- フリーキーワード
検索キーワード:「鈴木 伸之」
-
あらすじ
「本日のヒーローインタビューは、決勝打がプロ初打席、初ホームランとなりました柳澤大翔選手です!」「ありがとうございます。俺は、中日ドラゴンズが大好きです!」鮮烈デビューから14年、中日ドラゴンズから、戦力外通告を受けた柳沢大翔(鈴木伸之)。なんで俺がこんな目に遭うんだ…プロ野球選手ではなくなった今、全てが虚しく思えていた。半年前―バンテリンドーム ナゴヤで行われたリーグ戦。途中出場した大翔に、9回裏、ノーアウト1・2塁の場面で打順が回ってくる。しかしベンチからのサインは、送りバントだった。バントは見事成功したが、そのあとの打者は凡退、試合は負けてしまう。記者に囲まれた大翔は、思わずこう言い放つ。「やっぱり打ちたかったです。野球はランナーを進めるスポーツじゃない。得点を多く取った方が勝つスポーツですから」「なんで隠してたの?」妻が他界して以来、シングルファザーとして育ててきた9歳の息子には、戦力外になったことをまだ伝えていなかった。「隠していたわけじゃない。中日は辞めるけど、野球をやめるわけじゃない」また満員のスタンドでホームランを打つ、あの頃の輝きを取り戻してやる―大翔はトライアウトを受けることを決める。トライアウトで見事結果を残した大翔だったが、何日たっても、どの球団からも獲得のオファーはなかった。焦りを覚える大翔のもとにかかってきた、1本の電話。「ぜひ、柳澤選手と契約を交わしたいと思っています」喜び半分、疑問半分で電話の主のもとを訪れると、予想外のオファーが大翔を待ち受けているのだった…