18歳になったやまめは、施設を出る直前に祖父母の存在を知る。ところが、祖父は死刑囚で祖母は認知症だった。そんな事実を彼女は驚きも落胆もせず受け入れる。祖母を介護する青年が録音する、街中の何気ない日常の音の愛おしさ、「生」への感謝を実感する。

「ナイアガラ」は、早川千絵監督の作品で、施設育ち、死刑囚、認知症といった深刻な事態を描きつつ、観る者を鮮やかに裏切っていくストーリーが展開されます。ヒロインは常にプラス思考で、その前向きさに観る者は引き込まれます。彼女の思考回路を通じて、「生」の意味を実感することができます。重いテーマを扱いながらも、ヒロインの生き方を通じて希望を見出すことができる作品です。