タイトルを明かさないまま公開された斬新なティザービジュアルが話題になり、公開前から注目を集めている学園ドス黒エンタメミステリー映画『遺書、公開。』。
THE RAMPAGEでアーティスト活動をしながら、映画初主演を務めた吉野北人さんと若手実力派俳優・志田彩良さんの2人に映画の見どころや魅力を伺いました。
映画『遺書、公開。』は2025年1月31日(金)に全国公開が予定されています。
映画『遺書、公開。』作品紹介
1学期の春、2年D組に送られてきた【序列】ーーそこには生徒と担任、全員の明確な順位が示されていた。
タチの悪いイタズラだとしたら、誰が何のために決めたものなのか?犯人が分からないまま時は過ぎ、ある日ーー
誰もが羨む序列1位の姫山椿が学内で自殺した。そして葬儀の次の日、クラス全員に姫山からの遺書が届くーー。
死んだ姫山の遺書がなぜ教室に?1位の彼女はそもそもなぜ自殺したのか?遺書は本当に姫山が書いたのか?衝撃の事態の中、姫山の自殺の真相に迫るべく、25人全員が自分の遺書をクラスメイトの前で公開することになる。だが彼らは知らなかった。その日から、学級崩壊までのカウントダウンが始まってしまったことを…!
死者から明かされる衝撃の真実を、あなたは知りたいですか?
それでは、遺書公開を始めますーー
映画『遺書、公開。』公式サイトより引用
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公式TikTok 映画『遺書、公開。』公式
遺書から繰り広げられる異色の群像劇。「担任含むクラスメイト25名全員が主役」
ー予告映画が公開され、公開前から注目が集まっていますね。この映画の印象を教えてください。
吉野北人さん(以下、吉野):シリアスな映画だなという印象が強かったです。僕自身こういう映画には出演したことがなかったので、すごく楽しみだけど“どういう感じになるんだろう”という不安な気持ちもありました。
志田彩良さん(以下、志田):この作品はクラスメイトが自殺したことから始まる物語なので、全体的にダークな雰囲気があります。
はじめて台本を読んだときに担任の先生含めクラスメイト25名全員が主役だと思いました。25人全員にしっかり焦点が当たる学園ものはあまり見たことがなかったので、どのように映像化されるのだろうと楽しみにしていました。
ストーリーが展開されていくにつれて考察しながら楽しめる作品ですし、何回見ても違った見方ができると思います。
ー25人のひとりひとりにスポットライトが当たる作品ということですが、お二人はそれぞれどのような役を演じられたのでしょうか。
吉野:僕の演じた池永柊夜(いけながしゅうや)という人物は、あまりみんなの前に出て目立つようなタイプではないですが、意見を言う時はバシッと決められる、正義感の強い人なのかもしれません。そのため絶妙なバランス加減はよく意識していました。
志田:私は廿日市くるみ(はつかいちくるみ)という役を演じました。廿日市も池永と同じで、誰にでも積極的に話しかけるようなタイプではないです。でも人間観察が趣味で、すごく好奇心が強い女の子だと思います。
ーそれぞれ演じてみて役に共感できるところはありましたか。
志田:廿日市ほどではないですが、私も無意識に人のことを観察してしまうことがあるので、そこは共通している部分かもしれません。
吉野:僕自身も池永と同じで、実はあまり前に出ていくタイプではないんです。
僕は普段THE RAMPAGEというグループでアーティスト活動をしていますが、メンバー16人の中で自ら前に出て話をするようなタイプではないんですよ。でもやるときはやると言いますか、ステージに立ったら前に出ていくので、そういった二つの面があるところは池永に似ていると思います。
ー吉野さんの学ラン姿も話題になっていました。今回高校生という役でしたが、そこはどうでしたか。
吉野:最初、“学ラン大丈夫かな”という不安はありました。共演者も若い俳優さんが多かったので、“27歳の自分は浮きそうだな”と思っていましたが、いざ着てみると「違和感ない」って英勉(はなぶさつとむ)監督に言っていただきました(笑)。それならもう大丈夫だと思い、自信を持って撮影に臨みました。
この映画には原作があって、そのキャラクターのビジュアルに近づけたかったので、メイクもあまりしないようにして、外見も寄せていきました。
志田:私はこれまでも撮影で制服を着ることもが多かったので、自分ではあまり違和感はなかったです。
緊迫感が張り詰める“教室”の舞台裏。今だから語れる第一印象とは
ーお互いの第一印象について教えてください。
吉野:僕は志田さんが出演していた作品を見ていたので、初めてお会いしたときは少しミーハーな感じもしますが「本物だ」と思っていました(笑)。
志田:見てくれていてありがとうございます(笑)。私も元々知っていて、でも金髪のイメージが強かったので、初めてお会いしたときに気づかなくて…。台本の読み合わせをしたときに、「吉野さんだったんだ」と分かりました。
吉野さんは“クール”という印象があったのですが、他の共演者の方とお話している姿を見たり、実際に話したりして、なんかちょっと子犬っぽいところがあるなと感じました。
吉野:そうだったんですか(笑)。志田さんと実際にお話してみると本当に気さくな方で、意外とはっちゃけているような部分もあって、フレンドリーな方だなという印象です。
ー仲も良く、いい空気感で撮影ができたのだと伝わってきました。撮影現場はどのような様子でしたか。
吉野:薄暗い教室での撮影だったので緊張感がありました。でも撮影以外では和気あいあいとしていたので、良いバランスで撮影ができたと思います。
志田:ダークな作品なので、スタジオ内も自然と暗い雰囲気になってしまうこともありましたが、そういう時は英監督が明るい雰囲気にしてくださいました。監督はよく笑う方で、お芝居中もモニターの方から笑い声が聞こえてくることもありましたね。
監督が現場でひとりひとりとコミュニケーションを取ってくださったおかげで、雰囲気が明るくなっていきました。
ーそうだったんですね。撮影して印象に残っているシーンや、特に好きなシーンを教えてください。
吉野:殺伐としていた場面が多かった分、廿日市や友達と一緒にいるシーンはいい意味で息抜きになりました。緊迫した雰囲気の教室ではないところでの撮影は、まるで違う映画を撮っているかのように感じたので、自分的にも結構好きなシーンです。
志田:私はラストシーンですね。みんなで合唱練習をしている場面が印象的だったので、最後まで見逃さずに観てくれたらうれしいです。
ー公開に向けて続々と情報解禁されていますが、出演が決まったときの周りの反応はどうでしたか。
吉野:映画の告知動画を見て、グループのメンバーも「めちゃくちゃ面白そうだね。絶対見るよ」と言ってくれました。特に(川村)壱馬はこの原作を知っていて読んでいたらしく、映画に出演するって伝えたら「マジかうらやましい。俺もこういうのやりたい」って言っていたぐらい、すごく嬉しそうに喜んでくれていました。
志田:私も友達から「面白そうな作品だね」って連絡が届きました。
一番最初の予告で、ラブコメ映画っぽい雰囲気が一転して最後に不穏な感じで終わったので、その斬新な予告動画が効果的だったみたいです。
普段友達からそういう連絡はあまり来ないんですけど、今回は地元の友達から連絡が来ました。「どんな映画なの」と気になるような情報出しの仕方が面白いと思いましたね。
「SNS時代の今だからこそ、心に響く作品」映画を通して伝える二人のメッセージ
ー学園を舞台にした作品としてはひとあじ違う印象的な映画になっていると思いますが、この映画の魅力について教えてください。
志田:“目に見えない怖さ”というものを感じられるところが魅力です。
今はSNSで相手が見えないからこそ何でも書き放題だったりとか、相手がどう感じているのかが見えないからこそ言いやすいこともあったり…。
良かれと思って軽く発言したことでも相手にとっては死を選んでしまうくらい深い傷をつけてしまうこともあります。そういう怖さが「遺書」から感じられるんですね。
今は小中学生も携帯を持っていてSNSを使える時代なので、若い世代の方にこの作品を観てもらいたいし、「ひとごとじゃないんだよ」ということを伝えられたらいいなと思います。
吉野:人間誰しも他の人には見せない部分があると思いますが、そういう隠している一面や人間の欲が一気に表に出てくるというところがこの作品の魅力のひとつです。
SNS時代の今だからこそ、心に響く作品なんです。目に見えない相手から攻撃されることだってある現代に、この映画を公開する意味があるんだと思います。
ー確かにそうですよね。高校の学級を舞台にした映画ということで、悩みを抱えている学生たちへメッセージをお願いします。
吉野:「序列」というのもこの映画のテーマになっていて、序列や数字ってやはり気になってしまうものなんです。僕も芸能界でそういう数字は目に入るし、学生さんたちも数字に惑わされて気にしてしまうことって多いと思います。
でも数字が低かろうが高かろうが、自分自身を信じて自分の人生を突き進んでほしいし、そうすれば色々なことに対してもうまくやっていけるんじゃないかなと思っているので、頑張ってくださいとエールを送りたいです。
志田:わたしは大人になった今でこそ、色々な方と上手に付き合えるようになりました。ですが、学生時代は毎日学校で顔を合わせなければならないから絶対に関わらなきゃいけないし、学校が世界の全てなので逃げられないと思っていました。
でも大人になって、別に逃げることも悪いことではないって気づいたんです。命を絶ちたいと思ってしまうぐらいなら学校に行かなくてもいいと私は思うし、逃げるのはダメなことじゃないんだよということをこの映画を通して伝えたいです。
吉野北人(よしのほくと)プロフィール
1997年3月6日生まれ。総勢16名からなるTHE RAMPAGEのヴォーカルの1人。2014年に開催した「VOCAL BATTLE AUDITON 4」にて候補メンバーとして選出。
同年9月に開催した新木場STUDIO COASTでの武者修行ファイナルで、正式メンバーとなる。
2017年1月25日、1st SINGLE「Lightning」でメジャーデビュー。
2018年からは、演技にも挑戦。代表作として2020年公開映画「私がモテてどうすんだ」、2023年公開映画「MY(K)NIGHT」、2024年配信ドラマ「1122」などがある。2020年にはViViにて「国宝級NEXTイケメンランキング2020」にランクイン。
2025年1月24日には、自身2冊目となる写真集「Orange」が発売。
●Instagram @hokuto.yoshino.16_offical
志田彩良(しださら)プロフィール
1999年7月28日生まれ。2014年短編映画「サルビア」にて初主演・俳優デビュー。
ドラマ日曜劇場「ドラゴン桜」やドラマ「マル秘の密子さん」、映画「恋を知らない僕たちは」など、数多くの話題作に出演。
2025年前期NHK連続テレビ小説「あんぱん」にも出演が決定し、日テレ系「こんなところで裏切り飯〜嵐を呼ぶ七人の役員〜」で主演を務めるなど、映画・ドラマ・CMなど多方面で活躍し注目を集めている。
●Instagram @sarashida_offical
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吉野北人さん:
ヘアメイク/大木利保(CONTINUE)
スタイリスト/吉田ケイスケ
取材:小澤彩
撮影:髙橋耀太