天真爛漫で、ミステリアスな雰囲気が魅力の現役高校3年生の増井湖々さん。インタビューさせていただいた日は、増井さんがレギュラー出演をする『NHK高校講座「物理基礎」』(毎週 (木) 午前10:30〜10:50)の初回放送日でした。「物理は苦手だけど、勉強は好きなので頑張っています」と元気いっぱい。
今年だけでもすでに3本の出演映画公開が決まっている、ネクストブレイク間違いなしの若手女優さんです!
セリフが「にゃー」のみ 猫役で初主演『しまねこ』(2024年秋公開予定)
2024年秋公開予定『しまねこ』概要
世界初!セリフのほとんどが「にゃ~」(猫語) のみというエポックメイキングな映画。
主人公はチョコ、ココア、ミント、三匹とも島に捨てられた猫。
少女たちが猫を演じ、猫語の台詞を話すという新感覚ムービー!
この映画は捨て猫たちを擬人化して描く、命の大切さを問うファンタジー。
瀬戸内海に浮かぶ北木島の美しい海と緑に包まれたロケーション!
三匹の猫たちの友情、飼い主たちとの再会などを通して、ペットたちの命の尊さを問いかけます。
若手俳優らに加え、利重剛、大島葉子、佐伯日菜子ら、近年の今関映画の常連であるベテラン俳優が、しっかりと脇を固めているのも見逃せません。
ー2024年秋公開予定の初主演映画『しまねこ』では猫の役ということですが、どういう映画になっているのでしょうか。
増井湖々(以下、増井):岡山県笠岡市の北木島という島で、野良猫3匹が生活していく中での葛藤や人間との関わりをテーマにした映画で、命の大切さを訴える物語です。
「チョコ」、「ココア」、「ミント」という3匹の猫が出てくるのですが、私は「ココア」を演じています。
ー猫を擬人化して演じているなんて、今までにない映画ですよね。「ココア」なのは、もしかして ”湖々” さんだからですか?
増井:今関あきよし監督が、ちょうど名前も似てるし、イメージも合うからと言ってくださって、ココア役に決まりました。
ーセリフが全編「にゃー」という”猫語”と伺ったのですが、初めてお話をもらったときはどういうお気持ちでしたか。
増井:すごく嬉しかったです!野良猫をテーマにした映画というのは聞いていたのですが、最初の読み合わせのときに、初めてセリフが「にゃー」ということを知って。
そのときはびっくりというか、少し受け入れるのに時間がかかりました(笑)。
ーそうですよね、台本に「にゃー」と書いてあるのですか?
増井:準備の段階でいただいた台本には、すべてセリフが日本語で書いてあり、監督から「どういう猫語になるか自分たちで考えてみて」と言われました。
私も本当に最初はどうしたらいいんだろうと思っていましたが、制作さんとキャストさんと一緒に”猫語の台本”を作り上げていったので、面白い作品になったと思います!
ー実際に猫語はうまくできましたか?
増井:猫語でも「にゃー」だけでなく「ぐえ」とか「ぐわ」とか、いろんな言い方があるのでそこを使い分けるのが難しかったです。
ー上映する際には、猫語の部分は字幕が出るのですか?
増井:実際上映されるときには、猫語の部分に字幕や、ナレーションも入るのでストーリーも分かりやすいと思います。
ー増井さんはご自宅でも猫を飼っていらっしゃるんですよね。猫の気持ちはよくわかるのではないでしょうか。
増井:猫2匹と犬2匹を飼っていて、猫とは毎日一緒に寝ているのですが、まさか自分が猫の役を演じるとは思っていなかったのでびっくりです(笑)。
共演者の方とコミュニケーションを取っていくうちに「じゃあ次のロケ地までにゃーだけで喋ろう」とか言って、だんだん猫語でもコミュニケーションを取れるようになっていきました!
ーすごいですね!(笑)実際に猫を見て研究したのですか。
増井:映画の舞台の、北木島にいる猫になりたかったので、島にいる猫は特に観察するようにしていました。
家で飼っている猫も、動きとか、喧嘩するときはどうやって喧嘩するんだろうとかを考えながら見るようにしていました。
ー「ココア」はどういう性格の猫なんですか。
増井:人間にバイクで轢かれた過去があり、片腕をけがしているので、ずっと包帯をしています。人間を信じられなくて、なんかちょっと孤独というか、かわいそうな猫です。
でも周りの猫たちが少しずつ人間とかかわるのを見て、人間不信な「ココア」にも少しずつ心境の変化が出てきて…。
ー命の大切さを問いかける映画になっているとのことですが、この作品に携わってみて何か猫に対する想いは変わりましたか。
増井:道端にいる野良猫にも、捨て猫にも1匹1匹に人生があって、幸せに生きていてほしいという想いが強くなりました。
あとは、やはりもともと飼っていて、そのあとに捨てるっていう行為を本当にしないでほしいなと思いました。
ーどのような方に観てもらいたいですか。
増井:制作スタッフさんを含め、猫好きな方が作った作品なのでやっぱり猫好きな方、猫だけではなく動物を飼っている方にぜひ観ていただきたいです。
ー映画『しまねこ』のPRをお願いします!
増井:猫が主役ですが、猫と人間の家族とのお話もあるので、年齢問わずあったかい気持ちになれる映画です。
皆さんに動物を育てる大切さを知っていただきたいですし、北木島の景色がすごく綺麗なので、その自然の風景も楽しんでいただけたら嬉しいです!
大人気コミック『違国日記』の実写映画化 主人公の友人「後藤」役で出演
6月7日(金)全国公開『違国日記』概要
累計180万部突破、”心が救われる”と話題のヤマシタトモコの傑作コミックが映画化。新垣結衣さんが演じる、人見知りな35歳の小説家・高代槙生(こうだい まきお)と、早瀬憩さんが演じる、両親を亡くした15歳の少女・田汲朝(たくみ あさ)がおくる、年の差同居物語。
ー今年の6月に公開の映画で、新垣結衣さんが主演の映画にも出演されているのですよね。どのような役柄なのですか。
増井:私は主人公の朝ちゃんと同じ軽音部の部員、「後藤」として出演させていただきました。
根は明るいけど、ちょっとネガティブな女の子で、私の性格に似ているので、役をいただいたときはすごく嬉しかったです。
ー軽音部ということは、なにか楽器を?
増井:はい、ベースをやりました。私は軽音部の新入部員であまりうまく弾けない役だったので、瀬田なつき監督からも「すごく上手に弾けるようにはしないでね」と言われていました(笑)。
ー増井さんご自身も高校生だと思うのですが、実際に部活動などはされていますか?
増井:私は高校で部活をやっていないのですが、中学では1年間だけバレーボール部に入っていたので、そのときのことを思い出したり、実際に学校の軽音部のライブに行ったりして勉強しました。
部員の雰囲気を出すために、共演者の方と積極的にコミュニケーションを取ることも努力しました。
ー工夫されたのですね、映画の見どころを教えてください!
増井:両親を亡くした朝ちゃんと、槙生さんの家族でも友達でもない共同生活が始まって、絆が生まれていくところに注目していただきたいです。
あと、私も軽音部の新入部員として出演させていただいているので、あんまりうまくベースが弾けないところにも注目してもらえたら嬉しいです(笑)。
『違国日記』の
作品情報やレビューをチェック!
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『こころのふた~雪ふるまちで~』新潟を舞台にした青春群像劇でフレッシュな魅力を発揮
『こころのふた~雪ふるまちで~』概要
3月29日(金)~ ユナイテッド・シネマ新潟で先行公開
6月14日(金)~ ユナイテッド・シネマ豊洲で公開
高校の卒業は、多くの生徒たちにとって、人生初めての大きな岐路。進学、就職と言った進路の問題や、恋人、友人との関係の変化など、その岐路において数々のドラマが生まれる。そんな高校生の思いや悩みを題材に、若者たちが前向きになれる物語が展開されるのが「私の卒業プロジェクト」のオリジナルストーリー。
今回の第5期は、新潟県新潟市と燕市を舞台に、新潟市ふるまちの芸妓、燕市の金型など、地元に根付く文化に触れながら、人口減少社会における問題に切り込み、高校を卒業していく若者たちがどのような一歩を踏み出すのかが見どころとなるストーリー。地元の人々のみならず、都心部で暮らす人々へのメッセージも込められている。
引用元:私の卒業企画公式サイト
ーどんな役で、どんな作品になっているのですか。
増井:生徒会に所属している高校生で、新潟の魅力をみんなに知ってもらおうと真面目に努力している役です。
少子高齢化問題や、地方の人口減少に対して私たち若い世代に今何ができるのかっていう大きなテーマがあって。
その中に一人ひとりの葛藤や夢に向かって進んでいく姿が描かれています。
ー同じ年齢くらいの子が多かったと思うのですが、撮影地の新潟ではどんな風に過ごされていたのですか。
増井:みんなで一緒にご飯に行く機会が多かったですね。
新潟の名物のタレカツ、ラーメン、へぎそば、バスセンターのカレー…たくさん美味しいものを食べられて幸せでした。
オフの様子は後日公式YouTube
【1:5ドキュメント 私の卒業〜出発地点〜】 第5期 こころのふた~雪ふるまちで~ にVlogが掲載されるそうです!
ーどういう方に観てもらいたいですか。
増井:新潟の魅力が伝わるような作品になっていて、新潟に住んでいる方には「あ!あそこだ!」ってわかる風景もたくさんあると思うので、新潟の方にはぜひ観てもらいたいです。
あとやっぱり、私と同じ世代の方たちにも少子高齢化問題について考えてもらいたいので、同世代の方たちにもすごく見てもらいたい映画だなと思います。
「自分と違った経験をしている子を演じるのがすごく楽しい」現役高校生女優が語る女優の魅力とは
ー芸能界に入るきっかけは何だったのでしょうか。
増井:小さいころから両親の影響で朝の連続ドラマを観ていて、「朝から元気を届けられる女優さんっていいな」と思ったのがきっかけです。
ー現在、難関高校に通っていらっしゃると聞いたのですが、お仕事と学業の両立はどのように?
増井:私がすごく短期集中型というか、テストの前日に撮影が入っていたとしても帰ってきて遅い時間からでも勉強を始めて…一夜集中型ですね(笑)。
あとは授業に出られるときは1時間だけでも出て、なるべく休まないようにしています。
ー本当にすごい。ではお芝居の台本を覚えるのもお手の物なのではないですか?
増井:勉強はそうでもないのですが、台本はなぜか、目で見てスッと覚えられます。
ー女優さんの魅力はどういうところにあると感じますか。
増井:普段自分じゃない誰かになる機会なんてないので、違う人の人生を歩むことができるのがすごくおもしろいな、魅力的だなと思います。
ー目標とする女優さんや、今後やってみたい役についても教えてください。
増井:小松菜奈さんみたいなミステリアスというか、独特な雰囲気がある女優さんに憧れます。
あとは『エルピス-希望、あるいは災い-』(2023)で演じた中村優香みたいな、何か抱えている子を演じたいです。
そういう役は考えることも多くて大変ですが、自分と違った経験をしている子を演じるのはすごく楽しいので、今後もいろんな役にチャレンジしていきたいです。
ー有名な俳優さんとの共演も今まであったと思うのですが、印象に残っているエピソードはありますか。
増井:テレビでずっと観ていた方が現場にいると、少し緊張してしまうのですが、みなさんすごく優しく喋りかけてくださって。
私にだけじゃなくて、いろんなスタッフさん、エキストラさんにも優しく接しているのを見ると、自分が有名になってもこういう風にいろんな方に優しくできるようになりたいなと感じることが多いですね。
ー毎日忙しいと思うのですが、リラックスするときはどんなことをしているのですか。
増井:野球を観ることとゲームがすごく好きなので、夜ご飯を食べているときに野球を観たり、ご飯を食べ終わったらゲームをしたりしてリラックスしています。
あとは普段から本を読むのが好きなので、本もよく読みますね。
ーどんな本を読むのですか?
増井:文豪の本を読むのが好きです。本を読むことでいろんな人の人生を知って、学んで、それを役作りにも活かしていきたいと思っています。
ー今年だけでもすでに3本も出演映画の公開が決まっている増井さん、2024年はどんな1年になりそうですか?
増井:忙しい年になってほしいなと思っています。今高校3年生なので、大学に入るまでにお仕事の幅も広げたいですし、力を入れたいです。
ー学業にも、女優業にも全力投球で魅力がたくさんの増井さんを応援したくなりました。これからの活躍を楽しみにしています!ありがとうございました!
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増井 湖々(ますい ここ)プロフィール
2006年7月12日生まれ、17歳/高校3年生。東京都出身。近年の主な出演作にドラマ「エルピス-希望、あるいは災い-」(CX/監督:大根仁)中村優香役、映画「交換ウソ日記」(監督:竹村謙太郎)萌役。現在公開中の映画「こころのふた~雪ふるまちで~」(監督:北川瞳)与田紗英役、6月7日(金)全国公開の映画「違国日記」(監督:瀬田なつき)後藤役、秋頃には主演映画「しまねこ」(監督:今関あきよし)ココア役としての出演が控える。また4月より、高校講座『物理基礎』(NHK Eテレ)にてレギュラー出演中です。
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写真:安藤マミコ
ヘアメイク:MAI KUMAGAI