怪奇蒐集者(コレクター)　三輪チサ

100歳を超え、家族に迷惑をかけまいと断食を始めた霊能者の女性。ある日突然目を覚ました彼女が告げたのは…（「火の女」）。老人ホームに勤務するKさん。ある夜、普段はサボっている夜中の巡回に出てみると…（「午前2時の巡回」）ほか。

「怪奇蒐集者」は、作家・三輪チサが語る、心の奥に秘めた不安と郷愁を誘う怪異譚です。彼女が主催する「ひらかた怪談サークル」で披露されたエピソードを集めた作品で、幼い頃に感じた寂しさや不安を呼び起こす8編が収録されています。それぞれのエピソードは、読者の心に深く響く感情を揺さぶります。三輪チサの独特な世界観と、人間の心理を巧みに描いた物語は、怪奇好きならずとも楽しむことができます。