カルト教団に入信した母に連れられ、妹と共に教団の施設で育った少年・光一。教団はテロ事件を起こして解散し、光一は施設に預けられることに。だが彼は祖父母に引き取られた妹を取り戻すために脱走。その道中で、援助交際をする少女・由希と出会い…。

「カナリア」は、カルト教団で育った少年と寄る辺ない少女の心の葛藤を描いた作品です。1995年の地下鉄サリン事件をモチーフに、信じられるものが何もない彼らが自分なりの答えを探し求める姿を描いています。彼らの彷徨いの中に、「生きることの強さ」を感じ取ることができます。この作品は、人間の心の深淵を描き出すことで、観る者に深い感銘を与えます。