『怪獣ヤロウ!』で映画初出演のぐんぴぃ×菅井友香が語る“夢の叶え方”。「バカになって“好き”を貫け!」

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一度は諦めた夢。それがある日突然、思いがけない形で目の前に現れたとしたら…?

しがない地方公務員の山田が、数々の批判を振り切り、夢だった映画製作に情熱を注ぐ映画『怪獣ヤロウ!』。

今回、主人公・山田役のぐんぴぃさんと、秘書の吉田を演じた菅井友香さんに、映画についてお話を伺いました。ぐんぴぃさんは芸人・ユーチューバーとして、菅井さんは、女優として活動の幅を広げています。“好き”を仕事にしている2人が思う、“夢を叶える秘訣”とは。

映画『怪獣ヤロウ!』作品紹介

YouTubeチャンネル登録者数170万人超!「バキ童」ことぐんぴぃ映画初主演!

怪獣映画が大好きなだけの、なんの役にも立たない地方公務員・山田に突然課せられたのは、市を盛り上げるための特大ミッションだった! 果たして彼がとった前代未聞の大作戦は・・・!? 

岐阜県関市。市役所の観光課に務める山田一郎(ぐんぴぃ)はある日、市長から〝ご当地映画〟の製作を命じられる。しかしどこにでもある〝凡庸なご当地映画〟に疑念を持った山田は、かねてからの夢だった〈怪獣映画〉の製作を思いつく!いつも失敗ばかりでダメな自分を変えるため!パッとしない故郷を変えるため!怪獣で、全部をぶっ壊す!!しかしその想いは、市政を巻き込んだ大事件へと発展していく…!

果たして山田は、夢だった〈怪獣映画〉を完成させることができるのか!?

2025年1月24日(金)岐阜県先行公開、1月31日(金)全国公開。

(映画『怪獣ヤロウ!』公式サイトより引用)

怪獣ヤロウ!
岐阜県関市。市役所の観光課に務める山田一郎はある日、市長から〝ご当地映画〟の製作を命じられる。しかしどこにでもある〝凡庸なご当地映画〟に疑念を持った山田は、かねてからの夢だった〈怪獣映画〉の製作...

劇映画初出演のふたり。笑いの絶えない撮影現場

―ぐんぴぃさん、菅井さんともに劇映画初出演、ぐんぴぃさんは初主演となった映画『怪獣ヤロウ!』。まずは公開直前のお気持ちを聞かせてください。

ぐんぴぃさん(以下、ぐんぴぃ):まだ嘘みたいですね。全部嘘なんじゃないかという。公開日に映画館に行ったら、がらんどうの空間で落とし穴があって…みたいなドッキリ説があるんじゃないかという。まだそのくらい信じられないですね。

菅井友香さん(以下、菅井):この映画は元気と勇気がもらえる作品だと思います。私も劇映画として初めて参加させていただいた劇映画がこの作品でとっても嬉しくて。早くたくさんの方に見ていただきたいなと、純粋にワクワク、ドキドキしています。

―共演されていかがでしたか?

ぐんぴぃ:菅井さんは、もちろん見目麗しい、素晴らしい方ではあるんですが、ふと目が合って、お互いの顔をずっと見つめ合うシーンの撮影で、なぜかずっと笑ってしまってどうにもならなくて。笑わないように我慢しよう、我慢しようと思いながら、監督の「スタート!」の声に合わせて演技し、「カット!」の掛け声でまた爆笑するってときがあって面白かったですよね。

菅井:面白かったです(笑)!

ぐんぴぃさんはすごく真面目で一生懸命な方なんです。感性があって、エネルギッシュで輝いていらっしゃって…。現場もぐんぴぃさんのおかげですごく楽しく、でも真剣に撮影が進んでいく。ぐんぴぃさんの作り出す空気感がとても素敵でした。

あとは、毎日ぐんぴぃさんがどれだけ食べるのかを見るのがとても楽しかったです(笑)。

ぐんぴぃ:共演した手塚徹さんが、ロケ弁を食べずにエナジードリンクしか飲まないという方で。「ぐんぴぃさん、私のロケ弁食べていいよ」みたいな感じで渡してくれるので、それを食べる。さらに少食な方がいたら、そのロケ弁ももらう。

そんな僕を見て菅井さんが「まだ食べるんですか!?」って、まるで“世界ビックリ人間”を見ている反応をするんですよね(笑)。

菅井:ぐんぴぃさん、朝ごはんも全然食べ終わらないんですよ(笑)。

ぐんぴぃ:そんなこともありましたね(笑)。

爆破シーンは“まさか”の連続!「ズボン破けてパンツ丸見え」も

―思い出に残っているシーンはありますか。

ぐんぴぃ:僕は特撮のシーンが記憶に残っています。

撮影2日目だったかな、特撮現場の倉庫みたいなところで、ものすごい爆発が起きたんです。

爆破演出をするスタッフのお一人がひょうきんな方で、「すごいですね、火薬でこんな爆発を起こせるんですね」って声をかけたら「ああ、そうなんだよ!じゃあちょっと火薬を増やしてみちゃおうか?」と火薬を増やしてくれた結果、想像以上に大爆発しまして(笑)!

その大爆発が映画に使われているので、CGではないリアルな特撮をぜひ見ていただきたいです。

ちなみに、実は八木監督は特撮が好きな方なので、劇中の怪獣シーンに、名作のオマージュがたくさん隠されているらしいです。

スタッフにも“シン仮面ライダーやってました”とか“庵野秀明監督のところにいました”みたいな特撮オタクがたくさんいたので、

「これはガメラですよね?」

「そうそう!」

「これはレギオン!?」

「そうそう!!」

なんて話が飛び交ってました。

菅井:屋上での爆破シーンでは、ぐんぴぃさん演じる山田が「どんどんやっちゃいましょう!」って火薬を準備したとき、勢い余ってズボンが破けるというハプニングもあって(笑)。

でも撮影現場の勢いで、「そのままでいいよ、それで行こう!」って続行したんです。すごく印象的で忘れられないシーンになりました。ぐんぴぃさん、本当にズボン破れたまま演じ続けるから(笑)。

ぐんぴぃ:パンツ見えたまま演じてましたね。映画にも採用されていますけど(笑)。

―今回、岐阜県関市のご当地映画を作るというストーリーで、撮影も関市のオールロケと伺いました。

ぐんぴぃ:関市には3月下旬から2~3週間、ずっと泊り込んで撮影していました。

関市はとにかくいいところでした、素晴らしい場所!これがまた、関市の大自然が、菅井さんに似合うんですよ。

菅井:空気は美味しいし、川のせせらぎも感じて、自然が好きな私は関の大自然に毎日感動していました。

桜がキレイに咲いている季節だったので、みんなで桜をバックに集合写真を撮ったりして。青空と桜ときれいな空気とで、毎日幸せでした。

地元の皆さんの協力も温かいし、ご飯も美味しいし、なんて素敵な街なんだろう、と。

ぐんぴぃ:映画には、たくさんの市民の方々がエキストラとして参加してくださっているんです。怪獣映画ならではの市民が逃げるシーンには、地元の方が1000人くらい集まってくれましたし、顔出しで出演してくれたスポンサーの方もいました。

「東海三県のうち、名古屋と三重には、ゴジラがやってきて街をぶっ壊すけど、岐阜は素通りされちゃってたんだ。岐阜にこそ怪獣が来てほしかった。これこそ怪獣映画の醍醐味だから、ぜひ出演させてくれ」って。ノリがいい方ばかりだなと思いました。

―映画に登場する市役所の建物は、本物の市役所なんですか?

ぐんぴぃ:そうです。関市役所の観光課で撮らせてもらいました。

オフィスフロアに僕の有名なセリフ「バキバキ童貞です」を文字って「バキバキ納税です」っていうのぼりが立ててあってびっくりしました。

「バキバキ納税です」が日常的に設置されている市役所なんて、相当ヤバいんじゃないかと一瞬危機感を覚えましたが…。なんとあの小道具は市役所の人が、わざわざ映画のために作ってくださったと聞いて、ありがたいなと(笑)。

見る人に勇気をくれる数々の名場面。“人生、自分のやりたいことをやればいい”

―監督が自らが手がけた脚本には、心に残るセリフがいくつもありました。劇中で中学校の先生が、山田に「どんなことでも、初めてやろうとすると批判されたり笑われたりする。そんなもんぶっ壊せ」という場面。このセリフが心に刺さる方は多いのではと思いました。

菅井:私もこのセリフに元気をもらいました。

やりたいことに向かって突き進むと、孤独を感じちゃうことってあると思うんです。でも、せっかく生まれて来たからには、孤独になってもいいから自分のやりたいことをやろうと突き進むほうがいいなって。

ガラスを割るように進んだり、ぶっ壊したりするときのエネルギーこそが、新しいこと、人から驚かれるようなことができる原動力じゃないかなって思いますね。欅坂46の『サイレントマジョリティー』の歌詞にも通じるものがあるなと。

ぐんぴぃ:新しいことをするときって、笑われるくらいの方がいいんですよ。笑われても、批判されても、自分の思うようにやったらいいんです。そのチャレンジがうまくいったときには、当時批判したやつも簡単に手のひらを返しますからね。

僕も新しいことをしようとするときにはいろいろと批判されたけれど、成功すると、みんな手のひらを返して接してくるんですよ。今、それが本当に気持ちいいですもん(笑)。

簡単に批判するような奴は、自分が批判したことを全然覚えていないものです。だから、人から批判されたり笑われたりすることなんて、気にしなくていいんです。 

―もうひとつ、山田が『公務員でも腹をくくって突っ走らなきゃいけないときがあるんですよ!』叫ぶ場面もありますが、お2人にも、今までの人生で腹をくくった経験はありますか?

ぐんぴぃ:YouTubeをやるぞと思ったときは、腹をくくりましたね。「自分のYouTubeが出てきたら、絶対笑われるぞ」と思いはしましたが、腹くくってやりました。

―みんな、意を決して何かをやり始めるものの、少ししたら辞めちゃう人がほとんど。でもぐんぴぃさんのYouTubeは今や、登録者数が170万人を超えていますよね。継続する秘訣って何なのかなと。

ぐんぴぃ:とにかくバカになってやり続けるしかないというか、“人の目なんて関係なく自分はやるんだ”って思って突き進むしかないですね。周りを気にしたら、挑戦できなくなっちゃうので、そんな時はとにかく“バカになれ”です。

―なるほど。菅井さんはいかがですか?

菅井:芸能界に入るときは、腹をくくった瞬間でしたね。ちょうど10年前です。

当時芸能活動を禁止していた学校に通っていたんですが、一歩踏み出して芸能界に飛び込んでみたんです。

ぐんぴぃ:たった一回の人生ですしね。

―勇気を出して飛びこんだ先に、新たな道は広がっていましたか?

菅井:それまでの人生だったら出会えなかった人にたくさん出会えたし、知らなかった感情もたくさん感じることができました。それは全部財産だなって思えます。今もまだまだ道は続いていますけれど、それでも“はじめの一歩を踏み出す勇気”って大切だったなって、今は思います。

―「時代遅れと言われても、自分が好きだからやる。自分が好きなことはどんなにつらくても戦う」…。映画の中で刀鍛冶役の平山浩行さんがつぶやくこのセリフこそ、まさにこの映画のテーマですよね。

ぐんぴぃ:この言葉、絶対誰の心にも響きますよね。平山さんのあのセリフは、僕自身、ずっと心に留めてやっています。

今は、昔ほどテレビを見る時代ではないので、僕のやっている“お笑い”も、メジャーなエンタメというよりは、少しサブカル寄りになってきていると思うんです。それに僕は、お笑いで一番にはなれないかもしれない。

だったらお笑いを辞めるのか?いや辞められない、結局好きなんだな。なら“この仕事が好きだからやる”でいいんだって思います。

お笑いが好きだから、選んじゃった以上、打ち込むしかないんだって思ってる。

菅井:結局、“好き”が一番の原動力で、“好き”でいられることこそが才能だと思うので、“好き”という情熱がある限り、夢に向かって突き進めると私も思っています。

夢を追い続ける2人が語る、『怪獣ヤロウ!』の魅力と今後の活動

―お2人が思う作品の魅力や見どころとは。

ぐんぴぃ:特撮シーンも見どころではありますが、自分が好きなのは“夢を追う人の話”という部分ですね。コミカルに描かれていますが、夢を心の底に押し込んで日々公務員をしているけれど、映画が撮れるかもしれない、自分の夢が叶うかもしれないってときの狂いっぷりみたいなものが、すごく共感できました。

僕は、ずっと会社員をやっていて、芸人になったのが27歳と遅かったんです。

なんで芸人になろうかと思ったかというと、芸人は『M-1グランプリ』と『キングオブコント』とさんまさんの番組に出ている人、30人くらいしかいないと思っていたから(笑)。だから芸人としてやれるだろうと思ったし、会社も辞められた。

実際には芸人志望は1万人くらいいるわけじゃないですか!後からその事実に気付いて愕然とするわけです。…でも、そんぐらい“バカ”じゃないと、夢って追えないよなあ、とも思っていて。

この映画でも、実際に怪獣映画を撮ろうとするとめっちゃバカ騒ぎになるわけです。でも、夢を見るためだったらバカになってもいいよなあ…。逆に言えば、バカにならないと夢なんて見れねぇよなあ、という感じは、まさに夢を追う人の“推し活”。

とにかくめっちゃいい映画に仕上がっています。

菅井:人って、年を重ねるにつれて、夢を忘れたり、諦めたり…。忙しい毎日の中で、自分の本当の気持ちをしまい込んでしまうことがあるんじゃないかなと思うんです。

この映画は、楽しいエンタメでありながら、凹んでいるときでも、いい意味で“現実を壊していこう!”って背中をドンと気持ちよく押してくれるような、深いメッセージが込められています。

私も、演じた吉田が山田(ぐんぴぃさんの役)に影響されたように、自分自身、前向きに行動していこうと思えましたし、たくさんの方にそれを感じていただけるんじゃないかと思います。

―ありがとうございます。最後に、今後の活動の展望について教えてください。

ぐんぴぃ:俳優としての活動は、今後もやっていきたいですね。俳優は芸人とはまた別の世界ですが、今回の映画も楽しい現場でしたし、演技力はコントにも活かせるのでwin-winだなと。

菅井:私も劇映画に出るのが本当に夢だったので、この作品で実現できたことが嬉しくて。今後もいろいろな映画に出演できるように頑張りたいですし、役者としても成長していきたいなと思っています。“今、この瞬間を大切に生きよう、今日も頑張ろう”と思えるようなメッセージを、みなさんに伝えられるような役者になりたいです。

ぐんぴぃプロフィール

1990年3月31日生まれ、福岡県出身。お笑い芸人。コンビは『春とヒコーキ』2019年に受けた街頭インタビュー動画がネットで話題を呼び、YouTube『バキ童チャンネル』は登録者数175万人を超す人気者に(2024年12月5日現在)。テレビやラジオにも数多く出演している。ドラマ『大病院占拠』(2024年・日本テレビ系)、『新空港占拠』(2024年・日本テレビ系)に出演し、存在感と演技力が評価された。

●X @Mugen3solider
●Instagram @gunpeepee
●TikTok @gunpee_japan
●YouTube『バキ童チャンネル』

菅井友香(すがい ゆうか)プロフィール

1995年11月29日生まれ、東京都出身。櫻坂46の初代キャプテン。
2015年、欅坂46の1期生オーディションに合格し、欅坂46 1stシングル「サイレントマジョリティー」でCDデビュー。2017年、初代欅坂46のキャプテンに任命される。
舞台『飛龍伝2020』で初主演。幼少期より習っていた馬術を活かし、日本馬術連盟「馬術スペシャルアンバサダー」に5年連続で就任するなど活動の場を広げる。2022年、櫻坂46を卒業後は、ラジオパーソナリティーや、番組MC、映像作品など活動の幅を広げている。『チェイサーゲームW パワハラ上司は私の元カノ』(テレビ東京系)W主演、『ビジネス婚―好きになったら離婚します―』W主演(MBS)ほか。

●X  @sugaiyuuka1129
●Instagram @yuuka_sugai_official

●映画『怪獣ヤロウ!』X  @kaiju_yaro
●映画『怪獣ヤロウ!』Instagram @kaiju_yaro
●映画『怪獣ヤロウ!』公式サイト

菅井友香さん:
ヘアメイク/相場清志(eif)
スタイリスト/山本杏那

取材・文:小澤彩
撮影:天倉悠喜


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