ある日、浪人・比良雪太郎は松江という武家娘と出会う。彼女に何か事情があるとにらんだ雪太郎は松江の頼みを聞き入れ、江戸まで偽装夫婦として付き添うこととなる。彼女にスリを働いた吉松も連れ、3人が箱根八里の道のりを歩んでいくと…。

「浪人八景」は、訳あり浪人と武家娘たちの旅路を描いた作品です。加藤泰監督の手により、主人公たちが江戸へと進んでいく道のりが描かれています。その途中、箱根の絶景も楽しむことができ、時代劇の醍醐味を堪能できます。物語終盤では、市川右太衛門たちが見せる切った張ったの大立ち回りが展開され、迫力満点の格好良さを見せつけます。この作品は、旅路の風景とともに、人間の生きざまを描き出す力強さが魅力となっています。