優しさとユーモアに満ちた“アートフルコメディ”映画『海辺へ行く道』。
主演の原田琥之佑さんと出演する麻生久美子さんにインタビュー。小豆島での撮影エピソードなど、たくさんお話を伺いました。
映画『海辺へ行く道』作品紹介
アーティスト移住支援をうたう、とある海辺の街。のんきに暮らす14歳の美術部員・奏介(原田琥之佑)とその仲間たちは、夏休みにもかかわらず演劇部に依頼された絵を描いたり新聞部の取材を手伝ったりと毎日忙しい。街には何やらあやしげな“アーティスト”たちがウロウロ。
そんな中、奏介たちにちょっと不思議な依頼が次々に飛び込んでくる。ものづくりに夢中で自由奔放な子供たちと、秘密と嘘ばかりの大人たち。
果てなき想像力が乱反射する海辺で、すべての登場人物が愛おしく、優しさとユーモアに満ちた、ちょっとおかしな人生讃歌。
8 月 29 日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
(※映画『海辺へ行く道』公式サイトより引用)
8 月 29 日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
アットホームで温かかった撮影現場。ロケ地はオール小豆島

ー今回、14歳の美術部員・南奏介を演じた原田さんと、奏介と暮らす親戚・南寿美子を演じた麻生さん。改めて、それぞれの役について教えてください。
麻生久美子さん(以下、麻生):登場人物の大人たちはほとんどみんな怪しいんですよね(笑)。寿美子はその中ではちょっとまともな人に見えるんですけど、関係性だったり普段なにをしているか実は一番謎めいた人物。
だから演じるのもすごく難しかったです。あまり「こういう人物だ」と決めつけず、細かく考えすぎないようにしました。
原田琥之佑(以下、原田):奏介は二面性が一番の魅力だと思っています。
一人称が「僕」と「俺」で変わることがよくあって。普段はすごく子供っぽいけれど、いざ芸術のことになると芸術家顔負けの知識を持っているんです。
ー撮影はいかがでしたか?
麻生:アドリブがよく出ましたね。原田さんのアドリブ、すごいんです。私はアドリブがあんまり得意じゃないので、若いのにすごいなぁと(笑)。
原田:ありがとうございます。現場で麻生さんとあまりお芝居の話はせずにすごくナチュラルな会話をしていたから、自然にアドリブができたのかもしれないです。
ー現場ではどんなお話をしていたんですか?
原田:絵の話をよくしていました。
実は、今回劇中で使われている絵の何枚かは僕が描いたんです。最後のシーンに出てくる絵も実際に僕があの場で描いています。
だからクレジットをよく見ていただくと、美術協力のところに「原田琥之佑」って書いてあります。

ーすごいですね!まさかご自身で描かれていたとは。
麻生:本当にすごいですよね!現場でも「すごいね~、どうやって描いているの?」って聞いちゃいました。
あとはもう本当に、覚えていないようなたわいもない話を(笑)。
原田:たわいもない話をしましたね(笑)。
ー現場の雰囲気はいかがでしたか?
原田:とてもアットホームで温かかったです。(脚本・監督の)横浜(聡子)さんがすごく温かさを持っていらっしゃる方で。
横浜さんの人間力にとても感銘を受けましたし、出演者、スタッフさん、小豆島の皆さんの温かさもすごく嬉しくて、撮影期間が本当に幸せでした。楽しかったです。
ー今回、小豆島でのオールロケ。島はいかがでしたか?
麻生:小豆島は最高に気持ちがよかったです!
私は島での撮影期間が皆さんより短かったのであまり観光できなくて残念だったんですが、エンジェルロード(天使の散歩道)という干潮のとき海にできる道を観に行きました。
原田:僕は一か月ぐらい小豆島に滞在していたので、島の観光地にひと通り行きました。
撮影は朝から夕方までの明るい時間がほとんどで、大体18時ぐらいにはホテルに戻っていたんです。
なので、撮影後はホテルで自転車を借りて立花良一役の中須翔真くんと一緒に大きいショッピングセンターに行っていました。
そこで卓球をして、お風呂に入って汗を流して、お風呂上りにゲームセンターに行ってアイスを食べる、という流れをほぼ毎日やっていました。
麻生:毎日やってたの!?すごい、めちゃくちゃ充実してるね~(笑)。
原田:そうなんです(笑)。本当に島の中学生として過ごせた気がします。

ー充実していますね!俳優さん同士も仲がよさそうです。
原田:めちゃめちゃ仲いいです!中須翔真くんとはプライベートでも遊びますし、電話しながら一緒にゲームしたこともあります。
先輩(梨本テルオ)役の蒼井旬※くんにもすごくよくしてもらって。僕の中学校の卒業式にもお祝いに駆け付けてくれたんです。
蒼井旬さんのインタビューはこちら
麻生:そうだったんだ!本当に仲がいいんだね。
夏っぽくて心地いい、ユーモアのある作品。たくさんの方に観ていただきたい

ー今作はドイツで開催された「第75回ベルリン国際映画祭」で上映され、ジェネレーションKplusコンペティション部門にて国際審査員特別賞(スペシャルメンション)を受賞。おめでとうございます。原田さんは現地に行かれたそうですが、映画祭やドイツの滞在はいかがでしたか?
原田:映画祭はすごくアットホームな雰囲気でした。みんな映画を受け入れてくれて、すごく細かな部分まで観てくださったのが本当に嬉しかったです。
ベルリンの滞在は1泊3日で、かなりハードなスケジュールでした。少しだけ観光できる時間があったので、ベルリンの壁を観に行ったりソーセージを食べたり。
ーそうだったんですね。2025年7月26日(土)には、小豆島で先行上映会が行われるとか。
原田:そうなんです!僕も行くので、また小豆島でちょっと肌を焼いてきます。
麻生:撮影中も(肌は)焼いていたの?
原田:意識的にではないんですけど、勝手に焼けました(笑)。本当にずっとお天気がよくて、空がすごく綺麗だったんです。
麻生:お天気にも愛されてたよね〜。
ー改めて、今回の作品の魅力を教えてください。
麻生:夏っぽくて観ていてすごく心地いい、ユーモアのある作品だと思います。観てくださった方がいろいろなことを自由に受け止めていい作品だと思うので、まずはたくさんの方に観ていただきたいです!
原田:芸術に興味がある方もない方も、共感できるところがあってどなたでも楽しめる作品です。細かいところまですごくこだわっているので、一人でも多くの方に観ていただきたいです!
今後の目標は「アクションに挑戦(原田)」「健康でいたい(麻生)」

ーここからは、おふたりご自身について伺いたいと思います。まずは原田さん。「監督にも挑戦してみたい」と伺いましたが、今後の目標は?
原田:僕が今一番の目標にしてるのは、アクションなんです。
体を動かすのがすごく好きなので、挑戦してみたいと思っています。
もちろん監督もやってみたいですし、ギターを弾けるのでそれを活かした役にも挑戦したい。あれもしたい、これもしたいといっぱいあります(笑)。
麻生:いろいろやりたいことが溢れてる〜!若い!キラキラ眩しくて、見れないです(笑)。
ー眩しいですね!(笑)麻生さんは、何か今後の目標はありますか?
麻生:私はできれば長生きしたいです(笑)。
健康でいたいから、最近は酵素玄米とか食べたり、運動したり。だんだんそういうのが気になるようになってきました。
言ってて恥ずかしくなってきちゃった(笑)。でも、今はそういう日常が幸せだなって思います。
ーなるほど、素敵な日常の幸せですね。おふたりともありがとうございました!

原田琥之佑(はらだ こうのすけ)プロフィール
2010年2月2日生まれ、東京都出身。2022年、金沢知樹監督『サバカンSABAKAN』にて映画デビュー。同作品にて、おおさかシネマフェスティバル2023新人男優賞を受賞する。その他の出演作に、ドラマ「PICU 小児集中治療室」(22/フジテレビ)、「軍港の子~よこすかクリーニング1946~」(23/NHK)、「柚木さんちの四兄弟。」(24/NHK)、「天狗の台所Season2」(24/BS-TBS)、短編映画『NEO PORTRAITS』(23/GAZEBO監督)、『ルート29』(24/森井勇佑監督)などに出演し、幅広く活躍中。「海辺へ行く道」が長編映画初主演となる。
近年では、「連続ドラマW 夜の道標-ある容疑者を巡る記録-」(9月14日放送スタート)、映画「平場の月」(2025年11月14日公開予定)をはじめ、2026年以降の公開作品も多数控えている。
●Instagram @kounosuke0202
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麻生久美子(あそう くみこ)プロフィール
1978年6月17日生まれ、千葉県出身。今村昌平監督作品『カンゾー先生』(98)でヒロインに抜擢され一躍注目を集める。同作で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞など多数受賞。以降も映画『回路』(01/黒沢清監督)、『夕凪の街 桜の国』(07/佐々部清監督)、『ハーフェズ ペルシャの詩』(08/アボルファズル・ジャリリ監督)、『モテキ』(11/大根仁監督)や『高野豆腐店の春』(23/三原光尋監督)、『ラストマイル』(24/塚原あゆ子監督)、ドラマ「時効警察」シリーズ(06/テレビ朝日)、「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」(21~22/NHK)、連続テレビ小説「おむすび」(24~25/NHK)、「魔物」(25/テレビ朝日)など、多数の映画やドラマなどに出演。横浜聡子監督作品としては『ウルトラミラクルラブストーリー』(08)『俳優 亀岡拓次』(16)にいずれもヒロインとして出演している。
●Instagram @asokumikomg
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撮影:Yuma Takatsuki
原田琥之佑さん:
ヘアメイク/塩山千明
スタイリスト/作山直樹
麻生久美子さん:
ヘアメイク/ナライユミ
スタイリスト/井阪恵