浅草に住むほう間の久蔵は、酒癖が悪く贔屓の客をしくじってばかり。そんななか、年の瀬で借金取りに追われていた久蔵は、なけなしの金で富札を買ってしまう。その夜、しくじった旦那の家が火事だと知った久蔵は、出入りを許されるかと急いで駆けつけるが…。

大ベテラン・柳家小満んの独演会は、古典落語の珍しい演目を披露することが魅力の一つです。粋な噺家として知られる柳家小満んは、八代目桂文楽の艶っぽさと、五代目柳家小さんの滑稽さを受け継いでいます。2016年の独演会では、文楽の十八番だった名作「富久」を収録し、その魅力を存分に発揮しました。その独特の語り口と、繊細な表現力で観客を引き込む柳家小満んのパフォーマンスは必見です。