櫻井海音×鈴木福×吉田剛明が語る『カラダ探し』の舞台裏。「人形が勝手に動き出したのはマジで怖かった」 

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2022年のホラー映画No.1(※)だった映画『カラダ探し』から3年。橋本環奈さん、眞栄田郷敦さんに加え、若手俳優を起用した待望の最新作、映画『カラダ探し THE LAST NIGHT』が9月5日に全国公開されます。

真夜中の遊園地で、逃げ出せない死のループに翻弄される高校生男子3人を演じたのが、櫻井海音さん、鈴木福さん、吉田剛明さん。

今回の現場が初対面だったという3人に、お互いの第一印象や撮影中の思い出、怖かったエピソードなどを振り返っていただきました。

(※興行通信社調べ)

映画『カラダ探し THE LAST NIGHT』作品紹介

カラダ探し THE LAST NIGHTの配信サービス・あらすじ・キャスト・作品概要|ユーウォッチ
深夜0時。バラバラになった体を見つけ出すまで、同じ日を繰り返す「カラダ探し」。 明日香と高広が「カラダ探し」を終わらせた直後、高広の目の前で明日香がこの世から消えてしまう。 その3年後、陸人たち...

深夜0時。バラバラになった体を見つけ出すまで、同じ日を繰り返す「カラダ探し」。明日香と高広が「カラダ探し」を終わらせた直後、高広の目の前で明日香がこの世から消えてしまう。

その3年後、陸人たち5人の高校生が目を覚ますと、そこは真夜中の遊園地だった。

すると全身血だらけの少女“赤い人”が現れ、彼らは無惨に殺されてしまう。

しかし目を覚ますとそこは同じ日の朝だった…。「カラダ探し」に選ばれたことに気付く陸人たち。

そんな彼らの前に、かつての面影を失った高広が現れる。高広は3年間、恋心を寄せる明日香を探し続けていた。

6人は“呪いの連鎖”によって消えた明日香を救い出すため、“赤い人”の恐怖と対峙する―。

高広は明日香を助け出すことができるのか?「カラダ探し」に隠された謎が、ついに明かされる——。

観始めたら止まらない、超刺激的ループ型ホラー、待望の最新作!

今作で活躍する高校生役5人のうち、櫻井海音さんは一ノ瀬陸人(いちのせりくと)を、鈴木福さんは田辺大和(たなべやまと)を、吉田剛明は鮫田航(さめだわたる)を演じます。安斉星来さん、本田真凜さんも高校生役で出演しています。

(※映画『カラダ探し THE LAST NIGHT』公式サイトより引用)

9月5日(金)全国公開

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ホラー映画の撮影には怪奇現象がつきもの? “本物の恐怖”体験も

―まずは今回の『カラダ探し THE LAST NIGHT』の見どころを教えていただいてもいいでしょうか。

櫻井海音さん(以下、櫻井):怖いだけじゃなくて、高校生っぽさもあり、キャラクターそれぞれの群像劇というか、成長みたいなところがうまく調和してるのは、この作品の魅力だなと思います。僕、ホラーは苦手なんですけど、そんな人でも楽しく見られる作品になっているなと思います。

鈴木福さん(以下、鈴木):ホラー×青春という題材が1番の見どころだと思います。死がループするというのは他の作品ではなかなかない設定ですし、明日香さん(橋本環奈さん)と高広さん(眞栄田郷敦さん)の関係性、明日香さんの秘密も注目ポイント。そして何より、高校生役の僕たちの関係性の変化を見てほしいです。

吉田剛明さん(以下、吉田):僕は、前作を映画館で見ていて、『カラダ探し』のファンでした。まさか自分がこの大きな作品の一員になれるとは思ってもおらず、そして恋愛も青春も面白さも怖さも…全てがスケールアップというか全部レベルアップしているのを感じました。

―今回の舞台は遊園地ですね。真夜中の遊園地の雰囲気はいかがでしたか?

鈴木:やっぱり慣れないですね。

吉田:すごく新鮮で景色も綺麗でしたよね。

櫻井:撮影場所であるジェットコースターの乗り場から控え室まで、結構距離があって。忘れ物をして、控え室に1人で取りに行こうと思ったんですが、本当に明かり1つなさすぎ!怖くて行くのをやめました。

鈴木:やめたの?(笑)

櫻井:行かなかった。撮影場所には人もいっぱいいるし、声も聞こえるから大丈夫なんです。でも1人で真夜中の遊園地を歩くとなると怖かったです。

―ホラー映画の撮影につきものの、怪奇現象や不思議体験はありませんでしたか?

櫻井:僕と安斉(星来)さんが人形の館で撮影をしていたときかな。

僕たちが通るときに、人形が勝手に動き出して音が鳴るという仕込みを美術さんがしていたのですが、仕込みをしていない時も、たまに人形が鳴り出したり、動き出したりして!それは、本当に怖かったですね。

吉田:僕は年齢的に(17歳)、あまり夜遅くまで撮影に参加することができなくて、そこまで怖いことはなかったです。ただ人形の館は怖いなと思いました。小鳥を飼うケージの中に、人形が入っていたりして。

鈴木:僕もあまり怖いことはなかったですけれど、夜遅くなった遊園地のトイレは怖かったですね。みんなが使う公衆トイレでも、怖い雰囲気が漂っていて嫌だなと思いました。

撮影待機中のコンテナ裏で、あだ名を付け合って距離を縮めた

―皆さんは、今回の撮影が「はじめまして」ですよね。それぞれ第一印象と共演した後の今の感想を教えてください。

鈴木:海ちゃんは最初、割と静かで、でも、ちょっとしたところにユーモアを感じさせる雰囲気があって、どういう人なんだろうっていうのがつかめなかったんです。

現場に入っていてもなんだかすごく不思議というか、つかめなさがありながら、物静かとは違う落ち着きがあった。その上に面白い個性的な点がいくつもあるので、面白い人だなと思って今は見てますね。

たけちゃんは、“緊張しい”で、こうしている今もそう(笑)。最初会った時、そわそわしながら「映画の現場が初めてなので、ちょっと助けてください」ってお話もして、1番最初に連絡先交換して「聞きたいことあったら聞いてね」って言ったんです。でも、全然聞いてこないし、ずっと緊張してるよね。

吉田:ずっと緊張してます(笑)。

鈴木:だから第一印象からそこまで変わらないんですけれど、ちょっとやんちゃな彼の個性が見えてきたりすると、意外性を感じたり…。まだまだ見えない部分、秘密が隠された人だなと思ってます。2人とも第一印象にはなかったお茶目さを感じますね。

櫻井:福ちゃんは…、こう言われるのはあんまり好きじゃないかもしれないけれど、“みんなの福ちゃん”の印象が強いというか、こっちが守ってあげたくなるような存在だなって最初思ってたんです。でも、いざ現場に入ると、やっぱり経験値がすごい。

それこそ映画に初挑戦のマリリン(本田真凜さん)、たけちゃん、赤い人役の子役の子に対しても…。本当に福ちゃんがすごく面倒をみてあげるというか、いろんなアドバイスをしていて、すごく頼もしいお兄さんという印象に変わりました。

みんなの雰囲気をすごくよく見て、常に輪の中心にいてくれるので、福ちゃんがいたからこそ、みんな仲良くなれたと思います。

たけちゃんは、初日は全然喋んないし、落ち着きがないし、面白いというか変な奴だなって思ってたんですけど…。

会話をしていく中で、何かちゃんと自分のやりたいことや芯みたいなものが徐々に見えてきました。より一層変わっているなというか、不思議だなって思うところもあるけど、それは1つの個性として、役者として良いところだという印象に変わりましたね。

吉田:海音さんは、僕が本読みの時に挨拶させていただいた時は、すごく爽やかで、優しそうなお兄ちゃんという印象でした。現場で僕が緊張していたのもあったんですけれど、海音さんも福さんも皆さんが肩組んで「一緒に頑張ろうな」みたいな感じで支えてくださって、第一印象から今もずっと良いお兄ちゃんみたいな感じです。

福さんも、本読みの段階から、一番話してくださって。寄り添ってくれているときの安心感が半端ないというか。僕が質問すると、演技について「こういう考え方もあると思うよ!」って全部的確に返してくれて、本当に頼りになるお兄ちゃん達です。

―鈴木さん、優しいですね。

鈴木:吉田くんのように映画出演が初めての人にとって、現場での動き方や空気の読み方は難しいと思うんです。教えてもらえるものじゃないので。

僕は小さい頃から、気付けばすでに芸能界にいたので、楽にやれてると思うんです。先輩たちも僕が子どもだったから“いい子、いい子”してくれました。

でもたけちゃんぐらいの年齢から始めるとなると、誰かが親身になってくれない限りは現場では誰にも聞きにくいっていう状況が結構ありがちで。「そういうのって、辛いよな」って、周りを見ていても感じていたので。

僕はキャストの1人として、たけちゃんの近くにいることも多かったんで、辛さを感じないようにできたらいいなと思っていました。「良いお兄ちゃん」って思ってもらえてたのかな?それならよかったな。

―鈴木さんのサポートは、きっと吉田さんも心強かったでしょうね!ちなみに皆さんは、いつ、あだ名を付け合ったんですか?

鈴木:撮影にインしてすぐだったね。

櫻井:ちょうどたけちゃん演じる航がギターを弾いて「フォー!」って言っているシーンの裏で、我々4人は、コンテナみたいなところで待機してたんですよ。

鈴木:結構狭いところでね。

櫻井:そこでみんな「はじめまして」だったので、「お互い、なんて呼び合う?」みたいな話をして。 “マリリン”(本田真凜)、“せいちゃん(安斉星来)”、 “福ちゃん”、“海ちゃん”、“たけちゃん”だねって。

吉田:僕、結構それが心の支えでした。なんて言うんですかね、仲良くなろうってみんなが思いあっているのがすごく嬉しくて。

僕は最初ずっと“誰々さん”って言い続けるつもりだったんですけれど、自分が作ってた心の殻をみんなが壊してくれたというか…。

鈴木、櫻井:あははは。

吉田:ちょっと、なんで笑ってるんですか!

鈴木:たけちゃん、心の中ではそう思ってるんだ、と思って。だっていつもよそよそしいから(笑)。

櫻井:ずっと“さん”付けだったしね、結局(笑)。

吉田:でも、あだ名を付けてもらって、心の印象が変わりました!

鈴木:ならよかった!

「海ちゃんは“爽やかな鳥おじさん”(鈴木)」 「ちょっと!!(櫻井)」

―今回のキャスト5名のチームワークはいかがでしたか?

鈴木:すごく良かったと思います。アンバランスだけど、バランスも取れている5人だなと思いますね。それが面白い。

櫻井:みんな個性もタイプも全然違いますが、でもそれがうまく調和してたのはありますね。なんかそれは多分、誰か1人欠けても成り立ってなかった感じというか…。

吉田:僕もうまく調和したっていうところにすごく共感しています。福さんと星来さんがムードメーカーな感じで場が盛り上がって、その2人を海音さんと真凜ちゃんが止めて、僕もそこにお邪魔してるみたいな感じで。みんながいい感じに突っ込んでくれるので、なんかすごくいいバランスだったと思います。

―青春を感じたエピソードはありますか?

鈴木:なんか俺ら3人の話で言うと、撮影の終わりに温泉に行ったよね。

櫻井:行ったね!

鈴木:あと3人で焼き鳥も行ったね。海ちゃんがお店を見つけてくれて。プライベートでも一緒に過ごしたので、それが結構僕にとって良い思い出ですね。

櫻井:たけちゃんが未成年で、お酒ももちろん飲めないし、あんまり遅い時間までもいられないので、なかなかみんなで一緒にというのは難しかったんです。そんな中、早い時間に撮影が終わったときがあって、「パッと飯食いに行こう」って行けました。

鈴木:北九州でも大分でも、みんなで結構ご飯に行けて楽しかった。あとジェットコースターね。やっぱり制服着てみんなで楽しく乗れたのは、青春感があったかな。

吉田:僕、出演者の中で唯一のリアル高校生なのですが、通ってる高校は私服なので、制服を着て、一緒にジェットコースターに乗るっていうのはすごく新鮮で楽しかった。これが青春なんだって感じる場面でしたね。

―お互いの役どころを見て、新鮮だったとか、はまってた、みたいな感想はありますか?

鈴木:たけちゃんの役は、たけちゃんにぴったりだった。陰キャというわけではないけど、僕らとの関係値が似てた。僕らは割とたけちゃんを探っているんだけど、ちょっと1歩引いている雰囲気で、まだまだ知らないところがいっぱいあるなって感じですね。

海ちゃんはよりももっとクールな印象だったけれど、というかアドリブ、おちゃらけるのが好きだって感じが芝居の中に見えたり、普段一緒にいる中でちらっと感じるところがあって、すごくいいなと思って見てました。

吉田:皆さん、僕がつかめない、みたいな感じでおっしゃると思うんですけれど、実は僕も案外皆さんのことをつかめてないところもあり…。最初海音さんと、本読みの時もめちゃめちゃしゃべるわけじゃないっていう感じで、多分撮影が終わって、今日の取材に至るまであまり海音さんのことを知らなかったので…。

櫻井:(鈴木さんのほうを向いて)知らないって言われちゃったよ!(笑)

音楽でロックが好きって言うから、おすすめの音楽を教えたりしてたのに。

吉田:あ!そうなんですよ(笑)。

ONE OK ROCKの話をしていたとき、海音さんに「Bring Me The Horizon(イギリスのロックバンド)もいいから聞いてみて」と教えてもらって。今でもプレイリストの中に入れてます!

櫻井:福ちゃんも、役柄にすごくぴったりというか、持っている雰囲気、オーラみたいなものが、役とものすごく近い。それこそコメディー的な芝居の部分だったり、アドリブのアイディアが、本当にするする出てくるんです。なんか僕はそれに同じ温度感というか空気感を感じて、必死についていこうと頑張っていました。

―では、それぞれにキャッチフレーズを付けるとしたら?

鈴木:海ちゃんは“爽やかな玄人(くろうと)”かなあ。めちゃくちゃクールで爽やかな印象があると思うんですけど、ものすごく落ち着いてて、焼き鳥とハイボールをたしなむ。

吉田:“爽やかな鳥職人”とも。

鈴木:うーん、“爽やかな鳥おじさん”でも。

櫻井:ちょっと俺、何してる人なの(笑)。福ちゃんは、包容力の…。包容力の…。

吉田:包容力の爆弾!

櫻井:たけちゃんは…“愛され変人”!

鈴木:そうだね、確かに“愛され変人”。

吉田:“愛され変人”…。なんか自分でもしっくりくるっす(笑)。

劇中に出てくるキーアイテムのように、それぞれにとって大切なもの

―プライベートについても教えてください。櫻井さん、吉田さんが今ハマっていることは?

櫻井:今は漫画の『トリコ』にどハマりしています。すでに完結している漫画なんですけど、この前、急に読みたくなって、今漫画を全巻読み直してますね。

吉田:僕は今ハマっていることは、ギターと料理とバイク。暇を見つけては取り組んでいます。

―今回もギターのシーンがありましたもんね。映画でも吉田さんが実際に弾いていたんですか?

吉田:そうですね。撮影の中でギターに触れさせていただいて、役と自分の似通った部分というか、役でちょっと自分を出せたような気もするので、すごく嬉しかったです。

―鈴木さんは、妹さんが前作のファンだったそうですが、鈴木さんが出演が決まった時、どんな反応でしたか?

鈴木:妹は結構喜んでいました。妹孝行じゃないですけれど、兄として妹の好きな作品に携われたっていうのは嬉しいです。あと、弟がStray Kidsさんのファンなので、「主題歌がStray Kidsさんだ」と喜んでくれたのも嬉しかったです。きっと映画館で見てくれると思います。

―ちなみに鈴木さんは現在大学生ですよね。学生生活はいかがですか?

鈴木:大学生もすごく楽しくやっています。自分自身、新しい発見がたくさんあります。苦しい部分もありますけれど、日々友達との出会い、最近は後輩との出会いというのもあって、こういう関係が広がってきて面白いなと。

―ありがとうございます。もう一つ、映画の中ではネクタイピンがキーアイテムになっています。ネクタイピンのように、皆さんにとって大切なものとその理由を教えてください。

吉田:父が昔、にわとりのキーホルダーをくれたんです。それを、旅行やお仕事のときにお守りのように持ってきては、ときどき見て気持ちを落ち着かせています。

櫻井:素敵なエピソード!

鈴木:僕は…。家の中に宝がいっぱいあります。今までいろんな先輩方からいただいた、大切なものがありすぎて。

それこそ、今回映画でご一緒したものの、共演シーンはなかった木村佳乃さんからも、5歳の時に当時の戦隊ヒーローのロボットをプレゼントしていただきました。それも家にまだ置いてあります。

櫻井:僕は…ファンが1番の宝物かなって。いつも支えてもらって愛されてるなと感じているので、もう本当に“大好きだよ♡”ということを伝えたいですね。

あとは、この『カラダ探し THE LAST NIGHT』の現場の思い出の数々…。キャストやスタッフの皆さん、そのどれもが僕にとって大切なものです。

鈴木:そうだよね、この仲間たちね。

櫻井:そうですよ。

―楽しい撮影だったのが伝わってきました。今後も今回の仲間とのいい関係はずっと続いていきそうですか?

鈴木:(お互いに顔を見ながら)ぜひぜひよろしくお願いします(笑)。

櫻井:よろしくお願いします(笑)。

吉田:よろしくお願いします。お世話になります(笑)。

櫻井海音(さくらいかいと)プロフィール

2001年4月13日生まれ、東京都出身。2020年に連続テレビ小説『エール』で俳優デビュー。近年の出演作にNetflixシリーズ『君に届け』(2023)など。2024年に公開されたAmazon×東映『【推しの子】-The Final Act-』で映画初主演を務め、2025年は日曜劇場『御上先生』、映画『お嬢と番犬くん』などに出演。

●Instagram @kaito_0413

取材・文:小澤彩

撮影:髙橋耀太

櫻井海音さん:
ヘアメイク/高草木剛(VANITÉS)
スタイリスト/藤井晶子

鈴木福さん:
ヘアメイク/ショウジロウ フェニックス
スタイリスト/作山直紀

吉田剛明さん:
ヘアメイク/ KAZUOMI(LOTUS)
スタイリスト/百瀬豪