すもも

信濃国、藤代藩五万石。加川慎一郎は大阪の適塾で学び、大筒組の組頭補佐に抜擢されたエリート。組頭・多田軍平衛の娘・詩織との婚儀も決まった矢先、演習時に大砲の暴発事故が起きてしまう。けがを負った慎一郎の婚儀は破談、さらに事故の責任を問われ…。

「すもも」は、幕末の信州を舞台に、障害を負い働く場所も家族も失った主人公の苦悩と再生を描いた作品です。井上泰治監督が“教育”と“障害”をテーマに撮り上げた重厚なストーリーは、人間の生きる力と支えあいの大切さを教えてくれます。主人公を演じた高杉瑞穂の見事な演技も見どころの一つです。この作品は、時代の動乱と個人の試練を通じて、人間の強さと優しさを描き出しています。