雨鱒の川 ファースト・ラブ

８歳の少年、心平は父を早くに亡くすが、豊かな自然に囲まれ、優しい母のもと楽しく伸び伸びと育ってきた。絵を描くことが大好きで、授業中でも絵に夢中になってしまう。そして放課後は身体の弱い母に食べてもらおうと、川でひたすら魚捕りをする。耳が聞こえない小百合とは小さな頃からいつも一緒で、不思議と２人の間では言葉が通じ合った。年上の少年、英蔵はそんな小百合に秘かに想いを寄せていた。しかし彼の言葉は伝わらず、小百合が必死に発する言葉も彼には理解できなかった。英蔵は嫉妬と苛立ちから、いつも心平につらく当たってしまうのだった。

「雨鱒の川 ファースト・ラブ」は、8歳の少年心平が豊かな自然と優しい母のもとで育ち、絵を描くことと魚釣りが大好きな日々を送る物語。耳が聞こえない幼なじみの小百合とは心が通じ合い、いつも一緒に過ごす。心平の絵がパリ児童絵画展で特賞を獲得し、22歳になった彼は東京の画廊で絵が売れる。しかし、小百合の「ずっと待ってる」という言葉に背中を押され、東京に行くことを決意する。