夫と何不自由なく暮らしてきたリディア。だが、かつて自分を愛してくれた男・トマゾの死を前に心が乱れる。さらに、夫が自分以外の女性に心動かされているのを見て、空しさを覚えるリディア。トマゾが亡くなったと知った夫婦は一晩を別々に過ごし…。

「夜」は、ジャンヌ・モローとマルチェロ・マストロヤンニが主演を務め、夫婦の心のすれ違いを描いた作品です。ミケランジェロ・アントニオーニ監督の「愛の不毛」の三部作の一つで、愛を見失った夫婦の孤独と空しさを描いています。音楽は伊ジャズ界の鬼才、ジョルジョ・ガスリーニが担当しており、その音楽が作品の雰囲気を一層引き立てています。この作品は、人間の心の複雑さと深淵を巧みに描き出しており、観る者を深く引き込む力があります。