最強で最凶のヤクザ・ロケマサを描いたバイオレンス・アクションドラマ『ドンケツ』。
大人気漫画の実写化で、主人公・沢田政寿(通称ロケマサ)を演じたのが伊藤英明さんです。
オファーを受け、体重を10キロ増やす役作りにも挑戦。このドラマで新境地を切り拓いたという伊藤さんに、撮影現場でのエピソードや作品への思いを伺います。
DMM TV オリジナルドラマ『ドンケツ』作品紹介
―最強が最強を呼ぶ―
黒のワイシャツとスラックス、エナメルの靴にコブラ皮のベルト、金の極太ネックレスの出で立ち。
敵対組織の事務所にロケットランチャーをぶちこんで以来「ロケマサ(ロケットランチャーのマサ)」の異名で恐れられる沢田政寿は、問題ばかり起こす傍若無人な性格が災いし、出世の見込みがないドンケツヤクザ。
誰かれ構わずボコボコにし、組長の言うことも聞かない、自分勝手でワガママな、超クズ男だが、なぜか男たちが惚れてしまう不思議な魅力を持つロケマサ。
そんなロケマサは仲間と敵を同時に引き寄せ、修羅の国北九州を舞台に日本全国を巻き込む一大抗争が勃発する。
超豪華キャストで贈るバイオレンス・アクションエンタテインメント!
出演は
伊藤英明、安田顕、金子ノブアキ、今井翼、青柳翔、久保田悠来、葉山奨之、早乙女太一、浅香航大、高橋克典、三宅健、、眞島秀和、永島敏行、柳葉敏郎(特別出演)、寺島進
2025 年 4 月 25 日(金)より DMM TV 独占配信中。

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「英明さんしかいない」──その言葉に背中を押されて

―今回は、かっこよくて、爽やかな伊藤さんが、『ドンケツ』のヤクザを演じるということで、どんなドラマになるのかと思っていましたが、見始めたら止まらなくなって、本当に面白かったです。
伊藤英明さん(以下、伊藤):ありがとうございます。水田監督の力が大きいですね。テンポがとても良くて、僕もすごくお気に入りの作品になりました。
今まで自分が出演した作品を見るときには、気恥ずかしさを感じることが多かったんですが、今回の『ドンケツ』は、なぜか何回も見たくなる。そんなドラマになりました。
―プロデューサーからはどのようなオファーがきたのでしょうか?
伊藤:プロデューサーの栗原さんからは、「今回、作品をご一緒しませんか?」と声をかけていただきました。
「『ドンケツ』という任侠ものなんですが、興味ありますか?」。そして、「とにかくマンガを読んでみてほしい」と言われたんです。
読み始めたら、とにかく面白すぎて、一気に読み終えてしまいました。
「ところで、僕はどの役ですか?」とお聞きしたら、「もちろん主役のロケマサです」と。
“いやいや、この役は生身の人間が簡単に演じられるほどのものではないな”と思いましたよ。ビジュアルのインパクトも強いですし、人気漫画が原作ということでプレッシャーもありました。
だから、ふたつ返事で「やります」とは言いにくかった記憶があります。
でも、この『ドンケツ』は、知れば知るほど魅力的な作品で。
栗原プロデューサーは「ロケマサを演じられるのは英明さんしかいない」とまで言ってくださいました。
今までリアルな役を演じることは多かったんですが、漫画のキャラクターを演じるのは苦手だったので…。
50歳手前にしてこの役を演じるのは非常にチャレンジングだと、最初は思っていたんです。

―数々の役を難なくこなされる伊藤さんがそんなことを思われたなんて、意外です。
伊藤:漫画のキャラクターになりきるというのは、気恥ずかしさもありますし…。
実際、どんな声でしゃべって、どんな立ち振る舞いをするのか。自分にキャラクターの味を出せるのかどうか、怖さもあって、オファーを受けるか非常に迷いました。入り口を間違えると、ずっとボタンをかけ違えたまま進んでしまう恐れもあります。
しかも、配信ドラマは頭から最後まで撮ってからでないと見られない。
だからこそ、より慎重に取り組まなければという思いもありました。
でも、完成した作品を見て、これは自分にとって当たり役だったなと。宝物になるような作品に出会えたと今は感じています。
プロデューサーに、このドラマに導いていただいたことには感謝しかないですし、水田監督のおかげでもあります。
ドラマを見てくださった原作者のたーし先生からは、長文メールをいただきました。「面白くて僕はもう4回見ちゃいました。すごい迫力でした」とのお言葉とともに、原画もくださって…。
本当に役者冥利に尽きるというか、ロケマサを演じられてよかったです。
―伊藤さんにとって、代表作と呼べる作品になったということですね。
伊藤:頭を丸めて、剃り込みを入れて、眉毛も剃って、体重も増やして…、やっと“ロケマサ”という役のフィルターが自分に降りてきたと感じました。
自分の中に、こういうアプローチや役への向き合い方があったんだなと、新しい発見ができましたし…。
自分の新たな可能性に気づくことができて、大きな自信にもなりました。
そして共演者のみなさん――。
金子くん演じる“チャカシン”、青柳くんの“金田”をはじめ、他のキャラクターを演じる俳優陣からも、ものすごくエネルギーをもらって。
本当に居心地良かったんです。こういう現場は久しぶりでした。撮影の3ヶ月があっという間でしたね。終盤は「もう撮影が終わっちゃうんだ」と、ものすごく寂しくなりました。
50代目前にこの作品に出会えて良かったと、今は心から思っています。
体重10キロ増加!ロケマサを演じるための筋肉作り

―一度見たら忘れられないほど、インパクトのあるロケマサ。役作りは大変だったと思います。
伊藤:やはり原作の力は大きいですし、その世界観を大切にしなければならない。
それに、ロケマサひとりが主役のドラマというより、群像劇なんですよね。登場するキャラクターとの関係性をきちんと表現することで、ドラマの魅力が倍増すると思ったんです。
水田監督も「作品の魅力は関係性から跳ね返ってくる」とおっしゃっていたので、それをすごく意識しました。
あとは、ビジュアルをロケマサに寄せるための準備として、体を大きくする必要もあったんです。
栗原さんも撮影前に3ヶ月という準備期間を与えてくれました。
―体を大きくするというのは、どういう…?
伊藤:筋肉をつける必要があったんです。
最低でも1日2時間、週5日はトレーニングするという計画を立てていました。
ウェイトトレーニングも大事でしたが、それ以上に、しっかり体を大きくしなければならなくて。
ステロイドを使わずに、きちんと食べて体を動かす。
そこで“ナチュラル”をモットーにされているボディービルダーのナルシス山本さんにサポートしていただきました。サプリの摂取や食事のタイミングも教えてもらって、体重を10キロ増やしました。
実は撮影が終わった今も、体重はまだ落ちていないんですよ(笑)。
―体づくりの話を伺って、ロケマサらしい威圧感にも納得しました。ドラマでは、大きなおならをしたり、変顔をしたりと、かっこよさとは真逆のコミカルなシーンもありましたが、抵抗はなかったですか?
伊藤:いや、全然なかったです!
何の照れもなく「ロケマサを演じている」感覚で、すごく楽しかったです。
共演者全員で大部屋に集まり、車座になって北九州弁で本読み

―ほかに、撮影で大変だったことはありますか。
伊藤:声の出し方ですかね。
僕の地声だと、ちょっとか細い感じがしていましたし、ロケマサとして、どんな声を出せばいいかは課題でした。
撮影の中盤になって、やっと“板についてきた”感覚が持てたというか。
あとは北九州の方言。これも大変でした。
―伊藤さんご自身は長崎の佐世保のお生まれですし、九州の言葉に馴染みがあったのかなと思っていたのですが。
伊藤:いえ、全然。佐世保で生まれただけで、育ちは岐阜なんです。だから、北九州弁は難しかったです。
方言が気になり始めると、セリフが全然頭に入ってこないんですよ。テンポよく演じなくてはならないこともあって、覚えづらかったです。
―きっと、キャストの皆さん、同じ悩みを抱えられていたんでしょうね。
伊藤:そうですね。もちろん芸達者な役者さんばかりなので、きちんと準備をして現場に入ってはいますが…。
撮影中は、みんな控え室に戻らず、大部屋に集まって車座になって本読みをして、方言のセリフを自分の中に入れていきました。
北九州弁の指導の方もついてくださり、ありがたかったです。
現場もすごくライブ感がありました。
普通は、リハーサルのあとにカメラ割り(誰をどう撮るか、アングルやカメラワークを決めること)をするんです、でも今回は監督がテンポよく仕切ってくださって、リハが終わったらすぐ本番に入るスタイルでした。
アクションシーンもあって、現場は緊張感に包まれているわけで…。リハで集中力が高まったタイミングで本番を一気に撮る。その熱は、映像にもきっと残っていると思います。
1~2テイクでオーケーが出るので、17時終了予定が15時に終わったり、21時終了予定が17時に終わったり。撮影もテンポよく進みました。
だから夕食のお弁当は、持ち帰ることも多かったですね(笑)。
挑戦の先にあった手応え。原作ファンの声が、これからの道しるべに

―鬼気迫るシーンの連続に、見ているこちらまで心臓がバクバクしました。あの迫真の演技とバイオレンスは、地上波では絶対に見られない。まさに“配信だからこそできた”ドラマだと感じました。
伊藤:そうですね。それが配信の良さだと思いますし、一気に見られるのも魅力です。
お気に入りのシーンだけを繰り返し見られるのも、配信ならではですよね。
―今回、伊藤さんのロケマサのビジュアルを見た女性ファンからは「かっこいい」と評判ですし、予告を見た原作ファンの方からも「伊藤英明のロケマサはハマり役だ」という声が多いように思います。
伊藤:嬉しいですね、単純に。根強い人気の原作漫画って、ファンからすれば“実写化なんて言語道断”みたいな聖域じゃないですか。
でも、プロデューサーを信じて、監督を信じて、共演者のみんなを信じてやり切れば、こうして視聴者の方から反響の言葉をいただける。本当に嬉しいです。
―最後に、今回のドラマの見どころを教えてください。
伊藤:原作ファンの方にももちろん見ていただきたいです。
そして…“極道エンターテインメント”として、いい年齢のオヤジたちが、ののしり合いながらわちゃわちゃしている姿を、ぜひ女性の方にも楽しんでいただきたいですね。
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伊藤 英明(いとうひであき)プロフィール
1975年8月3日、長崎県佐世保市生まれ、岐阜県育ち。
1993年、第6回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリを受賞。『海猿』シリーズでは、劇場版、ドラマ版ともに主演。そのほか、映画『悪の教典』(主役・2012)、『テラフォーマーズ』(主演・2016)、『22年目の告白-私が殺人犯です―』(主演・2017)、『KAPPEIカッペイ』(主演・2022)、『#真相をお話しします』(2025)、テレビドラマ『白い巨塔』(2003)、『ダブルス〜二人の刑事』(2013)、『僕のヤバイ妻』(2016)、『花のれん』(2025)など出演多数。
趣味はスキューバダイビング, 乗馬, スキー, スノーボード。資格は普通自動車免許, PADIダイブマスター, 一級小型船舶操縦士免許を取得。
●Instagram @thehideakiito
取材・文:小澤彩
撮影:髙橋耀太