雪風 YUKIKAZE

映画「雪風 YUKIKAZE」は、真珠湾攻撃後、数々の激戦の最前線にあってほぼ無傷で終戦を迎え、戦後は復員輸送船として活躍した駆逐艦「雪風」と共に生きた船員たちの思いを、現代に生きる私たちに届ける大作です。
主演の竹野内豊が艦長の寺澤を演じ、初共演となる玉木宏が寺澤とともに厳しい状況下においても命を救うために戦った先任伍長の早瀬を演じました。
太平洋戦争時、数々の海戦に参加して駆逐艦としての役割を全うした実在した「雪風」にスポットを当てた作品です。
駆逐艦「雪風」の知られざる史実をベースにして、フィクションも織り交ぜながらその活躍を見せてくれます。
太平洋戦争時から戦後への雪風の役割を描き、現代の平和へとつながる激動の時代をに生き抜いた人々の姿を描く戦争ヒューマンドラマになっています。
駆逐艦「雪風」は、1941年12月8日のハワイ真珠湾奇襲攻撃による日米開戦勃発から終戦まで、作戦に参加したすべての戦いを生き抜きました。
当時の日本海軍のほぼ全ての戦艦や巡洋艦、駆逐艦なども含めて沈んでしまったのですが、「雪風」は戦場で海に投げ出された多くの仲間をの命を救って必ず無事に帰港していました。
「雪風」は最後まで生き残り、“幸運艦”と呼ばれていました。
出演は、「唄う六人の女」などの竹野内豊が艦長の寺澤一利、「十一人の賊軍」などの玉木宏が先任伍長の早瀬幸平、「か「」く「」し「」ご「」と「」などの奥平大兼が若き水雷員、井上壮太を演じました。
監督は、「鬼ガール!!」「蛇にピアス」「臨場 劇場版」などの助監督を務めて手腕を磨いた山田敏久。
音楽も、戦争映画らしく岩代太郎らしいダイナミックさがあり、作品を盛り立ててくれます。
エンディングに流れる、Uruの「手紙」がまた素晴らしい楽曲で心にそっと触れてきてくれます。
「雪風」は、日本海軍が建造・運用した甲型駆逐艦38隻のうち、何度も海戦に参加しても唯一終戦まで生き延びた不沈駆逐艦です。
昭和20年4月、大和率いる沖縄への天一号作戦での海上特攻の艦隊に参列し、幾多の戦火を潜り抜けながらも、沈むことはありませんでした。
ちなみに、この雪風は、松竹配給で長門勇主演「駆逐艦雪風」という作品で1964年に映画化されています。
雪風の建造に関わった水兵の視点から描いた物語になっていますが、今作はちょっと違う視点になっています。
全編を通して、戦闘シーンはそれなりにあるものの、雪風が攻撃するとこはあなりなく、少し戦争映画っぽくない雰囲気もあります。
ただ、戦争映画でありつつなのに激戦的な戦闘シーンの描写は少控えめでした。
戦闘シーンというか、ただの出来事にみたいな描写になっているのが少し残念な描写であるかもしれません。
悲惨な戦闘シーンが苦手な人には観やすくなってはいます。
日本の戦争ものは、どうしても悲惨な悲劇になってしまいます。
今作は、戦争の悲劇さは、例えば「戦艦大和」を描いた作品のような戦争映画と比べては薄くはなっています。
少しマイルドで若者にも受け入れやすい仕上がりになっています。
かなり善の方向に描かれているので、この手の作品がお好きな方には多少の違和感があるかもしれません。
どちらかというと、ヒューマンドラマ部分が強い感じでした。
ただ、「雪風」の戦跡を追わなければ説明もしきれないところから、ダイジェストになっている部分がありました。
こういう史実を元にした、しかも戦争ものの数年に渡る物語を描こうとするとある程度は致し方ないとは思いますが。
戦史をある程度詳しく知っている方からすれば、少し物足りなさを感じるかもしれません。
もう少し戦争を前面に出すなら、レイテ湾突入の栗田艦隊謎の反転を中心に描くとか、沖縄への天一号作戦を中心に描くとかしないと、全体をまんべんなく描くとどうしてもダイジェストっぽくはなってしまいますかね。
ある程度戦史を知っていなければ、どんな状況でその作戦の意味などがなかなか伝わってこない。
広く万人には響く描き方にはなってはいますが、ちょっと背景が分かりずらいところがあります。
後世に伝えなければならないメッセージを前面にだしているところはいいですね。
作り方としては、堅実に作ろうとしてるのは十分に伝わってきます。
安定的な見せ方ではあります。
が、故に、映画作品としての面白みを削っている部分もあります。
そして、戦争という心理的負担を感じるのは、過去作と比べるとかなり少なめになっています。
この負担のなさはかなり物足りないと思う方もいるかもしれません。
主人公の「雪風」の艦長がフィクションというのも、ちょっとわからないとこではありました。
実際の、その時代の「雪風」の艦長であった、寺内正道少佐ではドラマチックな事がなかったんでしょうか。
とはいえ、全体的には誠実さは感じますし、素直に観れば感動できる作品にはなっています。
自衛隊が全面協力しています。
そういう事もあり、リアルさはとてもあります。
【書いた人】
映画大好きroninです。
年間、劇場など新作を350本前後、その他配信などで約700本以上の映画を観ています。
ラジオドラマを数本、映画のシナリオや企画も執筆しています。
たまに映画のトークイベントやラジオにも出演。
映画検定2級。
アメブロで映画のブログやってます!
https://ameblo.jp/roninfilms/
制作国 | 日本 |
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作品カテゴリー | 映画 |
公開日 | 2025年8月15日 |
作品ジャンル | 戦争 |
公式サイト | 公式サイトへ移動する |
あらすじ
太平洋戦争下にあって、ミッドウェイ、マリアナと数々の苛烈な戦場の中を無傷で潜り抜けた戦艦があった。
その名は「雪風」。
軽量の「雪風」は先陣を切って魚雷を仕掛け、他の戦艦や空母を守る役目を任される。
任務を遂行しながら、最後まで戦地に留まる「雪風」は沈没する戦艦から投げ出される仲間たちを救い、いつしか幸運艦、不沈艦と呼ばれるように。
その「雪風」には、艦長の寺澤一利と先任伍長の早瀬幸平2人が乗っていた。
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キャスト
【出演】
寺澤一利[竹野内豊] 早瀬幸平[玉木宏] 井上壮太[奥平大兼] 早瀬サチ[當真あみ] 寺澤志津[田中麗奈] 伊藤整一[中井貴一]
【スタッフ】
製作プロダクション[デスティニー] 脚本[長谷川康夫] 監督[山田敏久] 配給[ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/バンダイナムコフィルムワークス(共同配給)]
予告動画
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