映画「ムーンライト・シャドウ」は吉本ばななの原点ともいえる名作を映画化した作品です。突然、大切な恋人を失った時の深い悲しみや喪失感をもがきながらも乗り越えていく姿は、ギュッと心を締め付けられます。
全体的に言葉は少な目に、映像と音で魅せているような繊細な作品です。MVの様な美しい映像に、日本の物語とマレーシア出身監督の融合は、独特な世界感をより醸し出すことに功を奏しています。
| 制作国 | 日本 |
| 作品カテゴリー | 映画 |
| 公開日 | 2021年 |
| 作品ジャンル | |
| 公式サイト |
映画「ムーンライト・シャドウ」のあらすじ・キャスト
さつきと等、等の三歳違いの弟の柊、柊の恋人ゆみこの4人は意気投合し、「満月の夜の終わりに死者ともう一度会えるかもしれない」という月影現象を語り合うなど、多くの時間を過ごしていた。
穏やかな日々が過ぎる中で、事故で等とゆみこが亡くなってしまう。さつきと柊が悲しみに暮れている中、黒い服に身を包んだ不思議な女性、麗と出会う。
麗と2人は何度も会ううちに、月影現象についても話す。
「川のある場所でないと起こらないし、その現象には案内人がいる」と話すと、麗は「明後日の朝、橋のところに来て。」と言う。麗は一体何者なのか、そして2人の身に何が起こるのか。
- キャスト
- スタッフ
映画「ムーンライト・シャドウ」のレビュー
小松菜奈の美しさを堪能するような映画でした。雰囲気重視の演出が続いて、観ているうちに「イケテル」雰囲気の押し売り感を感じてしまいました。物語自体は悪くないのに、感情移入できないまま終わってしまったのが残念…。もっと素朴で直接的な描き方でもよかったのではと思います。
登場人物たちの感情表現の薄さが逆に不気味な雰囲気を作ってた。特にミツルの話を聞きに集まる人たちの表情がどこか作り物っぽくて印象的。ウララの普通さと対照的に、パンを食べる二人の曖昧な存在感が不思議で、画面上での登場や退場が唐突に感じられる演出も面白い。視点が徹底して第三者的だから、そう感じるのかも。全体的に考えさせられる部分があって、独特の余韻が残った。

