主演の茅島みずきが語る『霧尾ファンクラブ』。10ページに渡る長いセリフ、アーティストデビュー秘話

インタビュー
インタビューニュース

女子高生2人のユニークな一方通行ラブコメマンガ『霧尾ファンクラブ』が実写化!このドラマで主演を務めるのが、女優・モデルの茅島みずきさんです。

ドラマの主題歌『ローファー。』でアーティストデビューも決まった茅島さんに、ドラマの見どころや共演者とのエピソード、アーティスト活動についてお伺いしました。

ドラマ『霧尾ファンクラブ』作品紹介

「どうする?霧尾くんのおならが爆音だったら」

「は?嬉しすぎるだろ」

三好藍美(茅島みずき)と染谷波(莉子)の日常は、クラスメイトの“霧尾くん”の話題で持ち切り!

2人の霧尾くんへの思いは時にはアブナイ妄想に発展!霧尾くんに近づくために怪しい呪術に手を出そうとしたり…奇妙なラブソングを作ったり、時には親友同士の壮絶バトルも勃発!?

日々楽しい“推し活”に励んでいたが…実は藍美と波にはお互いにずっと隠している“秘密”があり、そして霧尾くん自身も誰にも打ち明けられない”秘密“に苦しんでいた。

それぞれの思いは、やげて3人だけではなく周りの人たちの思いとも複雑に絡まりあっていき…。

人気マンガ『霧尾ファンクラブ』(地球のお魚ぽんちゃん原作)が実写化!腹筋崩壊!涙腺崩壊…この”青春”はクセになる。

中京テレビ・日本テレビ系水曜プラチナナイト 2025年4月2日(水)24:24放送スタート。

ドラマ『霧尾ファンクラブ』公式サイト より引用

霧尾ファンクラブ
同じ高校に通う三好藍美(茅島みずき)と染谷波(莉子)の日常は、クラスメイトの"霧尾くん"の話題で持ちきり!2人の霧尾くんへの思いは時にアブナイ妄想に発展!霧尾くん...

●ドラマ公式X @ctv_dorama

●ドラマ公式Instagram @ctv_dorama

●ドラマ公式TikTok @ctv_drama

莉子さんとは4度目の共演。「莉子ちゃんは“みずきち”のお母さんみたいだね」

今回、ドラマ「霧尾ファンクラブ」に出演しようと思われた決め手を教えてください。

茅島みずきさん(以下、茅島):お話をいただいたときに原作を読ませていただいて、「こんなに面白い漫画ってあるんだ」と思うくらい、読みながら声を出して笑っちゃって。今まで結構クールな役柄をいただくことが多かったんですけど、それとは180度違う役だったので、自分の中でも一つの挑戦になるなと思って、ぜひやらせていただきたいと思いました。

『霧尾ファンクラブ』は、セリフが面白くて独特ですよね。

茅島: そうなんです。普段あまり「おなら」とか「鼻をほじくる」とか言わないので、最初に原作を読んで、「私がこれをやるのか」というのが率直な感想でした。でも恥ずかしさを持っていたらダメだなと思ったので、とにかく振り切ってやろうと。

シュールかつユニークな藍美を真面目に演じなければいけない難しさもあったと思います。

茅島: 私、実はゲラ(笑いのツボが浅い、笑い上戸)なんです。ツボに入っちゃうと笑いが止まらなくて、演じながら何回も笑ってしまって。監督のいろいろな演出にも笑ってしまって、なかなか撮影が進まず何回かNGを出してしまいました。でも相手役の莉子ちゃんがすごく笑いに強くて、私がどんなに笑っていても、真顔で「はい、やるよ」って言ってくれるので、それで気が引き締まる…。莉子ちゃんのおかげで何とか笑わずに真面目にできたなと思っています。

莉子さんとは4回目の共演ですね。

茅島: 莉子ちゃんは現場ではみんなから「莉子ちゃんは“みずきち”のお母さんみたいだね」って言われるくらい、同世代なのに、本当にすごくしっかりしているんです。4度目の共演ということもあって、良い意味で緊張感なく何でも相談しあえる仲ですし、安心して私のお芝居を投げることができて、それをしっかり受け取ってくれるという安心感がありました。

私は人見知りなので、今回も初日はみんなとうまくしゃべれなかったんですけど、莉子ちゃんが話せる空気を作ってくれたおかげで、初日から楽しく撮影できました。同世代だけど「人生何周目なの!」っていうくらいすごくしっかりしていて、歳の離れたお姉ちゃんに感じられるほど。

莉子ちゃんの前だと甘えちゃうので、周りからは「赤ちゃんみたいだね」って言われることがこの現場では多かったです。莉子ちゃんとはプライベートでも仲がいいんですよ。

プライベートでも仲が良いのですね!

茅島:はい!ご飯を食べに行くこともあります。今回も撮影が終わってから2人でイチゴのアフタヌーンティーに行って、写真を撮りながら楽しみました。

莉子ちゃんはお互いの仕事の悩みも相談しあったりする、何でも気兼ねなく話せるお姉ちゃんみたいな存在です。

莉子さんにはどんな悩みを相談されるんですか?

茅島: 私、デビューしたばかりの頃に、泣くシーンが苦手で困っていたんです。莉子ちゃんは泣きの芝居が上手だったので、「どうやって演じているの?気持ちはどうしているの?」って聞きました。

あと、私は現場で人見知りなのが悩みなんですが、莉子ちゃんは私と違ってコミュ力が本当に高くて、誰とでもすぐ仲良くなれちゃうので「人と話すとき、何を意識しているの?」って相談したことも。深刻な悩みからたわいもない話まで全部話せる関係です。

ユニークなセリフや表情に苦戦するも、原作者の言葉や涙に救われた

大人気漫画が原作ということで、プレッシャーもあったと思うのですが、役作りはどのように?

茅島: 今回はあまり自分で言ったことがないセリフが多かったので、とにかく原作を読み込みました。

衣装合わせや本読みを、原作者の“地球のお魚ぽんちゃん”さんに見ていただくことができたのもよかったです。「すごい、藍美のまんまです」ってちょっとうるっとしてくださったので、これでいいんだと自信が持てました。

藍美が印象的な表情や面白い顔をするシーンがいくつかあるんですが、漫画では、地球のお魚ぽんちゃんさんご自身が面白い顔をして、それをカメラに撮って描いたそうなんです。「だからこの変顔は、私の表情なんです」って言ってくださったので、「なるほど、この表情は人間ができたんだから、私にもきっとできる」って思えて、そこから一生懸命、鏡を見ながら練習しました。

「感情を大事にしてください」というアドバイスを念頭に置きながら、原作ファンの方が楽しみにしているシーンはなるべく原作に忠実に見せたいなと思って演じました。

撮影後の打ち上げ会場で、本編の映像流したとき、その場にいた地球のお魚ぽんちゃんさんが涙を流してくださっていて、それを見て安心できました。

今回のドラマの見どころは?

茅島:くだらないと感じるような会話が多いんですが、学生時代って実はそれが楽しいというか、それこそが青春だと思うんです。どのシーンもクスッと笑えるけど、どこかみんなも懐かしい気持ちになれるはず。霧尾くんが抱える悩みもすごく大きいし、ドラマの後半は泣ける感動するシーンが多くて…。笑って泣ける、すごく心が温かくなるドラマです。

長ゼリフを必死に頭に叩き込む毎日。撮影の敵は“笑い”

撮影で大変だったのはどんなところですか。

茅島: とにかくセリフの量が多かったことですね。1つのシーンが9ページとか10ページあることも。さらに1日にその長いセリフのシーンを3つ撮影する日もあったので、セリフを覚えるのに苦労しました。

独特な会話が多いので、覚えにくくて、夜な夜な台本を見ながら「私は何を覚えているんだろう」と思いながら、必死に台本と向き合う日々でした。

私だけでなく、どの役もセリフが多いんですが、皆さんセリフがしっかりと頭に入っている方ばかりだったので、撮影も順調に進むことが多かったです。

茅島さんは、セリフを覚えるのは得意なほうですか?

茅島: 苦手です!前日に覚えるという役者さんも多いのに、私は4、5日前から入れ始めないと覚えられないです。

相手のセリフを自分で録音しておいて、その録音に掛け合う形で自分のセリフを言いながら覚えるんですが、それでも覚えられないときが多々あって。そういうときは、セリフをぶつぶつ言いながらノートに書き写しています。それをすればだいたい覚えられるんですが、それでも覚えられない時は10回早口で言えるまで寝ないと決めて、必死に覚えました。

特に印象に残っているシーンや、ファンの方に見てほしいシーンがあれば教えてください。

茅島: 特に印象に残っているのは、若林時英くん演じる満田くんと、莉子ちゃん演じる波との3人のシーンですね。3人は化学室でのシーンが多いんですが、時英くんがとにかく面白くて、私を笑わせようといろいろ仕掛けてくるんです。

テスト(撮影)までは普通だったのに、本番にアドリブで面白くしたりして!それにまんまと乗せられて笑っちゃうんですけれど、映像で見てもやっぱり面白いので、皆さんも注目してください。

笑っていいシーンなんですか?

茅島: 笑っちゃダメなシーンなんです!何とか笑いを我慢して撮影をしているのに、監督もこらえきれずに笑っていたりして。「私たちが我慢しているのに、監督がなんで笑ってるんですか!」って怒りに行くこともありました(笑)。

今回、霧尾くんの推し活をする役ですが、茅島さんご自身は、高校時代に推し活をした経験はあるのでしょうか?

茅島: 私、あまり“人にハマる”っていうことがなくて、何かにハマった経験というと「放課後にみんなでボウリングに行く」くらいでした。ボウリングに本格的にハマって、ベストスコアが196を出せるくらいにまで熱中していました。

もうひとつ、茅島さんは、友達と同じ人を好きになったらどうしますか?

茅島: 譲りません! もちろん相手が友達の方を好きと言うんだったら、「どうぞくっついてください」って譲るけど、相手の気持ちがわからないまま好きな人が被っているだけなら、「私も彼が好きなんだ、お互い頑張ろうね」って宣言するタイプです。

たかはしほのか(リーガルリリー)の楽曲で念願のアーティストデビューも

今回、ドラマの主題歌『ローファー。』で、アーティストデビューされますね。茅島さんはポカリスエットのCMで歌を披露されていた中学2年生のときから、すでに歌が上手だなとは思っていたので、 “満を持して”という気がします。

茅島: あの頃は、自分自身もとにかくお芝居を頑張りたい、モデル業を頑張りたいという時期だったので、歌を歌いたいとはマネージャーさんには伝えていなかったんです。でも、もともと音楽や歌が好きだったので、その後「いつか歌える機会があったら歌いたいです」と伝えたところ、今回のお話に繋がり、本当にびっくりしました。

どのくらい歌がお好きなんですか?

茅島: 1人でカラオケに行くぐらい好きです。その日の調子によって2時間半まで延長することも。高校の友達とカラオケに行く時は4時間は歌います。

私の家族もみんな歌好きで、地元に帰ると絶対にカラオケに行きますし…。最近は母の影響で中森明菜さんとか松田聖子さんの曲が好きで、よく聞いています。家でも常に音楽をかけていないと落ち着かないほど音楽が好き!

今回、リーガルリリーのたかはしほのかさんが楽曲を提供してくださったそうですね。

茅島:主題歌を歌わせていただけることにも驚きですし、アーティストデビューってなって、まさかたかはしほのかさんの曲を歌わせていただけるなんて。立て続けにすごいことが起きすぎて、なかなか実感がわきませんでした。

このお話が決まってから、リーガルリリーさんのライブを見に行かせていただいて。世界観とか歌声、歌詞も含めて、本当に素敵すぎて、不安や緊張がのしかかってきました。

ライブ終わりにお二人に「今回、曲を歌わせていただきます、ありがとうございます」って言ったら、「すごく楽しみにしています」って言ってくださったんです。

とても明るくてチャーミングな方で、「いつでもライブに来てください。待ってます」とまで言ってもらえたので、とにかく頑張ろうって思いました。

何もわからない状態からのスタートだったので、最初はとにかく悩みましたし、うまくいかないことも多かったです。たかはしほのかさんの歌詞を自分の中で何度も何度も大切に読み込んで、自分なりに落とし込んでいきました。歌もボイストレーニングを重ねて無事レコーディングが終わりました。

いつかは母みたいな自立したかっこいい女性になりたい

茅島さんは去年、20歳になられたばかり。どんな20代にしていきたいと思っていますか?

茅島: なんかまだ20歳の実感が全然わかなくて。変わったことといえば、お酒が飲めるようになったことくらいで、まだまだ大人の女性になれていないなと思っています。

私の中では母が憧れですごくかっこいい存在なので、母の背中を見ながら自分も自立したかっこいい女性になっていきたいです。

素敵なお母さんなんですね。

茅島: 自分で言うのもなんですが、一人暮らしをするようになってより強く「私は本当に愛されて育ったな」って感じるんです。習い事も好きなだけさせてもらいましたし、小学校でお弁当の日があったら、朝4時に起きてキャラクターのお弁当を作ってくれました。

周りのみんなに「お弁当すごいね」って言われるのは当たり前のことだと思っていたけど、自分で料理をするようになって、あれがどれだけ大変だったんだろうと初めて知りました。

私は当時ゴルフをやっていたので、小学校まで車で迎えに来てくれて、一緒にゴルフの練習を付き合ってくれて、兄のことも手伝って、帰ってからは私たちのために夜ご飯も作ってくれて。

家族全員の家事もこなすし、仕事もしていたし…。いつ休んでいるんだろうっていうくらいパワフルなすごい母です。今すぐ結婚をしたいとは思わないですけど、いつかは母みたいになりたいと強く思いますね。

仕事に向かう姿勢について、心に留めていることはありますか?

茅島: 「報われるまで努力する」という言葉を大事にしています。

ゴルフをやっていた当時は、「努力は必ず報われる」という言葉を信じて頑張っていたんですが、全国大会であまり良い結果が残せなくて。「私、毎日誰とも遊ばず、日々365日ゴルフに向き合ってきたけど、報われなかった」と悲しくなりました。

その後、母のすすめで芸能界に入ったんですが、芸能界でもどれだけお芝居に向き合ってもオーディションに落ちるし、自分がやりたい役ができないこともたくさんあって。

そのとき、「私は報われるまで努力すればいいんだ」と気付きました。つまり、「努力すれば必ず報われる」んじゃなくて、「報われるまで日々努力するのが大事」なのだと。

すごく前向きですね!落ち込んだときはどうしているんですか?

茅島: 辛いことがあったら、落ちるところまで落ちて、泣くこともあります。立ち直りは遅い方なのかも。

でも、例えばオーディションに落ちて凹んでも、しばらくすると「凹んでても意味ないな」って思う瞬間が来るんです。このまま悩んでいてもどうしようもないから、「今回何が悪かったのか」をもっと前向きに考えようって思える瞬間が来たときに、吹っ切れている気がします。

最後に、今後の目標を教えていただけますか?

茅島: お芝居の方では、デビュー当時からずっと「朝ドラのヒロインになりたい」っていうのは変わっていなくて、絶対叶えたい夢の一つです。

アーティストとしては、スタートラインに立ったばかりなので、これからどんどん歌の技術をレベルアップしたいですし、いつかは自分で作詞できたらいいなと思っています。

茅島みずき(かやしまみずき)プロフィール

2004年7月6日生まれ、長崎県出身。「アミューズ 全県全員面接オーディション 2017 ~九州・沖縄編~」グランプリ受賞。

主な出演作は、ドラマ「ここは今から倫理です。」「おかえりモネ」(2021)、「卒業式に、神谷詩子がいない」「教祖のムスメ」(2022)、「明日、私は誰かのカノジョ Season2」(2023)、「あの子の子ども」「素晴らしき哉、先生!」(2024)、舞台「Romeo and Juliet –ロミオとジュリエット–」(2021)、映画「女子高生に殺されたい」(2022)、「交換ウソ日記」(2023)など。

また、「ゼクシィ」14代目CMガールほか、多数のCM・広告に出演中。

「Seventeen」専属モデルで、「東京ガールズコレクション」ではモデルとしてランウェイを歩く。

特技はゴルフ。小学校時代、全国大会に出場した経験があり、ベストスコアは70。

●茅島みずき Instagram @mizukikayashima_official

●茅島みずき YouTube @mizukikayashima 

取材・文:小澤彩
撮影:髙橋耀太

タイトルとURLをコピーしました