1926年のデンマークで、肖像画家のゲルダは、風景画家の夫アイナーと暮らしていた。ある日、ゲルダは女性モデルが来られなくなったため、アイナーにその代役を頼んだ。その際にアイナーは自分の中にある女性的なものを感じ取った。そしてそれ以降、アイナーは「リリー」という女性として過ごす時間が長くなっていき、心と体の不一致に悩むことになる…。はじめはそんなアイナーをゲルダは理解できず、医師に見せるなどしたが、次第にリリーに理解を示すようになり…。そしてアイナーは自分らしく人生を過ごすためにある決断を下す。

「リリーのすべて」は、女性として生きたいと願う夫と、その決断を全て受け入れる妻の愛の実話を描いた作品です。夫婦の葛藤と性別を超えた揺るぎない絆を、「英国王のスピーチ」の監督が繊細に描き出し、観る者に深い感銘を与えます。夫役のエディ・レッドメインが演じる「リリー」の美貌も見どころの一つです。この作品は、愛と理解を通じて人間のアイデンティティを探求し、性別の枠を超えた人間の存在を描いています。