日の浦姫物語

説教聖が語るのは数奇な宿命を背負ったある姫の物語。時は平安。主を失った葬式の最中、双子の兄妹、稲若と日の浦姫がたわむれている。無邪気なその声には禁じられた香りがたちこめていた。2人に訪れるたった一度の過ちが永遠の別れへと導くのを知らずに…。

「日の浦姫物語」は、井上ひさしによる初期の戯曲で、文学座・杉村春子への当て書きで書き下ろされました。井上ひさしの没後10年目を記念した企画「井上ひさしメモリアル10」第5弾として上演され、朝海ひかる、平埜生成といった重厚な俳優陣とスタッフが集結しました。物語は、禁忌の愛に揺れる日の浦姫の半生を描いています。その愛の深さと葛藤が、観客に強烈な印象を与える作品となっています。