朝比奈一家の二代目・朝比奈武夫は、出所早々、因縁のある新興ヤクザ・相良商事の相良から命を狙われていた。そんななか、武夫は根城にしている映画館の従業員・小泉芳江と知りあい結ばれる。やがて芳江の妊娠が発覚し、武夫は足を洗う決心をするが…。

「からっ風野郎」は、戦後日本を代表する作家・三島由紀夫が初めてヤクザ役に挑戦した映画です。監督は、三島と東大法学部の同期であった大映の名匠・増村保造が務めました。三島は増村から厳しい演技指導を受け、その結果としてラストシーンで見せる迫真の演技が話題となりました。この作品は、三島の新たな一面を垣間見ることができる貴重な作品となっています。