福島桜紀行

福島県の桜は太平洋側から咲き始め、内陸部に向かい1カ月かけて県内を横断していく。復興の進まない避難区域、徐々に客を取り戻しつつある観光地、人気のない山奥。さまざまな環境でさまざまな桜が咲く。季節を告げる毎年の営みが人の住む里を渡っていく。

「福島桜紀行」は、福島県内の桜の風景と、それに関わる人々の声を綴った紀行ドキュメンタリーです。富岡町の夜ノ森の桜、三春町の滝桜、田園地帯に咲く種まき桜など、福島に今も残る日本の原風景を美しく撮影しています。桜を通じて、震災後の福島の現状を描き出し、県外では風化しつつあるその姿を伝えています。この作品は、桜の美しさとともに、福島の人々の生活や思いを優しく照らし出す、心に残る一本です。