黄金の月

昭和20年代後半。妻を亡くし、息子に國男と暮らす杉田には悩みがあった。妻の死を機に、常識では考えられない変化が國男に起こり始めたのだ。医者に診せるが、悪いところは見つからない。医者が帰った後、杉田は見るはずのない景色を次々と目の当たりにする。

「黄金の月」は昭和20年代の日本を舞台にした作品です。物語は、妻を亡くした主人公と、不思議な力を手にした息子の日常から始まります。赤い鳥居を背景に、オカルト的な要素が織り交ぜられつつ、徐々に「日本人らしさとは何か？」というテーマへと深まっていきます。その独特な世界観とメッセージ性が評価され、PFFアワード2002に入選した作品です。視覚的な美しさと共に、日本人のアイデンティティを問いかける内容が魅力となっています。