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検索キーワード:「寒川聖美」
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あらすじ
新人王最有力候補のボクサー・冴木輝彦(通称:テル)と生まれつき記憶力に長けているがコミュニケーションが苦手な友原勉(通称:ベン)。二人は同じ団地で兄弟のように育った。ベンはテルを真似てシャドーボクシングをしていられるだけで幸せだった。ベンにとってテルは憧れで、絶対だった。だが、そんなテルが新人王決定戦で北澤に負けてしまう。しかし、敗北後も、テルは何事もなかったかのように、あっけらかんと振る舞う。ベンにも変わらず優しく接するが、テルの生活は少しずつ荒み、遊び呆ける日々。まるでボクシングなど初めから興味がなかったようにすら見えるその姿が、ベンを不安にさせた。憧れだったテルを、たった一度の敗北により失ってしまったのだ。そんな喪失に耐えられないベンはある日、テルのグローブを持ち出して、「テルは負けない」「テルは負けない」と何度も呟きながら宿敵・北澤に復讐を誓い、歩き始める。
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あらすじ
ヒトシの友人は数年前にバイクの事故で死んだ。ただ、ヒトシが心を閉ざし始めたのはそれよりも前のことだ。事故で死んだ友人の妻・美緒は、当時ヒトシと恋人関係だった。しかし、美緒はヒトシとの交際中、その友人と深い関係になりヒトシに別れを告げたのだ。死んでしまった友人へのやるせない気持ちと、今は隣にいない美緒の存在をどこか感じながら、ヒトシは今も自分の思いと向き合わず、言い訳とともに生きるのだった。ヒトシ・美緒を取り囲む個性豊かな人々、それぞれが 何かに寄りかかり、誰かを見て安心し、誰かと思いあって生きていく。大きな事件も不思議なことも起こらない。今の自分を認められたとき、ほんの少しだけ前にすすんでいたことに気付く。自分の人生を諦められない人々の不器用で優しい物語。