ドラマ『MADDER』で初共演。寂しがりやの樋口幸平×ピュアな山下永玖(ONE N’ ONLY)の化学反応

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偏差値78の天才たちが集まる学園を舞台にしたミステリードラマ『MADDERその事件、ワタシが犯人です』。

主演の仲野茜(五百城茉央・乃木坂46)のクラスメイト(江藤新と宮内大翔)として初共演を果たした樋口幸平さんと山下永玖さん(ONE N’ ONLY)にインタビュー!

役作りの裏側から、共演によって見えてきたお互いの素顔、撮影現場で育まれた信頼関係まで、たっぷりと語っていただきました。

ドラマ『MADDERその事件、ワタシが犯人です』作品紹介

偏差値78、東大進学率No.1の名門校・清爛学園で、創立以来初の入試全教科満点で入学した天才高校生・仲野茜(五百城茉央・乃木坂46)は、頭が良すぎるせいで”世の中がつまらない”と退屈し、生きる意味を見いだせないでいた。

しかし、街で起こったある殺人事件と、その犯人と思われる青年・黒川悠(山村隆太・flumpool)との出会いをきっかけに、まだ見ぬ世界≪犯罪の世界≫にひかれて、学校で小さな事件を起こし始める。

同級生たちは犯人を見つけようと推理していくが、見当違いの推理ばかりで事件解決の糸口を見つけ出せないでいた。

そんな様子を見ていた茜は、「捕まりたくないけど、誰かに気づいてほしい」という思いで、自らクラスメイトたちにリードを残しながら謎を仕掛けていくが、やがて学校内で本当の殺人事件が発生。さらにそこから、日本を震撼(しんかん)させる未曽有の連続殺人へと発展…。

事件の全貌にたどり着いた時、そこには誰も予想しなかった衝撃の結末が!物語の真相は、そして犯人は一体誰なのか…。

関西テレビ×FOD オリジナル連続ドラマ。2025年4月、FODにて先行配信開始。2025年4月10日(木)スタート (毎週木曜深夜カンテレ0時15分~/フジテレビ2時15分~)

(※ドラマ『MADDERその事件、ワタシが犯人です』公式サイトより引用)

MADDER(マダー)その事件、ワタシが犯人です
偏差値78、東大進学率No.1の進学校・清爛学園で、創立以来初の入試全教科満点で入学した天才高校生・仲野茜は、頭が良すぎるせいで“世の中がつまらない”と退屈し、生きる意味を見いだせないでいた。...

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天才の役だけに演技も難しい!ふたりが語る役への思い

―まずは、ご自身の役柄と、台本を読んだときに感じたことを聞かせてください。

樋口幸平さん(以下、樋口): 最初に台本を読んだ時に、「これはどう撮影するんだろう?」と思いました。ミステリアスでもあり、ギャグパートもあり…。いろんな要素が詰め込まれた作品で、スピード感を持ってどんどん話が展開していくんです。

OAを見たら、キャスト、スタッフ、みんなの愛が詰まった作品になっていました。たくさんの伏線がちりばめられた、面白い作品に仕上がっていると思いました。

僕の演じた江藤は、五百城さん演じる茜に対していろいろな感情を抱くキャラクターで、とても楽しく演じられました。

山下永玖さん(以下、山下): 僕は、脚本を読んだ時の第一印象は“難しい!”でした。最初は脚本読んでも理解できなかったんですが、びっくりするような展開が何回もあるのも面白くて。

毎日毎日台本と向き合っていくうちに、役をだんだんつかめてきて嬉しかったです。

ドラマの舞台は、偏差値78以上の生徒が集まる学園。宮内の「頭が良くてお調子者」と

いうキャラクター作りにはいろいろ悩みました。監督さんと現場で何度も話し合い「宮内は犬っぽいキャラで行こう」と決めたので、注目してもらえたら嬉しいです。

―そんな役を演じるうえで、「自分と似てるな」と感じた部分はありましたか?

樋口: 江藤を演じてみて、自分と被ってたら嫌だなぁと思いました(笑)。結構変わったことも言うし、不器用だし、単なる嫌な奴…笑。こんなキャラだったら今の時代を生き抜くのは結構大変だろうなと。

でも物語が進んでラストに近づいていくと「愛くるしい」と思ってもらえるようなキャラクターに変わっていくので、見続けていくほど好きになっていただけると思います。

僕自身は江藤のようにクイズや勉強をたくさんやったタイプの人間ではないので、「共感できるか」と言われると少し難しいのですが…。

その一方で、江藤自身が持っている素直さや人間味は、自分とも近いかなと思ったので、あまり考えすぎず、役に自分を乗せてという気持ちで演じました。

山下: 僕の場合は、自分と被る部分もあれば、全く被らない部分もあって、半々ですね。

普段ダンス&ボーカルグループ(ONE N’ ONLY)で活動していて、最年少でお調子者キャラなので、そこは宮内とすごく似てるなと思います。

でも僕は宮内のように考察好きでもなければ、チャラい発言を自分からする方ではないし、話すこと自体、実は苦手。人前に立つ演者ではありつつも、なかなか慣れないんです。

今回演じた宮内の面白さとか世界観はすごく新鮮で、宮内は僕にとって大事なキャラクターになりました。 

―天才という設定だけあって、セリフにはかなり難しい言葉も多く出てきますよね。あれって演じる側としてはどうだったんでしょうか?

樋口: 確かにセリフは難しいんですが、やはり天才なので、視聴者の皆さんに対して説得力を持たせなきゃいけないんです。

頭の回転が速い江藤なら、発言中に噛むことなんてありえない。普段使わないような言葉を淀みなく言わないと、と思って臨みました。

自分の引き出しにはない部分だったので、なかなか大変でしたが、やりがいはありました。この役を演じたおかげで、知ることができた言葉もありすごく勉強になりました。

山下: 1話の最後の僕のセリフに「延性破壊(えんせいはかい)」と「脆性破壊(ぜいせいはかい)」という言葉を説明するシーンがあるんですが、どちらも全く知らない言葉だったんです。とにかく家で動画を見て、「延性破壊」と「脆性破壊」が何なのか、きちんと調べて理解してから撮影に臨みました。

―きちんと調べるなんて偉すぎます(笑)!ちなみに今回の学園ドラマ出演は、ファンの反響もすごいですよね。

樋口: 僕は、初めての学園ドラマだったので、出演できたことがとてもうれしい気持ちでいっぱいでした。ファンの皆さんには、今までとは違う自分を見せられるんじゃないかと思って、今もすごく楽しみにしています。

山下: 僕も今まで高校生役は多かったものの、学園ドラマは初めてで。自分自身、改めて青春を感じることができましたし、制服姿を見せることもあまりないので、ファンの皆さんも喜んでくれたんだなと思いました。

「幸平くんは寂しがりや」「永玖くんはすごく素直でピュア」

―今回はおふたりとも初めての共演とのことですが、お互いの第一印象と、撮影が進む中で「こんな一面もあるんだ」と感じたことがあれば教えてください。

樋口: 初めは、僕は永玖くんはすごく静かで穏やかな人なのかなと思っていたんです。それが、話せば話すほど、打ち解ければ打ち解けるほど、とても面白い人で。

ピュアで、めちゃくちゃまっすぐで優しくて。芯を持った素敵な人だなという印象です。

だから、そういう永玖くんに甘えて、めっちゃふざけちゃったり、撮影以外でも2人で結構話すことも多かったですね。

ストーリーの冒頭で、江藤と宮内が話すシーンでも、2人の雰囲気の良さが画面に出てるんじゃないかなと思います。

山下: 僕は幸平くんの第一印象は、“クールな人”でした。衣装合わせで初めて顔合わせしたとき、キリッとして見えたから。

でも、話していくうちに、めちゃめちゃ寂しがりやな人だなと思って(笑)。

「一緒に自販機行こうよ」とか「一緒に帰ろうよ」とか、今日だって「食堂に一緒に行こう」とか。

樋口:学校のシーンは、男性キャストが僕達2人だけだったから、ずっと一緒にいたね(笑)。

―寂しがりやの樋口さん、なんだか可愛いですね(笑)。

山下: でも、人見知りの僕は、そんな幸平くんにすごく助けられたんです。幸平くんのおかげですぐにみんなと打ち解けられたし、ボケやツッコミが多いから一緒にいて面白いし。嬉しかったです。

相手に気を遣わせない空気感を持っている人って、あまりいないと思うんです。だから幸平くんの存在がすごく嬉しくて、撮影じゃない時も常に一緒にいたし、一緒に帰ったりもしました。

―その「打ち解けた感」は画面越しにも伝わってきますね。仲良くなるきっかけになった出来事って何かありましたか?

山下: 撮影中に、幸平くんが毎シーン毎シーン、台本にないことを「こう演じたほうがかっこいいよ」みたいに僕に言ってくるんです。しかも、まだ仲良くなれているのかわからないくらいの、初日の撮影からずっと!

僕もつい信じそうになり、それは本当に困りました。

樋口: めっちゃ大事なシーンなのに、「ここ、自転車に乗って、『待て!』って登場すればいいんじゃない?」って、絶対にありえないようなことを僕が永玖くんにふざけて言ったんです。

そしたら永玖くん、「そうかなあ」って真に受けるから(笑)。

「目をつぶって言ってみるといいんじゃない?」ってふざけても、「あ、確かに」みたいな反応が返ってくる。

小さなところにも永玖くんのピュアさが垣間見えて面白くて、2人で話すのが本当に楽しかったです。

山下: 途中からいじられていることをようやく理解できて、「幸平くんが言うこれって、本当に正しいのかな?」と疑うようにはなったんですが。

でも、僕もふざけるのは大好きなので、幸平くんのそういうところに、だんだん身を任せて向き合うようにしたというか(笑)。

お互いにどんな“天才”?「運動なら任せて(山下)」「カニの身を取るスピードなら負けない(樋口)」

―一緒にお芝居してみて、相手のどんなところをリスペクトしていますか?

山下: 幸平くんは、俳優1本でやっている姿をすごく尊敬しています。

カメラが回っていないところで真面目な話をすると、俳優にかけている思いと自分のやりたいことを突き詰めたいという強い意志が伝わってきました。

樋口:僕から見た“山下永玖”は、すごくまっすぐな人です。

芸能界は、良い意味でも悪い意味でも、苦しいことが絶対にある世界だと思うんです。

素直さを持ち続けることが難しかったり、自分が真っ白だと思っていたものが色づいているように見えたりする。まっすぐに進んでいるつもりが、気付けばぐねぐねした道に入り込んでしまっていたりも…。

そんな世界で、永玖くんは心が強いからこそ素直でピュア。こういう“まっすぐさ”を持てる人はなかなかいないと思うので、このまま突き進んでほしいなと思います。

―おふたりでオフの日に遊びに行くなら?

山下: ご飯行ったりとか…。

樋口: そう、ご飯とかだよね。でも1回食べたね。撮影終わりに一度、ラーメン食べながらいろいろ話したよね。

―今回演じた江藤も宮内も“天才”ですが、お2人が「自分自身はこれに関しては天才かも」と思うことってありますか?

山下: 僕は、コツを掴むのが早くて、運動神経にはめちゃめちゃ自信があります。

例えば中学1年の時に、ベッドでノリでバク転とバク宙をやったら、2~3回でできちゃった、みたいなことがありました。父親に「やってみろ」みたいに言われただけで(笑)。

いろんなスポーツもやってきているんですが、体を動かしてコツを掴むスピードは天才かなと思います。

樋口: 僕は“好きな食べ物を食べるときのスピード”ですかね。

タラバガニが大好きなんですけど、カニを食べる速さが天才的でめちゃくちゃ早いんですよ。びっくりするぐらい早いのにちゃんと味わってる。

気づいたらカニがなくなってるから、ほんと、“カニの身を取る天才”だと思います!

―学園ドラマを楽しみにしている若い視聴者も多いと思います。学校といえば悩みもつきもの。「落ち込んだときにはこうする」ってアドバイスをもらえますか?

樋口: 僕はね、落ち込む時はとことん落ち込んでいいと思うんですよ。すごく苦しいことがあるなら、人間なんだから喜怒哀楽を大きく出していいと思うんです。すごく悲しい時は、しっかりしょぼくれていいと思う。

まあ、僕らは仕事柄、自分がしょぼくれていても、みんなに笑顔を届けなくちゃいけない仕事なので、難しさはあるんですけど。

本当に凹みたい時はしっかり凹んで、次の日から切り替えて、何でもいいので動いてほしいと思いますね。

散歩でもいいし、お風呂に入りに行くのでもいいし、ご飯を食べに行くでもいいし。やっぱり体を動かさないとダメだと思ってます。布団にくるまって真っ暗な場所でずーっと沈んでる気持ちと、散歩しながら沈んでる気持ちって、全然違うんですよ。

「病は気から」って言うじゃないですか。あの逆も僕はあると思っていて、気持ちを上げたいときには体をしっかり動かせば、気持ちが沈みすぎない。

そういう人間のコンディション管理、モチベーション管理はとても大事だと思うし、僕もいつも考えています。

僕も凹む時はいっぱいあるので、気持ちはすごくわかるんですけど、いつまでも凹んでてもよくはならない。やっぱり次に向けて歩き出すことが大切だと思う。だから何でもいいのでとにかく体を動かして、行動することが大事だと思っています。

山下: 僕は落ち込むことは多少はありますけど、そこまでグンと落ちることがないんです。ただ、落ち込んだ時は友達と会うかな。

1人で考えるより愚痴を聞いてもらったり、気心知れた人がそばにいるだけで、自分の心も晴れるし、「自分の悩みってちっぽけだったな」とも思えるので。

それこそ公園とか行きますね。公園に行って友達と話してドリンクを飲んで。僕は、そういう些細なことで結構回復できます。

―ちなみに最近ハマっていることってありますか?

樋口: 僕、サウナにどハマりして、ずっと通っています。しんどい時や嫌なことがあった時にも、サウナに行くとすごくスッキリするんです。

山下: 僕は最近、ビリヤードにめちゃめちゃハマってて。行く時は本当に週3とかで行っています。ビリヤードをしている時は無心になれるのがいいんですよね。狙った球がポケットに入るようになるとめちゃくちゃ気持ちいいんです!

―では最後に。あらためて、このドラマの見どころを教えてください。

樋口: この作品は見どころが満載で、いろいろな展開が用意されています。誰に感情移入しても楽しめるので、ぜひ盛り上がってくれればうれしいです。

山下: 偏差値78以上の学園ということで、テンポ感、スピード感がものすごく早いので、そういう展開も楽しんでもらいたいです。衣装にもこだわりがあり、グレーをベースに、生徒みんなが全く違う制服なので、そこにもぜひ注目してみてください。

樋口 幸平(ひぐちこうへい)プロフィール

2000年11月30日生まれ、兵庫県出身。高校卒業後にJリーグのプロ育成選手として上京するも、怪我でサッカーの夢を諦める。その後芸能事務所にスカウトされて芸能界入り。

『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(2023)で初主演。ドラマ『約束 〜16年目の真実〜』(2024)、『離婚弁護士 スパイダー』(2024,2025)、映画『暴太郎戦隊ドンブラザーズ THE MOVIE 新・初恋ヒーロー』(2022)、『追想ジャーニー リエナクト』(2024)、『ネムルバカ』(2025)、などに出演。

趣味はサウナ、お笑い番組、映画観劇。特技はサッカー。

●Instagram  @higuchi_kouhei1130 

●X  @kouheihiguchi99

山下 永玖(やましたえいく)プロフィール

1999年12月19日生まれ、山梨県出身。ダンス&ボーカルグループ「ONE N’ ONLY」のボーカルとして活動中。

グループの活動以外に映画『バトルキング!!-We’ll rise again-』(2023)、MBS ドラマ特区『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる』(2024)、読売テレビ『クラスメイトの女子、全員好きでした』(第9話・2024)、MBS ドラマイズム『レッドブルー』(2024~2025)など俳優としても活躍中。

6歳からドラム、10歳からギター・ベースを始め作詞作曲も自身で行う。

グループ1運動神経が良く、バク宙・バク転を動画を見ただけで出来てしまうほど。趣味は楽器・音楽、バスケットボール、サッカー、器械体操、ゲーム。特技はギター弾き語り(即興弾き語り)、ドラム、ベース、ダンス。

●山下永玖Instagram  @eiku1219_official

●ONE N’ ONLY Official Instagram @onenonly_tokyo

●ONE N’ ONLY Official X @onenonly_tokyo

●ONE N’ ONLY Official YouTube @ONENONLYTVOfficial

取材・文:小澤彩
撮影:髙橋耀太

樋口幸平さん:
ヘアメイク/齋藤将志