あらすじ

今から半年前のこと。認知症である母・陽子の介護をしながら小説家を志す竹内薫は、自室で無我夢中で文字を綴っていた。しかし自身の特殊な能力によって、他の作家の真似のような作品に仕上がってしまうのだった。出版社でもそんな作品を貶される日々。時を同じくして藤原智美は22歳という異例の若さで講談会系東宮寺組聖狗会の組長となり、会長から誰も手を出さないような大きな依頼を任される。薫のコピー能力を知っていた智美は、依頼を手伝ってほしいと頼む。権堂は素人を巻き込むことに賛成しかねるが、薫と智美は5年前にも出会っていて…。