鏡の中の女

女性精神科医のイェニーは、患者のマリヤの病状が回復する見込みがないことに無力感を覚えていた。やがて精神のバランスを崩し始めた彼女は、幻覚や発作に襲われ、自殺を図るまでになる。一命をとりとめた後、イェニーは自分自身の過去や内面と向かいあう。

「鏡の中の女」は、イングマール・ベルイマン監督の傑作で、主人公の女性のトラウマと精神世界を深く掘り下げています。リヴ・ウルマンが主演を務め、自らの心の傷をえぐりながら自問自答する狂気的な演技が圧巻です。また、幻想的な映像や印象的な赤色を取り入れたショットが差し込まれ、視覚的にも魅力的な作品となっています。この作品は、人間の内面を描くことに長けたベルイマン監督の手腕が光る一作と言えます。