怒り

東京・八王子で起きた夫婦殺人事件。その残虐な現場には”怒”という血文字が残されていた。犯人は顔を整形しいまだ逃走中。事件が起きてから1年後、藤田優馬（妻夫木聡）は東京のクラブで、謎多き男・大西直人（綾野剛）に出会う。千葉では田代哲也（松山ケンイチ）という男が突然、槙洋平（渡辺謙）とその娘の槙愛子（宮崎あおい）の漁港に現れ、愛子は田代に恋をする。また時縄では、東京からやってきた女子高生・小宮山泉（広瀬すず）が、バックパッカーだという田中信吾（森山未來）と出会う。突然現れた3人の男の顔はどこか指名手配犯に似ていた。果たして3人の男の中に犯人がいるのか。

「怒り」は、李相日監督が芥川賞作家・吉田修一の同名ミステリーを映画化した作品です。主演の宮崎あおい、妻夫木聡、綾野剛の迫真の演技が見る者に深い印象を与えます。リアリティーのある社会事象を描きながら、人間の欲望や愛、猜疑心、エゴ、そして怒りをえぐり出す内容となっています。観る者の心に重くのしかかる、深いメッセージ性を持った作品と言えます。