映画「哀れなるものたち」は、賛否両論が巻き起こる狂気のSFラブコメ映画ファンタジー。監督ヨルゴス・ランティモス氏、原作アラスター・グレイ氏、臨月で自殺した妊婦だった女性ベラは、天才科学者によって彼女の胎児の脳を移植して生き返らされてしまう。
見た目は大人、頭脳は胎児の役をエマ・ストーンが見事に演じきった作品。
| 制作国 | イギリス |
| 作品カテゴリー | 映画 |
| 公開日 | 2024年1月26日 |
| 作品ジャンル | ドラマ |
| 公式サイト | 公式サイトへ移動する |
映画「哀れなるものたち」のあらすじ・キャスト
ヴィクトリア朝時代、若き女性ベラは天才外科医ゴッドウィン・バクスターの手によって死から蘇る。胎児の脳を移植された彼女は、純粋な精神と成熟した肉体を持つ。
ゴッドウィンのもとで世界を学ぶベラは、弁護士ダンカンに誘われ、未知なる世界を知るために大陸横断の旅に出る。
様々な出会いや出来事を通じ、時代の偏見から解き放たれたベラは、平等と自由を知り驚くべき成長を遂げるのである。
- キャスト
- スタッフ
ベラ[エマ・ストーン] ダンカン[マーク・ラファロ] ゴッドウィン[ウィレム・デフォー] マックス[ラミー・ユセフ] アルフィー[クリストファー・アボット] トワネット[スージー・ベンバ] ハリー[ジェロッド・カーマイケル] スワイニー[キャスリン・ハンター] プリム夫人[ヴィッキー・ペッパーダイン] フェリシティ[マーガレット・クアリー] マーサ[ハンナ・シグラ]
監督[ヨルゴス・ランティモス] 原作小説[アラスター・グレイ] 脚本[トニー・マクナマラ] 製作[エド・ギニー/アンドリュー・ロウ/ヨルゴス・ランティモス/エマ・ストーン] 撮影監督[ロビー・ライアン] プロダクション・デザイナー[ジェームズ・プライス/ショーナ・ヒース] 衣装デザイナー[ホリー・ワディントン] ヘア・メイクアップ&特殊メイクデザイナー[ナディア・ステイシー] 作曲家[ジャースキン・フェンドリックス] サウンド・デザイン[ジョニー・バーン] 編集[ヨルゴス・モヴロプサリディス] セット装飾[ジュジャ・ミハレク]
映画「哀れなるものたち」のレビュー
好きなんだけど、気軽に人にはすすめられないし、一緒に観るのは絶対にやめたほうがいいタイプの映画。エマ・ストーンの存在感や衣装、美術の豪華さは圧倒的だけど、それを軽く上回るくらい気持ち悪さが炸裂している。妙に生々しいシーンも多くて、普通にグロい。「この映画めっちゃ好き!」とはなかなか言いづらいんだけど、なぜかクセになる感じ。なんだろう、珍味みたいな中毒性がある。
フランケンシュタインをベースにして現代の怪物を描くとこうなる、という実験映画のようでもありました。美術にしろ衣装にしろ、もちろん俳優たちの演技も精魂込めて作り上げられているのは間違いなく、そこに割かれた膨大な時間と労力を思うと敬意は湧いてくるのですが、残念ながら非常につまらなかったです。アートという括りで誤魔化されているように思えてなりません。扱っているのはもっと根源的な人間の生と性にまつわる部分で、決して綺麗事だけではないものも含まれますが、アートの力によってその辺を綺麗事で包み込み、高尚に見せようとしているような、そんな世界観を提示してどうだとドヤ顔をしているような作り手のエゴが見えてしまってどうにも乗れませんでした。もっと当たり前の世界で当たり前の下衆の話を・・・と思ってしまったのはないものねだり過ぎるとは思うのですが。
今までの概念をぶち壊す新たな女性像の創造という興味深そうなテーマだったので鑑賞しました。確かに体当たりの演技だったのかもしれませんが、過激なことをすればいいというものでもないかなぁというのが個人的な感想です。映像としてはティム・バートン味もあって見応え抜群なのですが、新しい女性像かと言われるとうーん…。称賛の声をとてもよく聴くので、好みは分かれる映画かもしれません。
どこか違和感のある不思議な世界観が描かれたが、モノクロやハイトーンなどの色使いが主人子のベラとリンクしていて美しかった。映像と音楽がずっと不気味だったのも魅力的。エマ・ストーンの演技も凄かった。
エマ・ストーンが演じるベラの成長と発見を描いた異色の映画です。天才外科医によって蘇り未知の世界に足を踏み入れた彼女が、偏見や束縛から解放される過程が圧巻です。映像は美しく幻想的で、時にグロテスクでエロティックな要素を交えながらも、どこか夢幻的な雰囲気が漂います。ベラが自由を知り、自己を見つけていく過程に見入ってしまう…。ランティモス監督の独特な世界観が存分に味わえる一作!
このレビューはネタバレを含みますこのレビューはネタバレを含みます
女性賛歌、女性が賢く強くなっていくストーリー。
「女性よ、冒険に出て社会を知り体験し、賢くなって勝ち抜いて行くんだ」
ロンドンでは赤ちゃん、リスボンでは前頭葉が発達し欲望を満たし感動を覚える10代。
船の上では社会性を身につけ、アレキサンドリアでは、世の中の不公平さ・残酷さを知る。
パリは社会の縮図。社会人としてお金、政治、世間を知る。売春の仕事はスピリチュアルな面もある。
戻ったロンドンでは、すっかり大人に。婚約者よりも大人のような話し方。真実、怒り、そして許し。
ヨルゴス・ランティモスは凄い。素晴らしい映画をありがとうと、ただただ感服。
2024.4.8
カエデさん/40代/女性
0
胎児の脳を移植された女性の成長と自立、男性からの解放を描くという異色のファンタジー。とにかく性描写が多いな…という印象はぬぐえなかったものの、終始どこかが歪んだ美術セットや奇抜ながらもとがったセンスな衣装、こだわりの塊なカメラアングルなど、作り手のこれでもかという異世界の作り込みは圧倒されました。クセのある世界で統一されつくしているからこそ、万人向けとはいえないものの、虜になれば好きにならざるを得ない映画だと感じました。
2024.4.3
たくあん和尚/30代/男性
0
エマストーンがかなり難しい役どころを、体当たりの演技で見事に演じきっている。アカデミー賞最優秀主演女優賞を獲るのも納得ができる。映像技術や美術も素晴らしく、世界観に引き込まれる作品。ストーリーは思想の持ち方によっては、好き嫌いを分かれると思う。
ホラー映画フランケンシュタインの女性版だと思いきや、主人公の女性を通してみる、社会の偏見、女性の人生を考えらせられるストーリーでした。幻想的な映像美で展開する物語で上映時間約二時間は見応えがありますが、エロいシーンが多め。

2024.03.15
ぽち2号/30代/男性
0
残酷ながらも不思議な世界観に引き込まれる物語でした。エマストーンの演技も、今までに見たことがない感じで良かったです。

2024.03.14
ikumi/30代/女性
0
冒頭から頭をガツンと殴られたような衝撃でした。観終わってすぐは、ストーリーや自分の感情すら整理ができず訳の分からない状態でしたが、少しずつ咀嚼しながらようやく受け入れることができるようになりました。今回は映画なのである程度大袈裟にしていますが、現代のこの世界でも同じようなことが起こっているのだろうなと思います。「何も知らないか弱い女性」に「優位に立ちたがる男性」このような構図はよく見かけます。そんな女性が叡智を習得して上り詰めていく姿は、今っぽいなと思いました。また、衣装やセットなどはとても美しく、そして少し不思議な世界観で最後の最後まで監督らしい作品でした。

2024.03.14
びぃー/20代/女性
0
R18なので当たり前かとは思うが、性的なシーンがガッツリとあった。決していやらしい印象を与えるものではなく、新鮮で好奇心に溢れているものとして描かれているのでむしろ哲学的だった。主人公と同じ視覚を持っていると錯覚するほど様々な視覚表現がスクリーン上に豊かに表現されていた。観終わった後の考察も捗り、全体的に観る価値のある映画だと感じた。

2024.03.14
konvi/40代/女性
0
口コミでエログロとあったので、ドキドキしながら朝イチで見てきましたが、素晴らしい!の一言に尽きます。エマストーンの赤ちゃんの役から大人の女性になるまでの演技にも圧倒されましたが、なんと言っても芸術的センスが半端ないです!ストーリーも良かったけど、衣装、メイク、風景、街並み、思わず何度も「うわぁ!」と声が出てしまいました。ヴェラは周りに流され、振り回され、何も分からないまま突き進んだ結果、最後は自分の生きたいように好きな人達に囲まれ日常を送るシーンは、現実と類似してるいなと思いました。哀れなるものたち、一生忘れない映画です。

2024.03.13
hinamaru/20代/女性
0
Oscarで美術賞をとっただけあるこの世界観とセット、全てが現実なのに非現実的に見えるような映像美に圧倒されて本当に面白かったです。

2024.02.26
みかん/20代/女性
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キャストが豪華で主演のエマストーンの成長途中の歩き方などがこだわりが多く演技力が高く感じた。映像も綺麗で独特な世界観となっており引き込まれた。

2024.02.05
じぇーん/50代/女性
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エマ・ストーンはこの監督と出会い、同世代の女優の中て一つ抜き出た感がある。体当たりの演技は意外にあっけらかんとしていてR18ではあるが、いやらしさは全く無い。


