黒人との混血児・チャングクは、娼婦だった母と2人で村はずれの廃バスの中で暮らしている。チャングクの母は、アメリカにいる夫がいつか迎えに来てくれると信じて手紙を書き続けていた。だがその手紙はいつも「受取人不明」という印を押されて戻ってくる。

「受取人不明」は、米軍基地のある町を舞台に、痛みを抱えた若者たちの青春を描いた作品です。キム・ギドク監督の初期代表作で、アメリカと韓国の複雑な関係の中で若者たちが翻弄される様子は陰鬱かつ凄惨です。誰もが幸せになれない負の連鎖が描かれ、観る者の心を締めつけます。この作品は、社会の厳しい現実と若者たちの無力さを描き出し、観る者に深い感銘を与えます。