遺灰は語る

1936年に亡くなったノーベル賞作家・ピランデッロ。「遺灰は故郷シチリアに」と遺言を残すも、独裁者・ムッソリーニは遺灰をローマから手放さなかった。戦後、遺灰は故郷へ帰還することに。だが米軍機に拒否され、遺灰が入った壺が消えたりと問題が続出し…。

「遺灰は語る」は、戦後のイタリアを描いた作品です。物語はローマからシチリアへと移送される遺灰の旅を通じて展開します。『グッドモーニング・バビロン！』のタヴィアーニ兄弟の弟、パオロが初めて単独で監督を務めたこの作品は、モノクロームの映像と音楽、そしてゆったりとした語りが美しく絡み合い、監督の映画愛があふれ出ています。