース作品『熱海モンスター』『温泉防衛バスダイバー』『カラカサ傘』『ふくしま就活ものがたり』。2023年製作の林家しん平監督作の怪獣映画『忍獣大戦記ジャロン対ゴウラ』では、撮影・編集・ドローン撮影などで参加。