とどかずの町で

30歳を目前にした功一は、東京での仕事を捨て、函館の空き家になった実家で暮らし始める。東京に残してきた愛人に電話をした功一は、女に若い女性との出会いを予言される。ある夜、功一は場末の裏通りで亡き父に似た流しのアコーディオン弾きとすれ違い…。

「とどかずの町で」は、恋人や仕事から逃れてきた男と、喪失感を抱える女性の出会いと交流を描いた作品です。大西功一監督自身が主演を務め、青年の心の揺らぎをモノクロ映像の静寂感を通じて描き出しています。また、主人公の亡き父親とうり二つの男を、歌手の高田渡が独特の存在感で演じています。これらの要素が組み合わさり、大人の恋物語が深みを増して展開されます。