フリマアプリで購入したリュックの出品者から執拗なコメントが届く。それは5分ごとに続き、やがて…（「フリマアプリの女」）。住み始めた事故物件で、人が落ちるような音が毎晩のように聞こえていた。だが、それとは別の音がして…（「口論の理由」）ほか。

「怪奇蒐集者(コレクター) 霊怪白書 長谷川晏巳」は、女子大生怪談師・長谷川晏巳の初の単独怪談集です。彼女の圧倒的な表現力が光る作品で、高校時代から怪談師としてのキャリアを積んできた彼女の人生のターニングポイントに残した爪痕が描かれています。その恐怖はぞくぞくするようなもので、読者を戦慄の世界へと引き込みます。この奇譚は、長谷川晏巳の怪談師としての才能を最大限に引き立てる作品となっています。