やさしい手

自転車でパート先の水産加工工場へ向かう葵（水沢アキ）、従業員が集められ工場の休業を知らされる。不漁続きで最近は船も出ていない。その時、初めて夫が漁に行っている為に不在なのではない事に気付く。家に帰ると以前夫の元で漁師の下働きをしていた圭太（宮川一朗太）が訪れた。圭太はサラ金を経営しており、夫の純一が３００万円の借金をしたまま行方をくらませたと言うのだ。後日・・・再び姿を現した圭太に義母の豊子（今井和子）は札束を投げ付けると、その場に崩れ落ちた。命に別状は無いが、軽い脳梗塞であった。借金の返済、義母の世話・・・葵は途方に暮れるしかなかった。

「やさしい手」は、主婦のあおいが突然夫が蒸発し、300万円の借金と義母の入院費を抱えることになる物語。金銭的な困窮から、あおいは風俗店「オアシス」で働くことを決意。初めての仕事は上手くいかないが、次第にコツを掴み、店の売れっ子となる。その後、夫が別の漁港からマグロ漁船に乗ったとの情報を得て、夫の帰りを待ち望む。借金返済のメドが立ったあおいは、「オアシス」を辞め、夫が帰ることを知り、夫のために耐えてきた生活に怒りと打ちひしがれる。