浪人がちまたにあふれる天保の頃、南町奉行・矢部駿河守は策謀により失脚する。駿河守の腹心・山川忠介も自ら職を退き、浪人市場に身を投じた1人だった。忠介は新奉行となった甲斐守の不正を暴くべく、浪人に身を落としてひそかにその時期を待っていた。

「浪人市場 朝やけ天狗」は、山手樹一郎の原作を市川右太衛門主演で実写化した時代劇です。物語は、正義を貫こうとする浪人たちと、それに協力する町民たちの活躍を描いています。松村昌治監督の手により、人情味豊かな描写が施されており、時の権力に立ち向かう勧善懲悪の作風で、観終わった後の爽快感が特徴です。