【解説・レビュー】映画「ペテン狂騒曲」の魅力に迫る!醜い欲望渦巻く男たちの騙し合いクライムサスペンス【2.5次元俳優】

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「ペテン狂騒曲」は、LAMIAProjectが制作・公開した映画で、過去に起きた殺人事件の裁判と新たな詐欺事件を巡って、検察・弁護士・警察・捜査機関・動画配信者が手柄を巡って泥沼の醜い争いを繰り広げるストーリー。

ここで登場する検察、弁護士、刑事の3人は、学生時代の先輩・後輩という関係で、社会人になってからも交流があり、大人独特のプライド、出世欲など、ドロドロしたヒューマンドラマが描かれるクライムサスペンス。

本ページでは「ペテン狂騒曲」の魅力に迫り、登場人物相関図などを通して作品をもっと楽しめるよう紹介します。

「ペテン狂騒曲」は2025年4月25日にDVDセル・レンタルリリースされます。TSUTAYA、GEO、DMMなどでもレンタル可能で、人気の動画配信サービスでも視聴できるようになります。

ご利用中の動画配信アプリなどで、ぜひご覧ください。

公式発表:https://lamiaproject.jp/peten004/

悪に染まりだまし合う「ペテン狂騒曲」のメインストーリー・レビュー

本作では全体を通してハイエナの悪徳弁護士と呼ばれる「坂木誠人」と検事「我妻泰史」を主役として登場し、詐欺マルチ商法や麻薬の売人としてビジネスを成功させようとする「内田光流」がサブの主役として物語を盛り上げていきます。

アメとムチを使い分けて人を操る内田光流

だめだよ、ヤクザじゃあるまいし

俺等の仕事手伝ってよ、そしたら借金チャラにしてあげるよ

ビジネスという名の闇バイトや詐欺行為で大金を得ようとする「内田光流」とそれに流される「坂木誠人」という構図。

「坂木誠人」と「内田光流」の関係は、「内田光流」が犯人として疑われた殺人事件の裁判の被告と弁護士という過去のつながりがあり、その裁判で坂木誠人が内田光流の無罪を勝ち取っています。

作中では、「坂木誠人」と「内田光流」の上下関係はひっくり返っている状況で、裁判の時は「坂木誠人」が上、「内田光流」がお世話になる形だったはずですが、現在では「内田光流」が上、「坂木誠人」は指示に従う構図になっています。

地に落ちた元敏腕弁護士・坂木誠人

映画の冒頭では、内田光流から30万円の借金をしている坂木誠人が、内田光流の仲間から逃げるシーンから始まり、30万円の返済を待ってもらう代わりに詐欺マルチの仕事に関わってしまうなど散々な状況にある事が分かります。

ミステリアスで才色兼備の一色瑠奈

そんなに稼いでたら税金もすごいでしょ

ちなみに金融商品取引業の登録はちゃんとされてます?

カフェで詐欺マルチ商法のアポがある現場には、何も知らない「坂木誠人」と純真無垢な雰囲気のかわいらしい女性が集合し、ぎこちないマルチ商法トークが繰り広げられます。

トークが下手でまるで闇バイトでもさせられているかのような青年「鮫島健太」と、それをサポートするよう押し付けられた元弁護士、そして、素性を隠しつつ段々と2人を追い込むかわいらしい女性の3人が不穏な時間を過ごすことになります。

純真無垢な女性は明らかに余裕がある様子で、段々と立場は逆転。まさに犯罪撲滅系動画配信者の手口といった感じで、迷惑系YouTuberっぽさ、口調やワード選びに至るまでとてもリアルに演じられています。

元弁護士という名目で現場に呼ばれた「坂木誠人」はまじめなのか、テキトーなのかはっきりしない態度しか取れず印象は最悪ながら、一色瑠奈が税金の話をし始めたあたりで何かを察したような目つきをして空気が凍りつき始めます。

アポをとっていた青年「鮫島健太」は、マルチ商法の話術としては2流、3流のやり方で素人っぽい闇バイトの売り子をきっちり演じ、自信がなく不安だらけの弱々しい性格。

男を見る目がないお金が大好きな篠塚多恵

ね?やろうよ、一緒にビジネス

気さくで良い人だし、色々話してくれると思うから

それに対して「篠塚多恵」は女の武器を駆使して、女性経験がなさそうでモテたこともなさそうな男に対して、プロっぽいマルチ商法トークを繰り広げるシーンも。ただ、すぐに借金の話しを持ちかけたり、リーダーの話をしたり、こちらもやはり2流の雰囲気がぷんぷんしています。

「大谷和希」には、モテたことがなさそうな男の見た目や仕草は感じられますが、どこか不思議な余裕があるように見え、一歩引いて物事を冷静に見ているような雰囲気も見どころの一つ。

過去に囚われた検事・我妻泰史

地獄を見てきたよ、おかげさまで

お前の今のそのざまはなんだ

グラウンドのベンチで寝ていた「坂木誠人」を見つけた「我妻泰史」はビシッとスーツを着こなしており、お堅い仕事をしている雰囲気がバチバチ出ています。

服装も性格も間逆な2人が親しげに話すシーンで、2人が昔からの知り合いであり、少なからぬ因縁があることがはっきりします。

闇に落ち悲哀のこもった笑い声をあげる坂木誠人

紆余曲折あり、はじめは法律の知識を元にかろうじて善意が残っていた「坂木誠人」は、次第に悪に染まっていき、嬉しいような悲しいような、何かが壊れてタガが外れたように笑い、物語は幕を閉じます。

本作に登場する人物は最初は完全には悪に染まりきっていない、中途半端で2流、3流の悪党でしたが、だんだんと闇に落ちていき、悪に染まっていき、人間性が壊れていく様子が生々しく描かれています。

「ペテン狂騒曲」の作品詳細

「ペテン狂騒曲」は、2024年7月に公開された約1時間8分の映画で、松本了監督、及び、LAMIAProjectの協力で制作されています。

公開日2024年7月5日
上映時間1時間7分40秒
監督・脚本・編集松本了
プロデューサー生井伸彦
撮影監督関口洋平
音楽上野山陽一
制作LAMIAProject 「ペテン狂騒曲」製作委員会 株式会社ユーフォリア
出演者坂木誠人:林光哲
我妻泰史:武本悠佑
大谷和希:松田将希
内田光流:山縣悠己
篠塚多恵:大滝紗緒里
副島直哉:三好大貴
鮫島健太:蔵田尚樹
一色瑠奈:石川鈴菜
神原行雄:大野泰広
鹿島大輔:阿部冬夜
喫茶店店員:石田優奈
喫茶店マスター:ひと:みちゃん

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LAMIAProjectのSNS

「ペテン狂騒曲」を制作したLAMIAProjectのSNSアカウントやYouTubeチャンネルもぜひチェックしてみてください。YouTubeチャンネルでは心霊系動画やホラー系の作品が複数公開されています。

YouTube:https://www.youtube.com/@lamiaproject

TikTok:https://www.tiktok.com/@lamiproh

Instagram:https://www.instagram.com/lamiproh/

X(旧Twitter):https://x.com/lamiproH

【「ペテン狂騒曲」公式サイト】

映画「ペテン狂騒曲」 - LAMIAProject Official Web Site
ペテン狂騒曲。「裏社会」を舞台に弁護士、検事、警察、詐欺師、半グレ達が繰り広げる金と嘘が絡み合うアウトロー達のドタバタリーガル群像劇!

「ペテン狂騒曲」の登場人物紹介

ここでは「ペテン狂騒曲」に登場した人物の性格や目的などを考察しつつ、まとめて紹介します。作品のストーリーを理解する助けになれば幸いです。

坂木誠人(林光哲)

弁護士としての能力はあるものの、生活力や経営力などはなく30万円のお金を借りなければいけないほど生活に困窮している元弁護士です。

殺人事件の被告の無罪判決を勝ち取った過去が、古い友人や後輩たちの足かせになっていたり、裁判でサポートした少年「内田光流」との関係につながっていたりと、周囲に流されるままにギリギリ生きている人物です。

法律に詳しいアウトローになりかけの存在ですが、法的にグレーな部分をひた走る様子で、本作の前半ではまだ倫理や良識があるように見えましたが、エンディングでは麻薬取引の騒動に乗じて手に入れたお金を手にして完全に闇落ちしたような形になっています。最後の最後で闇落ちしたのではなく、どこかお調子者っぽい言動でその本心を隠しており、悪意の塊であることを視聴者にも隠していたと考えられます。

過去の裁判では、信念と真実に従い、正義感を持って行動していたようですが、お金に困窮した現在、生きるためであれば何でもやるようなまさしくハイエナの悪徳弁護士や詐欺師となってしまうという皮肉もこめられたような状況です。

我妻泰史(武本悠佑)

検事として、殺人事件の裁判で敗訴してしまった過去が足かせとなっており、検察のプライドをかけて内田光流を追いつつ、旧友でライバルでもある「坂木誠人」に対して復讐心や敵対心を抱きつつある人物です。

検察の意地として、違法捜査に手を染めてでも「内田光流」を捕らえようとしていますが、またしても「坂木誠人」に妨害され、思い通りの結果は出せないままエンディングを迎えています。

違法捜査を実施したものの、「坂木誠人」に妨害されギリギリの所で「内田光流」を逃しているため、その違法捜査は表沙汰にはなっていないようですが、撮影された動画の存在があることで弱みを握られており、出世コースから外れてしまったことで、これからさらに悪に染まっていくでしょう。

大谷和希(松田将希)

自らを囮に刑事として「内田光流」の詐欺マルチ商法と麻薬取引を捜査していますが、なかなか結果を出せずにおり、元弁護士の「坂木誠人」と「内田光流」が一緒に何か企んでいることを察して、坂木誠人に内田光流から離れるよう警告をするなど、義理堅い所もありますが捜査の邪魔になる障害を減らそうとしている様子も見受けられます。

最終的に「内田光流」を捕らえられないまま逃がしてしまっており、またしても刑事としての出世が遠ざかってしまったようです。過去の殺人事件の裁判、先輩及び元弁護士の坂木誠人との因縁に縛られ続けており、カッとなって威嚇射撃するなど刑事としての素質が問われるシーンも描かれています。

内田光流(山縣悠己)

過去に殺人を疑われたやんちゃな不良で、実際には殺人は犯していなかったようですが、坂木誠人も協力した裁判を起こされ性根が曲がってしまったのか、詐欺マルチ商法の片棒を担ぐなど正しい道には戻れないまま大人になってしまった人物です。

序盤はお金を貸している坂木誠人をチンピラの不良仲間に追いかけさせるシーンから始まり、アウトローな方法で一攫千金を狙って麻薬取引にも手を染めてしまう様子が描かれています。

坂木誠人の策略により、今回の麻薬取引もうやむやにされて助けられた形になっていますが、大勢を騙して得た1000万円の全財産を失い、しばらく身を隠す選択をしています。

坂木誠人がいることで完全な悪にも染まらず、中途半端な悪事を働く程度で済んでいたものの、だんだんと凶悪犯罪に足を突っ込んでおり、本作の続編があればさらに悪に染まった仲間たちとともに大暴れしそうな予感がします。

篠塚多恵(大滝紗緒里)

詐欺マルチ商法に協力していた上、麻薬取引を内田光流に持ちかけた本作のヒロインでもあり、元凶でもある存在です。内田光流とはビジネスの関係でしかなく、麻薬のバイヤーとつながっているなど危険なにおいを漂わせていますが、危険な橋をギリギリ渡りきったような結果になっています。

エンディングでは、内田光流から奪った1000万円を坂木誠人に奪われ、そのうち100万円だけを渡されて手を引くよう言われて意気消沈しています。

LAMIAProjectの作品に登場していることも多く、LAMIAProjectのYouTube動画などでもその活躍を見られます。

副島直哉(三好大貴)

神出鬼没の謎の多い人物で、刑事である大谷和希に忠告しにひょっこり現れて消えるなど幽霊のような存在感を持っていた人物です。

ストーリー終盤になって、麻薬取引の現場にも姿を現し、麻薬取締官であることを明かすなど、最も捜査官らしい人物で、掴みどころがなく、偽物の麻薬取引であることを知った途端姿をくらます様子なども描かれています。

不思議な雰囲気を持ち、一瞬で現れて消える他、必要なことだけ言って素性は明かさず消えるなど、かなり実力のある捜査官であることが伺えます。

一色瑠奈(石川鈴菜)

犯罪撲滅系の動画配信者として、わざと詐欺マルチ商法の待ち合わせにやってくるなど、かわいい顔をしてかなり芯の強い活動者であり、坂木誠人や我妻泰史だけでなく、内田光流の弱みも握るなど、本作の事件を引っ掻き回すような役柄です。

サブヒロイン的なポジションで、法科大学院生であるため法律の知識も多く、彼女の投稿した動画が坂木誠人をかなり困らせ、内田光流との関わりを疑う検事や刑事が彼を訪ねてくるようにもなります。

作中では登場回数は少ないですが、大人の男性相手に強気の姿勢を崩さず犯罪撲滅系&迷惑系動画配信者を演じきっており、非常に印象的な存在です。

「ペテン狂騒曲」の見どころと魅力

「ペテン狂騒曲」の魅力は、各方面で知名度が高まってきている俳優、女優がメインキャストになっていることと、クライムサスペンス作品として最後までハラハラしながら見られる展開にあります。初見で俳優や女優のことを知らなくても、登場人物の役柄や立ち位置が全く分からなくてもストーリーが理解できるのも嬉しい点です。

登場人物たちは想像もつかないほど悪い人間というわけではなく、チンピラでもなく、世間的には闇バイトの斡旋に近い自称「ビジネス」で一攫千金を狙っており、悪役としては扱う金額もやり方もかなり小物感が強いです。登場人物全員がうまくいっていない状況で、なんとかのし上がろうとする様子が印象的で、警察や検察の捜査の闇、詐欺やマルチ商法の闇など、お金に関係する人間の欲望と男の出世欲が生々しく映し出されていると考えられます。

エンディングを目前に、人気のない工場に全員が集結し、予測できない結末を迎えたのも衝撃的でした。悪人が捕まるわけでもなく、悪事を果たせたわけでもなく、捜査が成功したわけでもなく、ハイエナの悪徳弁護士と呼ばれた「坂木誠人」の一人勝ちと闇堕ちで物語が幕を閉じています。

序盤は完全に負け組だった「坂木誠人」がチャンスを掴んで、策を練って実行し、おいしい所をかっさらっていった能力は、正しく使えばもっと世間にも自慢できる成功を収めていたはずですが、本作の展開からして、続編があるとすればきっと闇落ちして名実ともにハイエナの悪徳弁護士として生きていることでしょう。

また、本作に登場した全員が主役と言ってもよいほどに印象的な活躍をしており、誰か一人が目立っていたわけではなく、検事の我妻泰史も、刑事の大谷和希もかなり記憶に残る存在です。全員のキャラクターがとても濃く、一度見ると忘れられないくらいの存在感でした。

「ペテン狂騒曲」は2025年4月25日にDVDセル・レンタルリリースされます。TSUTAYA、GEO、DMMなどでもレンタル可能で、人気の動画配信サービスでも視聴できるようになります。

ご利用中の動画配信アプリなどで、ぜひご覧ください。

公式発表:https://lamiaproject.jp/peten004/

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