海辺のホテルにて

フランス南西部のリゾート地・ピアリッツ。エレーヌはここの病院で看護師として暮らしていた。ある日彼女は夜勤から帰る途中、ひとりの男をひきそうになる。ジルと名乗った男はエレーヌに一目惚れするが、彼女にはジルの愛を受け入れられない理由があった。

「海辺のホテルにて」は、観光客の途絶えた冬のリゾート地を舞台に、過去の恋に生きる女と一途な男の出会いを描いた作品です。カトリーヌ・ドヌーヴが傷心のヒロインを見事に演じ、冬の港町で出会った男女のすれ違う想いが切なく描かれています。共演のパトリック・ドヴェールの演技も見どころの一つで、本作撮影の翌年に彼が自死した事実は、作品への深い色彩を添えています。