冬のほつれまで

高校2年生の根本育実の趣味は観察をすること。誰よりも早く学校へ行き、教室のベランダで植物の水やりをし、授業中の出来事や放課後の喫茶店など、観察の中で芽生えた絵をスケッチブックに描く。そんな彼女に興味を示す立花ほのかは育実との交流を試みる。

「冬のほつれまで」は、自分だけの時間を生きる女子高生の物語です。彼女は誰とも会話をせず、スケッチブック片手に、ひとりの時間を過ごします。その中で「観察」から芽生えた絵をスケッチブックに残し、自己の確立を問います。この作品は、彼女の独特な視線で描かれ、観る者に深い共感を呼び起こします。