母が亡くなり、疎遠だった父と暮らし始めたマリ子は、父に馴染めず以前親切にしてくれた富子のもとに身を寄せる。富子と流しの三平と3人で暮らし始めたマリ子だったが、富子が事故死。三平の流しに合わせて歌うようになったマリ子は、一躍人気者となるが...。

「東京キッド」は、母を亡くした少女の生き抜く姿を描いた作品です。主演は、当時13歳で天才少女と称された美空ひばりで、彼女が歌う同名主題歌は初期の代表曲となりました。物語は、ひばりの歌と共に進行し、観る者の心を揺さぶります。また、花菱アチャコや榎本健一といった一流の喜劇役者たちが脇を固め、笑いと涙のバランスを保ちながら物語は展開します。この作品は、美空ひばりの初期の魅力を余すことなく引き立てています。