卒業試験を前にした高橋と仲間たちはカンニングの準備に夢中だった。高橋はワイシャツに回答を書き込み、受けるべき試験に備える。だが下宿屋のおばさんがそのワイシャツを洗濯に出してしまう。その結果、高橋たちは揃って落第することになり…。

「落第はしたけれど」は、小津安二郎監督によるサイレント映画で、学生生活を送る若者たちの日常をコミカルに描いています。学生特有の苦悩や、就職先が見つからずに思い悩む様子など、昭和初期の若者が抱える心情が現代の若者と共通している点が見どころです。また、昭和初期の日常生活や風俗描写も興味深く、時代背景を感じさせます。この作品は、時代を超えて共感できる若者の姿を描いており、その鮮やかな描写が魅力となっています。