マレヒト

ある独立国家の国境線。電波に乗って敵国の元首・マレヒトの演説が流れてくる以外何も起こらない場所。見張りを続ける警備兵は、政府から支給された慰安用の女性型アンドロイド「イリヤVI型」と暮らしていた。だがある日、思わぬ変化が彼に訪れる。

「マレヒト」は、戦争のない国境線を守る警備兵の性と政治を描いたSFドラマです。監督はインディペンデント映画を作り続けてきた佐藤智也で、突然起きた異変に揺れる警備兵の心境や衝動の描写が見事に描かれています。特に、砂漠に響き渡る独裁者役・天本英世の演説は必聴です。この作品は、人間の内面と社会の矛盾を巧みに描き出しており、観る者を深く考えさせます。