映画「パリ13区」は、パリの若者たちの生活や恋愛、セックスについて描いたフランス映画。2022年に公開されました。さまざまな人種が集まるパリ13区での若者たちの生きざまを赤裸々に描いた本作は、全編モノクロームで表現されています。
テーマゆえに過激なシーンも多く出てきますが、それを露骨に感じさせないフランス映画特有のオシャレな感じが素敵な映画です。
| 制作国 | フランス |
| 作品カテゴリー | 映画 |
| 公開日 | 2021年 |
| 作品ジャンル | R指定 |
| 公式サイト |
映画「パリ13区」のあらすじ・キャスト
台湾系フランス人のエミリーは、アフリカ系フランス人の高校教師カミーユとルームシェアすることに。
エミリーとカミーユは、夜を共にしてもルームメイト以上の関係には発展していなかった。
一方、33歳で法律を学ぶため、大学に復学したノラは、年下のクラスメイトになじめず、挙句の果てにはポルノスター本人と勘違いされてしまい、大学をやめることに…。
不動産会社で働き始めたノラは、教師をやめて不動産会社で働き始めたカミーユと同僚になって…。
アジア系移民が多く暮らす13区で、男女の複雑な糸が絡み合っていく…。
- キャスト
- スタッフ
エミリー[ルーシー・チャン] カミーユ[マキタ・サンバ] ノラ[ノエミ・メルラン] アンバー・スウィート[ジェニー・ベス]
【監督】
ジャック・オーディアール
【原作】
エイドリアン・トミネ
【音楽】
ローン
【脚本】
セリーヌ・シアマ レア・ミシウス ジャック・オーディアール
【製作】
ヴァレリー・シェアマン
映画「パリ13区」のレビュー
ジャック・オーディアール監督の映像センスが際立っていて、モノクロの画面が登場人物の感情や生々しさを引き立てている。特に若者たちの不安定で複雑な内面が、セクシャルな描写と絡み合いながら丁寧に描かれているのが印象に残った。エレクトロの音楽が物語の緊張感を高めていて、彼らの切実な日常の孤独感を際立たせている。各キャラクターの葛藤や弱さに共感しやすく、いつの間にか彼らに感情移入してしまう。繊細かつ力強いドラマだった。
面白い 恋したくなる 親と見るの気まずい
フランスが舞台ということもあり、全体的にお洒落な雰囲気。
特に若いというわけでもない33歳のヒロインの複雑な心情が伝わってきた。
同世代の女性なら、特に共感できることだろう。
パリ13区を舞台にした、4人の男女の今どきの恋愛事情を描いた群像劇。
オープニングのモノクロームの映像から始まるところが、さすがフランス映画といった雰囲気。
エミリー役のルーシー・チャンの存在感が際立っていて、彼女がいなければ成り立たなかった作品。エミリーが白人だったとしたら、とても平凡で他にもありそうな作品になっていたかも。
イケメンすぎるカミーユ役のマキタ・サンバは、役柄通りとっても官能的で圧倒的な魅力をもっていると思ったけど、過去作品を調べてみるとこれといった作品には出演していない様子で残念。
フランス・パリを舞台に移民が多い地区13区にありそうな、人間模様やフランス社会を投影した背景で描かれているため、複雑で日本人の感覚ではわかりにくい人間模様に考えさせられる。

