映画「枯れ葉」は、フィンランドを代表する映画監督アキ・カウリスマキが監督・脚本を務めたラブストーリーです。
主演はアルマ・ポウスティとユッシ・ヴァタネンが務めました。
現代のヘルシンキを舞台に、社会の片隅で生きる孤独な男女の不器用な恋愛模様を、カウリスマキ特有のオフビートなユーモアと寡黙な演出で描きます。カンヌ国際映画祭審査員賞受賞作です。
| 制作国 | ドイツ |
| 作品カテゴリー | 映画 |
| 公開日 | 2023年12月15日 |
| 作品ジャンル | ラブストーリー・ラブコメディ |
| 公式サイト | 公式サイトへ移動する |
映画「枯れ葉」のあらすじ・キャスト
現代のフィンランド、ヘルシンキ。スーパーマーケットで働くアンサと、建設現場で働くホラッパは、共に社会の片隅で孤独な日々を送っていた。
ある夜、二人はカラオケバーで偶然出会い、互いに惹かれ合う。不器用ながらも距離を縮めようとするが、アンサは理不尽な理由で職を失い、ホラッパは深刻なアルコール依存の問題を抱えていた。さらに、連絡先の紛失や不運なアクシデントも重なり、二人の関係は思うように進まず、すれ違いを繰り返してしまう。
厳しい現実の中でも、ささやかな愛と希望を必死に求める男女の物語。
- キャスト
- スタッフ
アルマ・ポウスティ ユッシ・バタネン ヤンネ・フーティアイネン ヌップ・コイブ アンナ・カルヤライネン カイサ・カルヤライネン
監督[アキ・カウリスマキ] 製作[アキ・カウリスマキ/ミーシャ・ヤーリ マーク・ルオフ/ラインハルト・ブルンディヒ] 本[アキ・カウリスマキ] 撮影[ィモ・サルミネン] 美術[ビレ・グロンルース] 衣装[ティーナ・カウカネン] 編集[サム・ヘイッキラ ] 音楽[マウステテュトット]
映画「枯れ葉」のレビュー
これは本当に心に染みる映画です。中年の恋を扱っているので、世代的にハマる方はなおのことだと思います。異国の話ではありますがたとえ国が違っても人と人との間に芽生える感情や、人と人との距離の取り方に違いはないんだなという当たり前のことを改めて気づかせてくれる映画です。日常のなんてことない時間が愛おしくもあり、残酷でもあり。派手な事件は一切起こりませんが、人の気持ちは毎日が事件だし、ラジオから聞こえてくる戦争の話も決して人ごとではないけれど、ちゃんと希望を感じさせる物語になっていて、心温まるとはこういう映画のことを言うのだと思いました。
アキ・カウリスマキ監督の最新作は、フィンランドの厳しい現実を生きる男女の孤独な日常を描いています。失業したアンサと酒に溺れるホラッパの出会いから始まる物語は、愛と希望を失わずに生きようとする彼らの姿が切なく映ります。二人の微妙な感情のすれ違い、そして現実が彼らをどうもてあそぶかが非常にリアルに描かれており、その静かなドラマは独特の魅力があって良かった!
カウリスマキ監督が引退を撤回したのは、戦争に心を痛め、憤りを感じたからだろうと今作を鑑賞して切に感じました。
久々の作品ながら、カウリスマキ節は変わらず。何とも表現がしがたい独特な世界観が、ファンにはたまりません。
必死に生きる市井の人々の強さや、生活のふとした美しさというものを今作でもたっぷりと味わうことができました。恋っていいですね。

2024.3.12
HTM4/40代/女性
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中年男女の恋愛模様がとても淡々と描かれている「だけ」の作品なんですが、ジワジワと後から心が暖かくなるような良さがあります。主人公男女はおよそ人生経験を積んだとは思えないほどいじらしくもどかしく、想いを募らせたりすれ違ったりします。少女漫画よりもある意味純粋で、けれど歳を重ねているから諦めも選択肢に常に入っている、そんな行動や台詞のひとつひとつがなんだか美しく素敵だと感じさせるのです。そっけないけれど、どこか幻想的でもある。それは彼らが生きる時代の描きかたも同様です。彼らを取り巻く世知辛い労働環境やロシアのウクライナ侵略という社会背景で現代を描いていることを明白としながらも、スマホはおろかテレビでさえも使わず、バーや部屋の内装もレトロチックで懐かしみを感じさせます。その硬軟聞かせた、淡泊なようで暖かみも同時にあるという、バランス感覚の妙がとても利いていました。



