八木莉可子が語る、実写映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』。「この作品はヒーローもの」

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2025年12月5日(金)より公開の実写映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』に出演された八木莉可子さんにインタビューしました。

八木さんは、商店街を守るために戦う“防風鈴”を見守っている喫茶店の店員・橘ことは役を演じています。

実写ならではの『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』の魅力を語っていただきました。

映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』作品紹介

映画「WIND BREAKER/ウィンドブレイカー」の配信サービス・あらすじ・キャスト・作品概要|ユーウォッチ
「WIND BREAKER/ウィンドブレイカー」は、連載からわずか4年で世界累計発行部数1,000万部を突破した同名作品が原作の実写アクション映画です。全編沖縄で撮影された実写ならではの...

ケンカだけが取り柄の孤独な高校生・桜遥は、不良の巣窟と恐れられる風鈴高校のてっぺんをとるため、街の外からやってきた。

そこで桜は、風鈴高校の生徒たちが〈防風鈴=ウィンドブレイカー〉と呼ばれ、街を守る存在へと変貌を遂げていたことを知る。桜は戸惑いながらも防風鈴のメンバーとして、楡井秋彦、蘇枋隼飛、杉下京太郎ら仲間と共に街を守るための闘いに身を投じていく。

そんな中、越えてはいけない一線を越えたことをきっかけに、力の絶対信仰を掲げる最凶集団<獅子頭連>が、防風鈴を新たな標的として動き出していた…!

「俺は1人でてっぺんをとる」と言い放ち、周囲と衝突してばかりの桜だったが、ある時街に乗り込んできた獅子頭連に楡井が傷つけられてしまい…

映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』公式サイトより引用

2025年12月5日(金)公開

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守ってもらうヒロインじゃなくて、防風鈴や街の人みんなでひとつの家族

ー今回演じられた“橘ことは”という人物はすごくかっこいいと思いました。実際に演じられてどうでしたか。

八木莉可子さん(以下、八木):私も原作や台本を読んでかっこいいと思ったから、「かっこいい子」でいたいと思いながらお芝居をしていました。

もちろん喧嘩は強くないですけど、ことはが発する言葉とか水上恒司さん演じる桜をはじめ、“防風鈴”(街を守る風鈴高校の生徒たち)のみんなに対してすごく愛情深くて。みんなのことを丸ごと包んであげるような大きな愛を持っている人物なんです。

ただ助けてもらう、庇護されるだけじゃなくて、自分もフライパンを持って「喧嘩に参加してやる」くらいの強い気持ちもあって、防風鈴や商店街の人たちの関係性も素敵だと思います。

ーなるほど。お芝居をしながら意識されたポイントはありますか。

八木:先ほどのところとも重なりますが、今回イメージしたのは“守られるだけじゃないヒロイン”像です。

相手に捕まってしまうシーンでも、「キャー」って叫んだりはせず「何するんだよ」って反応するような、原作通りの“かっこいいことは”を意識しました。

実際に演じていて、ことはは「守ってもらうヒロイン」じゃなくて、防風鈴や街の人みんなでひとつの家族みたいな感覚がありました。

ー撮影がはじまって、萩原健太郎監督とは何かお芝居のお話をされましたか。

八木:萩原監督はいい意味であまり監督っぽくない感じがしました。

台本の読み合わせの時も、「どう思う?」「どんな感じ?」って私の意見も聞いてくださることが多くて、すごく親身になって一緒に話してくださる方でした。

ー監督とのやりとりの中で、印象深いエピソードはありましたか。

八木:今回の映画は、一見すると喧嘩をするヤンキーものです。でも、勝ちたいから喧嘩をしているわけじゃなくて、仲間や商店街を守るために戦っているから、この作品は“ヒーローもの”だと私は思います。

みんなそれぞれのところで戦っているというか。ことはは、喧嘩では助けてもらうけどオムライスを作ってあげたり、商店街の人はご飯を作って渡してあげたり、商店街と防風鈴がお互いにとってプラスの関係性になっていることを意識してお芝居をしましたし、その役作りについては監督とも話し合っていました。

全編沖縄で撮影された実写映画。「満喫できて楽しかった」と語る舞台裏

ー今回の映画は迫力のあるアクションシーンと、青春ドラマなシーンもありました。そのような作品を撮影していた現場の雰囲気や共演者について、教えてください。

八木:スタッフさんたちも和気あいあいとしていて、温かい雰囲気でした。

今回初めてご一緒させていただく方や先輩の方が結構多い現場で、最初はドキドキしたのですが、楡井秋彦役の木戸大聖くんとは共演経験があったので安心しました。

ーNetflixのドラマ『First Love 初恋』で共演経験のある木戸さんと、なにか現場でお話はされましたか。

八木:久々の共演だったので、「どうしてる?」みたいな近況を話しました。

撮影が進んでいくにつれて、現場のみんなと仲良くなれました!みなさんとても優しかったです。

ー桜を演じている水上さんとの共演シーンが多かったかと思いますが、水上さんの印象はどうでしたか。

八木:お芝居に対してすごく真っ直ぐな方だなという印象があります。

その反面、撮影の休憩中には意外とちょっといじってくるところもあって…(笑)。

でも、そういうところが話しやすかったです。

ー他の共演者と話したことや、現場でのエピソードはありますか。

八木:敵チーム・獅子頭連の十亀条役の濱尾ノリタカさんは、すごく優しく話すジェントルマンな方でした。

防風鈴のリーダー・梅宮一役の上杉柊平さんも優しくて温かい方です。撮影現場でスタッフさんたちにも声をかけて明るい雰囲気にしてくれたので、素敵な先輩だなと思います。

ーなるほど。今回の映画は全部沖縄での撮影とのことですが、沖縄はどうでしたか。

八木:沖縄は朝から夕方にかけてずっと明るい天候で、気温もあまり変わらず。だから外で撮っていても、今が何時か分からないこともありました(笑)。

ー沖縄ロケのエピソードはありますか

八木:雨が降ってしまって、急にお休みの日になることもありました。

お休みの日には、タコスとかタコライスとか、沖縄そばも食べに行きました。沖縄のグルメを満喫できて楽しかったです!

他の方も色々食べに行っていたみたいで、みんなで「あのお店おいしいよ」って情報共有しながら、沖縄のお料理を堪能しました(笑)。

ー沖縄で撮影された映像も注目ポイントですね。出演されて感じたこの映画の魅力を語ってください。

八木:戦っているシーンは迫力があってかっこいいですし、ヒーローものっぽく感じられるドラマ性も面白いです。

この映画の根本には、“人の温かさ”があると思います。それは映画の結末や、過去の経験から自分の殻に閉じ籠ろうとする桜を、防風鈴のみんなが引っ張りだそうとするところから感じ取ってもらえたらうれしいです。

商店街の人たちも温かいし、そんな街を守ろうとする防風鈴のみんなも優しい。そこに道徳的なものがあるような気がしていて、喧嘩しているシーンのアクションのかっこよさに目を奪われるところもありながら、セリフに胸を打たれるところもたくさんあります。

ヤンキーものの作品でありながら、人の温かさを描いたヒーローものみたいな要素もあるところが、この作品の素敵なところだと思います。

リフレッシュ方法は笑うこと。お笑い番組やラジオが好き

ー現在放送中のドラマ『終幕のロンド—もう二度と、会えないあなたに—』に出演されている八木さん。出演作も多く、お忙しい時のリフレッシュ方法はありますか。

八木:リフレッシュ方法は、“笑うこと”です。

私はお笑いが好きなので、芸人さんのラジオやポッドキャストを聞いたり、お笑い番組を見たりしています。

友達とくだらない話をする時間も大切だと思うから、笑うことがリフレッシュになります。

ーおすすめのラジオ番組はなんですか。

八木:よく聞くのは「ザ・ラジオショー」という中川家さんやナイツさんのラジオ番組です。男性ブランコさんや紅しょうがさんのラジオもよく聞いています。

ー最近買ってよかったおすすめグッズなどがあったら、教えていただきたいです。

八木:最近ではないんですけど、今年の夏に蚊に刺された時に使う痒み止めペンみたいな、スティック状のものを買ったんです。

共演した方から教えていただいたアイテムなんですけど、蚊に刺された場所をすぐに温めると痒みが減るらしくて。

そういう性質を利用したやつで、実際に使ってみると本当に痒みが引いたので今年の夏はずっと持ち歩いていました(笑)。

ーそのアイテム気になります(笑)。今年も残りわずかですが、今年中にやりたいことはありますか。

八木:ジップラインをやってみたいです。

ー絶叫系がお好きなんですか。

八木:落ちる系じゃないなら大丈夫です。

私、自然が好きで、空を飛びたいという願望もあるので、自然に囲まれたところでジップラインをやってみたいです(笑)。

ーいいですね!ではお芝居で今後挑戦してみたい役はありますか。

八木:私は面白いものが好きなので、コミカルなお芝居をする役とかコメディタッチな作品にも挑戦してみたいです。

ー今後こうなりたい、というような将来の展望を教えてください。

八木:「こうなりたい」みたいな展望は、実はあまりなく、もともと人に喜んでもらったり笑ってもらうのが好きで、そのためにお仕事をしているような感覚があるんです。

今までに映画や本、それこそラジオとか、いろいろなエンタメを楽しみながら受け取って生きてきたので、俳優として素敵な作品を作ってそれを見てもらえるということが本当に嬉しいです。

だから、これからもこのお仕事を続けていけたらいいなって思います。

八木莉可子(やぎりかこ)プロフィール

2001年生まれ、滋賀県出身。

2016年に出演したポカリスエットのCMで一躍注目を集める。2021年、『スパゲティコード・ラブ』で映画初出演。Netflixオリジナルシリーズ『First Love 初恋』(22年)では、満島ひかり扮する主人公の10代を好演した。NHK総合 夜ドラ『おとなりに銀河』(23年)でヒロインを務め、ドラマ『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官』(24年)では竜星涼とW主演を果たす。2025年は映画『パリピ孔明 THE MOVIE』や『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』、ドラマ『終幕のロンド −もう二度と会えないあなたに−』に出演。

●公式Instagram @rikakoyagi_official 

ヘアメイク:本岡明浩
スタイリスト:Shohei Kashima(W)

撮影:髙橋耀太