古今亭志ん輔「真景累ヶ淵第七段(後編)」～志ん輔の会　国立演芸場　2015年

人を殺めて金を奪った新吉とお賤は塚崎の観音堂に逃げ込んだ。そこで、年老いた尼僧に出会う。その尼こそ、お賤の母のお熊、惣吉の母を殺した犯人で、さらに新吉とお賤が腹違いの兄妹だと言う。狂気にかられた新吉は、尼の持っていた鎌でお賤を斬り殺す。

「真景累ヶ淵第七段(後編)」は、古今亭志ん輔による長編落語の終演部分です。主人公・惣吉がついに兄の敵・安田一角を討つというクライマックスを描いています。この作品は、落語の中興の祖と称される三遊亭圓朝の創作による「真景累ヶ淵」を古今亭志ん輔が独自に解釈し、人間の色と欲、さまざまな因縁が複雑に絡み合った一大怪談巨編を見事に演じきったものです。