宝塚出身の同期デュオ『Misty Colors~Duo Live~』が実現。霧矢大夢が語る同期の絆

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宝塚歌劇団の同期生で、舞台を中心に幅広く活動する霧矢大夢と彩吹真央のデュオ・ライヴがついに実現。

極上のハーモニーで彩るプレミアム・ステージ『Misty Colors 〜Duo Live〜』が2daysで開催されます。霧矢大夢さんにインタビューしました。

『Misty Colors 〜Duo Live〜』

Misty Colors ~Duo Live~の配信サービス・あらすじ・キャスト・作品概要|ユーウォッチ
宝塚歌劇団の同期生で、ミュージカルやストレイトプレイなど舞台を中心に幅広く活動する霧矢大夢と彩吹真央のデュオ・ライヴがついに実現。歌唱力と表現力に定評がある2人ならではの、エンタテインメ...

宝塚歌劇団の同期生で、ミュージカルやストレイトプレイなど舞台を中心に幅広く活動する霧矢大夢と彩吹真央のデュオ・ライヴがついに実現。

歌唱力と表現力に定評がある2人ならではの、エンタテインメントの醍醐味に満ち溢れる2デイズ。

2025 9.15 mon., 9.16 tue.
[1st.show] open 3:00pm / start 4:00pm
[2nd.show] open 6:00pm / start 7:00pm

[予約受付開始日]
【Web先行受付】7/26(土) 12:00pm~
【電話受付】7/28(月) 12:00pm~

ご予約はこちら

CHARGE/料金[全席一律] ¥13,000

(※『Misty Colors 〜Duo Live〜』公式サイトより引用)

大人の女性2人で奏でるハーモニーを、ぜひ楽しみに来てほしい


ー宝塚時代の同期・彩吹真央さんとのデュオ・ライヴ『Misty Colors 〜Duo Live〜』が2025年9月にCOTTON CLUBで上演決定。心境を教えてください。

霧矢大夢(以下、霧矢):COTTON CLUBは本当に大好きな空間です。ちょうど昨年も30周年ライヴを12月にやらせていただきました。

またあの素敵な空間で、今回は宝塚の同期である彩吹真央とやらせていただくということでとても楽しみにしています。

ー彩吹さんと出会って31年、ついにデュオ・ライヴを開催。きっかけは?

霧矢:去年、彩吹が30周年のディナーショーを開催した際に私がゲストとして出演しました。その時に歌った曲が、“これはいい選曲をしたな”っていうぐらい2人にハマりまして(笑)。

その時はディナーショーの会場だったのですが、今回(COTTON CLUB)のようなライヴハウスで歌うとさらにぴったりな曲だったので、“2人でライヴしたいね~”という話になって、今回のライヴ開催が叶いました!

ー今回のライヴはどのようなステージにしたいですか?

霧矢:2人が出会ってからそれぞれ頑張ってきた部分や、年齢も重ねて男役から女優になって培ってきたもの、そのすべてを込められたらいいなと思っています。

(宝塚)音楽学校で出会ってから本当に長い月日が流れました。宝塚時代は組が違ったので別々に頑張ってきて、お互い退団して10年以上。外の世界でそれぞれが戦ってきました。

そして去年の30周年をきっかけに、また一緒に2人で歌った時に感じたことがありまして。2人とも本当に歌が好きで、そんな私たちが2人で奏でるハーモニーってどうなるのかなぁと。

人生も後半に差し掛かっているので、大人の女として、今の自分たちがどういうふうにいろいろな音楽や楽曲を表現できるのか楽しみですね。

ーライヴに来る方にメッセージをお願いします。

霧矢:彩吹とは、同期という気の知れた仲間であり盟友。でもそれぞれ歩んできた人生の道のりがある。そんないい意味で力が抜けた大人の女性のデュオを、ぜひ楽しみに来ていただけたらなと思っております。

会えば10代の頃に戻れる。月日が流れても根本は変わらない関係性


ー霧矢さんにとって、彩吹さんはどのような存在ですか?

霧矢:役者として、そして人生の基盤を作ってくれた(宝塚歌)劇団で、最初からずっと一緒だった同期なので…。

彼女も私も関西出身ですし、オフの日も一緒に出かけたり。音楽学校に入学した当初から気が合う存在でした。

ー彩吹さんとは若いころからの長いおつきあいだと思いますが、昔と今で関係性に変化はありますか?

霧矢:根本の部分は出会ったころから変わらないですね。変わらないからこそ付き合いも続くと言いますか…。

彩吹に限らず、同期で久しぶりに会うとみんな初めて出会った10代の頃に戻りますね(笑)。

もちろん、みんなそれぞれ仕事をしていたり、ママになっていたり、家庭も仕事もそれこそ親の介護もあるし、自分の身体の変化もあるし…。仕事やプライベートの状況はお互い色々あってすごく大変な世代ではあるのですが。でも、根本で喋ることは出会った頃のまま。

定期的に会うと自分も当時に戻れるので、やっぱり同期との付き合いは大事にしたいなって思っています。

ー定期的に会える関係性、素敵ですね。

霧矢:地方に移り住んでしまっている子もいるのでなかなか全員で会うことは難しいのですが、4、5人の“関西チーム”や“東京チーム”でちょっと会ったり。

グループラインで近況報告のようなやりとりもしているので、なんとなくみんなの様子がわかります。便利な時代だなと思っています(笑)。

コンテンポラリー的な新感覚舞台『近松心中物語』にも出演予定

ー今年(2025年)10月、舞台『近松心中物語』にも出演予定の霧矢さん。改めて、どんな舞台ですか?

近松心中物語の配信サービス・あらすじ・キャスト・作品概要|ユーウォッチ

霧矢:『近松心中物語』は、蜷川幸雄さん演出の舞台を金字塔に、日本で数々の名優の方々が演じてこられた作品ですよね。

そんな作品を、脚本は一切変えることなく堀越涼さん(あやめ十八番)が演出します。コンテンポラリー的な新しい『近松心中物語』になるのではないかと思っています。

ーお話を受けた際、どう思われましたか。

霧矢:まずは脚本の素晴らしさに心惹かれました。そして堀越さんの人となりや演出作品を拝見して、“これは新しい感覚の面白い作品になりそうだな”と思ってお引き受けいたしました。

ー舞台を観に来る方にメッセージをお願いします。

霧矢:ダンサーの方々がアンサンブルで出られたり、舞台上でミュージシャンの方が音楽や音を奏でたり。物語の舞台は江戸時代の近松ですが、いわゆる古典的な作品ではなく現代風の躍動感に満ち溢れた作品になると思います。

会場のKAAT神奈川芸術劇場もすごく好きな空間なので、とても楽しみにしています。

仲間でありライバル。強い絆で結ばれた宝塚の同期たち


ーここからは、霧矢さんご自身についても伺えればと思います。宝塚に憧れを抱いたのはいつからなのでしょうか?

霧矢:中学生ぐらいの頃になんとなく自分の将来を考え出しまして。

もともと3歳上の姉がクラシックバレエを一生懸命やっていまして、私もそこにくっついてバレエを習わせてもらいました。

最初はバレエを頑張っていたのですが、プロのバレエ団の世界はすごく厳しい。バレエは大好きだけどプロにはなれないかな、と自分の中で思いまして。

でもやっぱり舞台に関わる仕事に就きたいな、と葛藤していた頃に宝塚に興味を抱きました。

もちろん男役というものも興味がありましたし、舞台のプロになれる・舞台を仕事として生きていけるところに惹かれました。

ー高倍率で有名な宝塚音楽学校の入学試験。どうやって突破したのでしょうか?

霧矢:それまでバレエしかしていなかったので、声楽やピアノを習ったり。あとは、叔父の仕事の関係で狂言も習いました。発声や伝統芸能に触れるという意味ではとてもいい経験になったと思います。

私は一度目の受験では落ちていて、二度目の挑戦で合格しました。

当時は落ち込みましたが、今考えるとあそこで一度落としていただいて良かったなと思います。

1回目はプロの舞台人になるための選択肢という感じで受けていたので、やっぱり宝塚に対する愛情や情熱はまだ薄かった。

落とされて初めて“なぜここに入りたいのか?”ということを考えるようになって、宝塚の舞台もすごく見るようになりました。そこで改めてファンになりましたし、私は絶対ここに立ちたいっていう情熱がぐんと膨らんで。

芸事をもう一回頑張ろう、宝塚に必要なことをもう一回きちんと勉強しなくてはと強く思いました。

ー入学した宝塚音楽学校の学校生活はいかがでしたか?

霧矢:やはり授業のカリキュラムがすごく大変でついていくことに必死でしたね。朝から1時間目はバレエ、2時間目は日本舞踊、お昼を挟んで声楽、ピアノ…。本当に大変でした。でもそれがすごく楽しくて。

そして、初めての寮生活と同期との出会い。それまで共学の学校に通っていたので、女の子だけの生活、ましてや親もとを離れて暮らすという意味では、入学してからの月日は本当にエキサイティングで人生の中で一番刺激だらけの年月でした。

ー同期のみなさんは仲間であり、ライバルでもあったのでしょうか?

霧矢:そうだったと思います。なぜ同期の中で絆が生まれるかといいますと、やっぱり舞台って総合芸術であり団体芸なのだと思います。

宝塚は特に“舞台は自分一人で立つものではなくみんなで立つもの”ということ、みんなを思いやることを生活環境から徹底的に叩き込まれます。

やはり舞台も誰かが間違ったらみんながそれをカバーしなくてはいけないし、誰かが出演できなくなったら急遽カバーしなくてはいけない。それぞれが常に周りを気にしながら舞台に出ないと、危険なこともあるので…。

だから、連帯責任=1人が何か失敗をしたらそれはみんなの責任、と。今は時代も違うのでそういう教え方は変わっているかもしれないですが。

舞台に出る責任を厳しく徹底的に叩き込まれるので、本当に同期で助け合わないと乗り切ることができない。だから一生続く仲なのだと思います。

やっぱり同期が活躍していたら“あの子すごく頑張ってるな、私も頑張らなきゃ”って励みにもなりますし、そう思い合える仲ですね。

ーそんな宝塚からの退団。仲間のいない新たな環境への不安はありましたか?

霧矢:在団中はその都度その都度が必死なので、退団してからの自分のイメージを考えている余裕はありませんでした。

いつかトップになったら卒業という時が必ず来るので、考えなくてはいけないんだな、と…。一番いい時に卒業するのが目標でした。

私はトップになるまで16年ぐらいかかりましたので、それだけファンの方々も応援し続けてくださいました。皆さんに最後にトップスターとなった姿を見ていただけて、本当に良かったなと思います。

ー霧矢さんにとっての舞台の魅力を教えてください。

霧矢:舞台に立つと、生きてるなって感じるんです。

いろいろことを想定しながら稽古していても、やっぱり本番初日が開くと全然変わる。予測がつかないところが癖になるんでしょうね。これだから舞台ってやめられないんだなと。

稽古場から舞台に出て、本番の衣装、メイク、照明、音楽が入って…という中で魔法みたいなものがあるように思います。

それがやっぱり癖になるし、ちょっと中毒性があるんでしょうね。そこで私は生かされるし、生きがいなんだなって思います。

共に人生を歩んでいるファンの方々。自分が舞台に立ち続けることの意味

ーとてもスリムでお肌もきれいな霧矢さん。ファンの方も気になっていると思うので、食事で気を付けていることを教えてください。

霧矢:最近は、お昼ご飯をしっかり食べるように心がけています。もともとは三食きっちり食べないタイプだったのですが、あまり体に良くない、ということを発見しまして。

発酵食や乳製品を適度に摂るようにしたり、夏は酢のものを取り入れてサラダを作ったりしています。

ー食事以外でも心がけていることはありますか?

霧矢:年齢的にもだんだん筋肉量が落ちてくるので、トレーニングをしてインナーマッスルを落とさないようにしています。

あとは、夏でも湯船につかって代謝を良くするようにしています。冷やさないことが大事なので…。

なので、寝る時の格好はひどいですよ。夏でも長袖長ズボンのパジャマを着て腹巻きを巻いたり、レッグフォーマーをつけたり。冬はマスクもして、人様にはお見せできない格好をして寝ております(笑)。

ーありがとうございます。最後に、ファンの方への思いをお願いします。

霧矢:周年のライブなどで、宝塚の若手だった頃、トップだった頃、退団してから、と順を追って選曲すると、皆さんもその時の自分はこうだったとお手紙に書いてくださって、皆さんの人生と一緒に私も生きているんだって実感してとても感慨深いですし、続けてきて本当によかったなと。

もちろんお別れもあったり、残念ながら悲しいお知らせを伺ったりすることもありますが、それは生きていく上で避けられないこと。

だからこそ自分が今こうやって舞台をやっている意味、続けていく責任も感じています。

霧矢大夢(きりや ひろむ)プロフィール
10月4日生まれ 大阪府出身。2009年には文化庁芸術祭演劇部門新人賞を受賞。2010年に月組トップスターに就任し、2012年に退団。その後も精力的に活動を続け、2015年には「第22回読売演劇大賞優秀女優賞」を受賞。2024年には「霧矢大夢 30th anniversary LIVE 2024」を開催した。

●Instagram @kiriya_hiromu_kiriyan

●X @KIRISM2020

撮影:髙橋耀太